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ほのぼの日常系、明高スケッチ  作者: 九頭龍りく


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210/210

オマケ・歩美、校長先生になる


昼休み。


校長先生が講堂で全校集会の準備をしていた。


その横を歩美、華子、しずくが通る。


歩美が何気なく校長先生の机を見る。


そこには……


**校長先生のあいさつ原稿。**


歩美。


「ちょっと読んでみたい。」


華子。


「やめなさい。」


歩美。


「一行だけ!」


その瞬間。


ゴォーーーン!


チャイムが鳴る。


校長先生。


「ちょっと職員室へ行ってきます。」


原稿を机に置いたまま出ていった。


歩美の目がキラリ。


「今しかない。」


---


講堂。


歩美は校長先生の席に座る。


華子。


「降りなさい。」


歩美。


「一回だけ校長気分。」


しずく。


「先生に見つかったら終わりだよ。」


その時。


放送。


「全校生徒は講堂へ集合してください。」


歩美。


「え?」


華子。


「え?」


しずく。


「え?」


三人。


「えーーーーー!?」


---


体育館に生徒が続々と入ってくる。


歩美は校長席に座ったまま。


立てない。


逃げられない。


先生たちも続々入ってくる。


歩美。


「どうしよう。」


華子。


「知らないよ!」


しずく。


「完全に詰んだ。」


---


教頭先生が歩美を見た。


「あれ?」


歩美はとっさに低い声を出した。


「……おはようございます。」


教頭先生。


「声、風邪ですか?」


「昨日のど飴を食べ過ぎまして。」


華子は笑いをこらえて震えている。


---


教頭先生。


「では校長先生、ごあいさつを。」


歩美。


「えっ。」


講堂中が静まり返る。


約八百人が歩美を見る。


歩美は覚悟を決めた。


マイクを持つ。


「みなさん。」


シーン。


「えー……。」


シーン。


「今日は。」


シーン。


「暑いですね。」


体育館全員。


「そうですね。」


歩美。


「以上です。」


体育館中、


大拍手。


華子。


「内容ゼロなのに!?」


---


そこへ本物の校長先生が走って入ってきた。


「すみません遅れました!」


講堂が静まり返る。


校長先生は歩美を見る。


歩美も校長先生を見る。


十秒見つめ合う。


校長先生が一言。


「……私、若返った?」


講堂、


大爆笑。


歩美は土下座。


「すみませんでしたーーー!」


校長先生は笑いながら言った。


「君。」


「はい……。」


「私より拍手をもらってるじゃないか。」


歩美。


「そこ褒めるところじゃありません!」


その日以来、学校では歩美に新しいあだ名が付いた。


**「第2校長」**


歩美は最後まで否定していたが、卒業まで誰一人そのあだ名をやめることはなかった。


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