新入生、明高荘へようこその回
3月下旬。
春。
明高荘の庭では、
さやかが新しい苗を植える準備をしていた。
「今年も家庭菜園の季節だね!」
「入学式より畑の話が先なの?」
しずくが笑う。
新年度。
明高荘にも新しい住人がやってくる。
今年から高校1年生になる二人。
201号室。
小谷有紀
「小谷有紀です」
「明石高校1年生です」
「まだ慣れないことばかりですが、よろしくお願いします」
少し緊張した性格。
でも絵を描くことが好き。
美術科で新しい友達を作ることを楽しみにしている。
202号室。
岸野真理子
「岸野真理子です!」
「同じく明石高校1年生です!」
「楽しいこと大好きです!」
明るく元気。
初日から談話室に顔を出すタイプ。
「みんなでご飯食べたりするんですか?」
「しますよ」
華子が答える。
「たぶん毎日誰かいます」
「たぶん?」
「ほぼ確実に」
歩美が笑う。
101号室。
林歩美。
もう先輩になった。
「去年の私も、こんな感じだったのかな」
華子が言う。
「もっと騒がしかったけどね」
「え?」
「本人が忘れてる」
談話室。
新入生歓迎会。
集まったのは、
歩美。
華子。
さやか。
しずく。
りん。
ちか。
あかり。
奈緒。
涼子。
初美。
恵子。
つむぎ。
そして新入生の有紀と真理子。
「明高荘へようこそ!」
みんなで拍手。
涼子が自己紹介する。
「私は社会人2年目です」
初美が続く。
「困った時は相談してください」
恵子。
「仕事帰りでも話相手になります」
つむぎ。
「昼間ならだいたいいます」
「本当にいるんですね……」
真理子が驚く。
みんな笑う。
そして。
さやかの番。
「私は家庭菜園担当です!」
「今年はとうもろこし、ネギ、サニーレタス、トマト、大葉、キュウリ、オクラ、枝豆、バジルを予定しています!」
有紀がメモを取る。
「すごい……」
華子が小声で言う。
「始まった」
「何がですか?」
「さやかの野菜説明」
また笑い声。
夜。
新入生二人は部屋に戻る。
有紀。
「明高荘って不思議だね」
真理子。
「でも、楽しそう」
外から談話室の声が聞こえる。
先輩たちの笑い声。
弓木家の話し声。
新しい一年。
新しい出会い。
明高荘は、
また少し賑やかになった。




