第百六十二話 オブジェ
7450年2月22日
ガタゴトと揺れる馬車の荷台の上に寝っ転がったまま、俺は空を見上げていた。
頭の下にあるミヅチの膝に柔らかいクッションが乗せてあって気持ちいい。
トリスはグィネと二人、御者台に並んで座り、グィネの先導で馬車を御している。
同じ馬車に乗っている王国軍の隊長によると、このままの速度で進めるのならあと一時間程でタンクール村に到着するだろうとの事だ。
それについて、聞こえていた筈のグィネから何もないという事は、あまり大きな違いはないと思っていていいだろう。
因みに今、石油の匂いはプンプンと臭っている。
この匂いに対してノブフォムがどんな顔をしているか興味はある。
多少無理をすれば、上半身を起こせるくらいには回復しているとは思う。
この馬車が先頭を走っているから、体を起こして後ろを見れば顔くらいは見えるような気もする。
でも、まだまだ精神的な疲労感は抜けきっておらず、指一本動かすことすら面倒だ。
本音を言えば馬車に揺られていることすら辛い。
しっかりとしたベッドで休みたい。
それ故に、彼女の反応を知る程度の事で、わざわざ起き上がるのも億劫でたまらないのだ。
それに、ミヅチを始めとする殺戮者や王国軍の隊長、アンダーセンにはしなければいけない指示は全てし終わっている。
タンクール村に到着したらやらなければならない事もあるから、今はしっかりと休んで疲れを抜いておかなければならない。
自分に対して動かないでいる言い訳を考えながら、雲を眺めていた。
今、馬車の中では王国軍の兵士や隊長とアンダーセンが言葉を交わしているだけだ。
「しかし、流石はグリード閣下。ドラゴン・スレイヤーと謳われるだけのことはありますなぁ」
隊長はドラゴンが退治されたばかりか、タンクール村を獲得できそうな事に大喜びで、しきりと俺のことを褒めそやしている。
「ええ。私はあのドラゴンを仕留める瞬間を見ましたが、文字通り一刀両断でした」
アンダーセンも感心したような声音で言っているが、俺が覚えている限り一刀両断とか、たったの一撃でとか剣の一振りでとか俺と飛びトカゲの戦闘について語るのは、もう五回目くらいだ。
「……ファイアフリード閣下も大したものだったが、スローターズやブラック・オパールの皆さんもとんでもなく大量の魔物を倒してた」
馬車の後ろの方で兵士たちが会話をしている。
だけど、ブラック・オパールってなんだよ?
名前くらいちゃんと言ってやろうぜ。リーダーも乗ってるんだし。
「ええ。だけど、本当に凄いのはグリード閣下じゃないすか? あれだけ大量の魔物をたった一人で倒すって、もう人間業じゃないっすよね」
「ああ、本当にな……」
ん? 今度は俺のことを話してんのか?
「千匹超えてますよね?」
「あの数、千どころじゃないだろ?」
「数もそうだけど、マンティコアとかもいたし……」
「まじか?」
「え? お前あの竜巻みたいなすげぇ魔術、見てねぇの?」
「見たけどさ、遠くて……」
「あん中にマンティコア、いたぜ? 遠くからだけど死体も見たしな」
「やっぱでかかった?」
「ああ、そりゃもう……」
おお、もっと言ってくれ。
なんだか元気が湧いてくる気がするよ。
ところで、膝枕をしてくれてるミヅチはともかくとして、ラルファはなんだか静かだな。
……と思ったら荷台の壁に背を預けて、ベルと一緒に寝てた。
・・・・・・・・・
デーバス王国の王城ガムロイに隣接する、ダーリンス宮殿。
その一室にはこの国の最高幹部とも言える人員が勢揃いしていた。
「これより黒狼騎士団長、将軍アクサル・ダンテス伯爵の査問を執り行う」
軍部大臣であるトルシャー・ベルグリッド侯爵が重々しい口調で査問会の開催を宣言した。
彼は国王であるアゲノル・ベルグリッド公爵の弟で、前白凰騎士団長でもある。
