表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/118

七夕の回


7月7日。


朝。


明高荘の玄関前には、大きな笹が立てられていた。りんがご近所さんからもらってきたものだ。


「おおー!」


最初に反応したのはちかだった。


「七夕だ!」


「今年も飾るよ」


さやかが色とりどりの短冊を用意する。


赤。


青。


黄色。


緑。


紫。


「何お願いしようかな」


歩美が言う。


「成績アップ」


華子が答えた。


「即答だね」


午前中。


明高荘の住人たちが次々と短冊を書く。


歩美。


『楽しい高校生活が送れますように』


華子。


『読みたい本を全部読めますように』


「現実的」


歩美が笑う。


純子。


『テストで平均点以上取れますように』


優子。


「まず勉強しなさい」


純子は何も言い返せなかった。


あかり。


『毎日楽しく過ごせますように』


奈緒。


『健康第一』


「おじいちゃんみたい」


あかりが言う。


「大事だから」


午後。


仕事組も帰ってきた。


涼子。


『仕事で失敗しませんように』


初美。


『有給が取りやすくなりますように』


恵子。


『朝スッキリ起きられますように』


「切実だね」


全員がうなずいた。


303号室。


つむぎも短冊を書く。


『朝起きたらお金持ちになっていますように』


「願望が強すぎる」


涼子が言う。


夕方。


最後はちかの番。


みんなが見守る。


「何書くの?」


あかりが聞く。


ちかは真剣な顔で考える。


そして。


『とうもろこしがいっぱい食べられますように』


書き終えた。


静寂。


「ちからしいね」


歩美が笑う。


「大事だから!」


実際、大事だった。


その時。


さやかが笹に短冊を結ぶ。


夜。


みんなで笹を眺める。


風に揺れる短冊。


夏の夜空。


「願い叶うかな」


ちかが聞く。


「叶うといいね」


歩美が答える。


「とうもろこしも?」


「たぶん一番早く叶うと思う」


華子が言った。


みんなが笑う。


その時。


さやかが畑を見る。


「そういえば」


「第二弾のとうもろこし、そろそろ収穫できそう」


「本当!?」


ちかが飛び跳ねる。


どうやら今年の七夕で一番早く叶いそうな願い事は、


ちかの短冊だった。


笹が風に揺れる中、


明高荘の住人たちは少しだけ夜空を見上げた。


それぞれの願いが叶うことを願いながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