オマケ・歩美、校長先生になる
昼休み。
校長先生が講堂で全校集会の準備をしていた。
その横を歩美、華子、しずくが通る。
歩美が何気なく校長先生の机を見る。
そこには……
**校長先生のあいさつ原稿。**
歩美。
「ちょっと読んでみたい。」
華子。
「やめなさい。」
歩美。
「一行だけ!」
その瞬間。
ゴォーーーン!
チャイムが鳴る。
校長先生。
「ちょっと職員室へ行ってきます。」
原稿を机に置いたまま出ていった。
歩美の目がキラリ。
「今しかない。」
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講堂。
歩美は校長先生の席に座る。
華子。
「降りなさい。」
歩美。
「一回だけ校長気分。」
しずく。
「先生に見つかったら終わりだよ。」
その時。
放送。
「全校生徒は講堂へ集合してください。」
歩美。
「え?」
華子。
「え?」
しずく。
「え?」
三人。
「えーーーーー!?」
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体育館に生徒が続々と入ってくる。
歩美は校長席に座ったまま。
立てない。
逃げられない。
先生たちも続々入ってくる。
歩美。
「どうしよう。」
華子。
「知らないよ!」
しずく。
「完全に詰んだ。」
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教頭先生が歩美を見た。
「あれ?」
歩美はとっさに低い声を出した。
「……おはようございます。」
教頭先生。
「声、風邪ですか?」
「昨日のど飴を食べ過ぎまして。」
華子は笑いをこらえて震えている。
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教頭先生。
「では校長先生、ごあいさつを。」
歩美。
「えっ。」
講堂中が静まり返る。
約八百人が歩美を見る。
歩美は覚悟を決めた。
マイクを持つ。
「みなさん。」
シーン。
「えー……。」
シーン。
「今日は。」
シーン。
「暑いですね。」
体育館全員。
「そうですね。」
歩美。
「以上です。」
体育館中、
大拍手。
華子。
「内容ゼロなのに!?」
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そこへ本物の校長先生が走って入ってきた。
「すみません遅れました!」
講堂が静まり返る。
校長先生は歩美を見る。
歩美も校長先生を見る。
十秒見つめ合う。
校長先生が一言。
「……私、若返った?」
講堂、
大爆笑。
歩美は土下座。
「すみませんでしたーーー!」
校長先生は笑いながら言った。
「君。」
「はい……。」
「私より拍手をもらってるじゃないか。」
歩美。
「そこ褒めるところじゃありません!」
その日以来、学校では歩美に新しいあだ名が付いた。
**「第2校長」**
歩美は最後まで否定していたが、卒業まで誰一人そのあだ名をやめることはなかった。