軍人としては平均以上の能力を持っていたうえに、個人としても武勇を誇りそれなりの手柄を上げていた事に加え、国王の弟であることで騎士団長になれたのだ。
更に、騎士団長として大過なく仕事をこなしてきたために軍部大臣になることも出来た男だ。
だが、一年程前から度々痛風の発作を発症したため、そろそろ勇退するのではないかと囁かれている。
先のカンビット王国との軍事境界線を巡る交渉はどうにか現地までは行ったものの、期間中の殆どの日程をベッドの上で過ごしていたので大臣としてはあまり役に立ってはいないのが惜しまれるところだった。
トルシャーはコの字型に並ぶテーブルの最奥から室内にいる全員の顔を見回すと、黒狼騎士団長の失態について訥々と語り始めた。
内容は、総勢四〇〇〇名を超える人員を糾合したにも拘わらず、ドラゴンを取り逃がしたこと。
あまつさえ、全軍の七割にも上る人数を失ったこと。
更には帰還が適った人数の三分の一に当たる四〇〇名は彼に従って帰還したのではなく、自らの努力で死地から逃れたこと、などである。
会議の参加者は数日前から配布されていたタンクール村における対ドラゴン戦闘の推移などを纏めたレジュメに目を通しながら、査問会の議長であるトルシャーの言葉に耳を傾けていた。
ダンテス将軍は、ただ一人コの字型のテーブルの中に用意された椅子に腰掛けたまま、両手を膝において黙って正面のトルシャーを見つめている。
その視線を受けてトルシャーは居心地の悪い気持ちになる。
だがようやく、将軍が犯した全ての失態についてあげつらい終わった。
「さて、まずは皆の意見を述べて欲しい」
トルシャーがそう言うと、一人の手が挙がる。
御三家の一人、大蔵大臣を務めているジュール・ダンテス公爵だ。
彼は将軍の従兄弟であるため、擁護の言があるのだろう、と誰もが思った。
「議長。私は将軍には死罪が適当であろうかと考えます」
あまりに厳しい意見に室内の各所から息を呑む音が聞こえた。
「理由は?」
議長であるトルシャーもその一人だったが、彼の立場ではそこまでの罪を問う理由を尋ねる事が精一杯の抵抗だった。
「は。まず第一に魔物討伐としては記録的な大敗を喫したことです」
これについては誰もが認めるしかない。
記録上、ここまでの大敗はかのベルゴーフロクティがダート平原で暴れまわった時以来なのだ。
尤も、その頃は記録の制度に加えてその精度もいい加減だったため、記録されている内容もあやふやであり、文献によって被害は一〇倍くらいも違うので記録としては殆ど意味を成していない。
しかし、一番大きな被害を記録した書物でも討伐軍の死者は一五〇〇程度とされていた。
「第二に、失われたのはほぼ全て正規の騎士団員です。これ程の精鋭を揃えながら七割もの損害を出すとは言語道断です。将軍の指揮能力に深刻な疑念を抱かざるを得ません」
これを聞いて大多数が唸り声を上げた。
今回の討伐に於いては実力の劣る徴集兵の割合は非常に低い。
国内最精鋭との呼び声も高い白凰騎士団こそ参加していないものの、ダート平原を守護する緑竜騎士団の各部隊は疎か、カンビット方面を主任地とする青虎騎士団のうち、王都近辺に戻っていた部隊からも可能な限り実戦で鍛えられた攻撃魔術の使い手を投入している。
また、移動式のアーバレストも多数が投入されるなど、単なる魔物退治の為の戦力としては考えうる中でも最高に近いものを注ぎ込んでいた。
更にはこの会議に参加しているメンバーの殆ど全員が大なり小なり自分の縁者達を参加させていた。
参加者には一族の家宝とも言えるような貴重な魔法の武器も貸与され、家名を上げる事を期待されて送り出されていたのだ。
その七割が討ち死にするという惨憺たる結果については誰もが一族に対して後ろめたい思いを抱くだけでなく、貴重な財物を失った事に不満を覚えてもいる。
――フン。ダンテス公爵……今回の討伐、強烈に将軍を推薦したのはあんただろうが?
