投獄?
本日一本目!
それと記念すべき10話目です!
いや、特になにかあるという訳ではないのですが。
評価やブクマありがとうございます!
めざ覚めると檻の中にいた。ほかの人だとここから「なぜ捕まったのか」とか「ここからどうやって脱出するか」の話し合いになるのだろうが、ジンとカムイは違った。
「毒盛られたな」
「そうっぽいね。まだ体がちょっとだるいもん」
「と、すると、犯人はショコラだな。これはお仕置きだな」
この二人は呑気にしつつも、ほとんどの事を理解していた。
この牢屋は1辺が4m程で正方形の形をしている。窓が無いことから恐らく地下であろう。
周りは自然の岩の壁で囲まれており、正面の通路のある面だけ、鉄の格子が組まれている。
「地獄の炎」
ジンが魔法を唱えるが、発動しない。
「ちっ、めんどくせぇ、魔障石か」
「えー、徒歩なの」
「しゃーねぇだろ。文句はここに俺たちをぶち込んだショコラに言えよ」
魔障石というのは魔法の発動を阻害する石である。これは量によって防げる範囲などが決まってくるのだが、ジンの魔法が発動しなかったというなら、恐らく今回は部屋の壁全てだろう。
ジンは魔法を諦めて鉄の格子に近づく。
この格子も魔障石が埋め込まれているので、これを直接魔法で変形させるなどということは出来ない。
グニャ……
変形させることが出来ないはずの鉄の格子が歪んだ。人が1人通れる程に。
「こんくらいでいいか」
「さすがジン。ジンの名前は人外のジンから来てるんだね」
「殴るぞ」
「真面目に死ぬからやめて」
ジンの力技である。直径5センチ程の鉄などジンにとってはこんにゃくのようなものだ。そして、ここであることを思い出す。
「そういえば、転移してもお前は上に帰れないな」
「その時は私が鉄格子を曲げてた」
「お前も人のこと言えねぇじゃねぇかよ」
そう、たとえ転移出来たとしても、カムイは上に帰れないのだ。今考えると、転移しなくて良かったと思う。
そこに異変に気付いた見張りがやってくる。
「お前たち何をやっている!」
「いや、何って、脱獄?」
見たまんまのことを言うジンの横でうんうんと首を縦に振るカムイ。門番はあまりの堂々さに少しポカンとしている。
そこに他に散らばっていた見張り達もぞろぞろと駆けつけて来る。
瞬間、見張りたちはその場に倒れた。
「あんま対人戦は苦手だからやりたくないんだよ」
「これが苦手の領域なの?」
「いや、手加減の話な? うっかり首飛ばしたりしたらシャレにならんだろ」
なるほどと納得するカムイ。確かにジン程の強者になると対人戦は逆に難しくなる。上手く手加減しないと相手が死んでしまうのだ。
だが、魔物相手ならば首が飛ぼうが、体に大穴が開こうが大丈夫だ。
そして、ここで回復役の重要性に気付く。いや、本来回復役というのは非常に大切な存在なのだが、ジンは回復など必要ないのでこの世界に来て考えたこともなかったのだ。
まさか、考える理由が「敵を殺してしまった時に回復できる人がいれば大丈夫」という考えから来ている人は、ゲーム世界広しと言えどジンだけであろう。
「あ、人」
カムイが他の人を見つけた。
近付いてみると少女のようだ。身体中にひどい怪我をしており、虫の息で今にも息絶えそうである。
ジンは急いでアイテムボックスからポーションを取り出すと、その少女に飲ませた。
すると、少女から淡い緑色の光が浮かび上がると、みるみるうちに少女の傷が癒えていく。
ジンが使ったポーションはエクストラポーションといい、ポーションの中でも最高位のポーションだ。
ジン自体が使うことはないのだが、ゲームをしている時に、フレンドから感謝の気持ちとして使い切れない程貰っている。
使用した相手が死んでいなければ、どんな傷でも、病気でも癒すことが出来る、まさに万能ポーションなのだ。
そして、ここでジンはあることに気が付く。
「ん? これ門の前で揉めてた子じゃないか?」
「あ、そうだ。どこかで見たことあると思ったら」
そう、この少女は門の前で揉めていた子だった。だとすると、白馬の王子様もこの事件に絡んでいるということで良さそうだろう。
ジンはニヤッと笑い、「あの時の借りを返すぜ」と1人で呟いていた。
そうこうしていると、少女が目を覚ました。
ルビって振るの難しいですよね。
作者は振らない方向でいくつもりですので直読みして頂ければ読めるかと……
評価やブクマお願いします!
お昼すぎには次を出すと思います!




