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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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92/117

パリ到着、初日の回


11月。


長い飛行時間を終えて。


ついに、


明石高校美術科二年生はフランスへ到着した。


パリ。


芸術の街。


歩美は飛行機の窓から見える景色を眺めていた。


「本当に来たんだ……」


隣の華子も外を見る。


「日本と全然違うね」


石造りの建物。


広い道路。


見慣れない街並み。


全部が新鮮だった。


空港を出る。


冷たい空気。


聞こえてくるフランス語。


「何言ってるか分からない……」


あかりなら言いそうなことを、


歩美は心の中で思った。


しかし、


美術科のみんなは目を輝かせていた。


「建物を見て!」


「窓の形が日本と違う!」


早速スケッチしたくなる景色ばかりだった。


ホテルへ向かう途中。


バスの窓からパリの街を見る。


古い建物。


カフェ。


街角の人々。


歩美はスケッチブックを取り出した。


「もう描くの?」


華子が笑う。


「だって、忘れそうだから」


歩美らしかった。


ホテル到着。


荷物を置いて、


少し休憩。


夕方。


先生が予定を確認する。


「明日から本格的に美術研修です」


「はい!」


みんなの返事が揃う。


夜。


部屋。


歩美と華子は今日の感想を話す。


「一番驚いたのは?」


「街全部が絵になること」


華子は笑う。


「やっぱり美術科だね」


その頃。


明高荘。


日本では夜。


あかりと奈緒が談話室にいた。


「今ごろパリかな」


「どんな絵を描いてるんだろうね」


さやかも写真が届くのを楽しみにしていた。


「帰ってきたら話をいっぱい聞こう」


そしてパリ。


歩美は窓の外を見る。


初めて見る街。


初めて聞く言葉。


初めて感じる空気。


明日から始まる美術研修への期待を胸に、


ゆっくり眠りについた。


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