コの字型に並ぶテーブルの末席でアレクは書類に目を落とすふりをしながら大蔵大臣を盗み見た。
失われた魔法の武器の数は二〇を超えている。
当然、回収のために幾人もの冒険者が雇われてタンクール村に赴いていた。
だが、誰一人として帰ってきた者はいない。
タンクール村の監視部隊からは「ドラゴンが村を発って、充分に余裕を見てから村に突入し、複数の回収に成功した者もいるが、帰還したドラゴンに追われて全て取り返されている。従って確実に回収出来たと思われる武具はない」との報告があるのみであった。
魔法の武器を回収した後にそのまま逐電した可能性もあるが、報告では怒り狂って回収部隊を追ったドラゴンが帰ってきた時には必ず戦利品を持ち帰ってきていることが目撃されているので、この可能性は限りなく低いだろうと考えられている。
要するに、危険すぎて未だに取り返すことすら出来ないままでいるのだ。
アレクにしても成人の際に両親から贈られた【スカーミシャー】という銘の魔剣を取り返せてはいない。
――大方、俺やセルなんかにこれ以上手柄を上げさせたくはなかっ……いや、自分の一族に手柄を上げさせたかったんだろうが……。
今回のドラゴン退治に関して、アレクは言い出しっぺなのだから自ら討伐軍を率いさせて欲しいと申し出ていたのだ。
勿論、白鳳騎士団を中心に、セルやツェット、ミュールを始めとする日本人も参加させるつもりだった。
と、言うか、レーンさえ来てくれれば必ず勝てると踏んでいたために、自分達の名声や地歩を固める良いチャンスだとすら考えていた。
それを強硬に反対し、自らの息のかかったダンテス将軍をねじ込んできたのは大蔵大臣であるダンテス公爵その人である。
――セルはいないし、ここは俺一人でなんとかするしかないか。
ロンベルトやカンビットに対する軍事行動に於いてアレクをはじめ、公子のセル、白鳳騎士団の百人長であるツェット、十人長のミュールなど全員が束になっても比較にならない程の実績と経験のあるダンテス将軍の名声は高く、先月末の御前会議で採られた多数決で決まってしまったのだ。
アレクもセルも、彼らの息のかかった参加者として認められたのは、それぞれの家に直接仕える従士が僅かに一人ずつだけという有様だった。
アレクにしてみればせっかくの機会をフイにされた気持ちではあったが、ドラゴンは自然災害並みに大きな脅威であり、レベルアップも懸念されていたことから、可能な限り早く退治せねばならないことは確かなので、裏方とも言える後方支援に甘んじていた。
当然、一切の手抜きなどもせず、日本人を集めて夜を徹して頭を捻りながら補給や部隊合流の計画を整え、各地に伝令を走らせた。
それら全ての指揮を執ったのはアレクだ。
ついでに言うと、凱旋式典の計画すらも行っていたが、これも全ておじゃんになっている。
アレクとしては確かに腹立たしい部分もあるが、手元にあるレジュメを読めば読むほど将軍が気の毒になってもいた。
「第三に、国内有力貴族家から優れた兵士の与力を受けていたにも拘わらず、その殆どを戦死せしめたことです。派遣された兵士はほぼ全て、貴重な武具で身を固めていたと聞きます。この中でも未だに回収の目処すら立っていないことにお怒りの方々もいらっしゃいましょう……」
ダンテス公爵の言葉に頷く者も多い。
平然としているのは僅かであり、その全員が与力として送った従士などが生還した者だ。
なお、セルのストールズ家から送られた兵士は【ピアシング・スピア】と共に無事帰還を果たしている。
――揃いも揃って貴族のくせに、武具の一つや二つで……って程安物の訳はないか……。ま、ここらで助け舟を出すべきだろうな。
ダンテス公爵の弾劾が終わるまで待ったアレクは叔父である宰相や、外務大臣であるストールズ公爵の発言を待つことなく手を上げた。
これは、どんな会議であれ、御三家の当主が参加するのであればその発言を待ってから、という不文律に反する行為である。
議長のトルシャーは一族に連なる若者を庇おうと、丁重に無視しようとした。
「議長、発言の許可を願います」
しかし、アレクは更に大きな声で言った。
その様子を見て、多くの者が苦い顔をする。
勿論、ダンテス公爵もその一人である。
だが、公爵は「彼も討伐に立候補していたな……私同様に不利な立場を回避するために発言を急いでいるのだろう」と考えて表情を消した。
「アレク、お前……」
アレクの叔父、ランナル・ベルグリッド侯爵は堂々と不文律を破った甥に驚きを隠せない。
彼にしてみれば、甥は不文律を含め、宮廷での行動についてしっかりと理解しているように見えていた。
今まで、一度としてこんな行動を取ったことはなかったのだ。
外務大臣のストールズ公爵も苦い表情を浮かべたのは一瞬だけで、すぐに無表情を装っている。
ただ一人、面白そうな顔をしていた国王陛下がゆっくりと頷いたのを見てトルシャーはアレクを指名した。
「ご許可いただき、ありがとうございます。さて、皆さん。お手元の資料には目を通しておいででしょうか? で、あれば、私がこれから申し上げることについてご理解が得られるものと思います。私は、ダンテス将軍の無罪を主張します……」
・・・・・・・・・
車輪の音が変わり、揺れが激しくなった。
同時に、上に見えていたまばらだった木の枝が濃くなり、陽の光を遮り始めたのが判る。
今まで通ってきた林ではなく、植生の濃い森に入ったのだろう。
ぼーっとしていたので経過時間はよくわからないが、タンクール村に近づいたと見て間違いない。
馬車が止まった。
「あ゛~~」
少し伸びをしてからゆっくりと上体を起こす。
「あと五〇〇mくらいでタンクール村の耕作地に入ります」
俺が動いたのを感じ取ったのか、御者台からグィネが振り返って言った。
コキコキと首を振って兜に手を伸ばす。
寝ていたラルファとベルも起きたようだ。
大きな溜め息を吐くとヘルメットを頭に乗せた。
ちらりと見ると、後続していた二台の馬車も少し後ろで止まっており、荷台から兵士なんかが降り始めたのが見える。
「こちらの監視位置はどの辺りか判りますか?」
王国軍偵察隊の隊長に声を掛けた。
隊長は持っていたタンクール村の簡略図を広げると、耕作地の北側の辺りを数箇所指し示す。
「ここに五名と、ここに五名です。何らかの事情で移動した場合、この辺りとこの辺りにいる可能性もあります」
隊長は淀みなく答えた。
「デーバスの監視位置は?」
あご紐を締めながら尋ねた。
「今まで偵察していた状況だとこの辺りかこの辺りではないかと……」
隊長は南東側と南西側で幾つか候補を指し示した。
こちらの方はあまり自信がないようだ。
ま、大体でも味方の位置が限定されているなら大丈夫かな?
「ミヅチ。五分休憩したら出発してくれ。こっちのを頼む」
南西側を指し示した。
「ラルファとベルはこっちの方だ」
彼女たちには南東側を指し示す。
「もうドラゴンはいないから、全部始末出来るんなら多少の音は立ててもいいぞ」
頷く三人を見る。
少なくとも、この三人には殺人の経験がある。
今更、ガタガタ言ったりしないだろう。
俺に命じられた三人も特に表情に変わりはない。
バルドゥックの地下深く、モン部屋の手前で打ち合わせていた時と全く同じ表情だ。
「出来るなら全員倒して欲しいけど、無理なら深追いはするな」
「あの、閣下、我々も……」
アンダーセンが話に加わってきた。
「黒黄玉の皆さんは残った私たちと一緒に村に突入してください」
「ですが、それでは皆さんだけ危険な……」
「デーバスの見張りに遠くから気付けないでしょう? 彼女たちならそれが出来ますので」
三人共、生命感知が使えるからね。
それに加えてミヅチは暗殺者だっただけあって気配を殺して接近することに長けているし、魔剣の能力である自己隠蔽率上昇の恩恵もある。
ベルはベルで飛び道具に加えて魔術も得意だ。
ラルファはベルの護衛に必要だしね。
「我々は斥候二部隊との合流を目指します。ミヅチ、ラルファ、ベル。今から四〇分後に壁を出す。それを合図にしろ」
俺の作戦はあまり難しくない。
ロンベルトの斥候と合流した後に、頃合いを見計らって土山を作る。
そこに登って視界を確保したら、耕作地の外周をぐるりと囲うように土壁を出す。
然る後に北側に空けておいた切れ目から全員が村内に突入して確保、というだけのものだ。
北側の切れ目には王国軍を一〇人程度張り付けて置けば充分だろうし、仮にミヅチたちが討ち漏らしたのがいて、土壁を越えようなんて奴がいても内部からの発見は容易いだろう。
なにせ高さ一〇mくらいにしてやるつもりだし。
あ、そもそも登れないかな?
・・・・・・・・・
タンクール村の再奪還はあっけなく片付いた。
ミヅチたちからは合計一三名のデーバス兵を斃したと報告を受けた。
そして今、タンクール村の居留地にいる俺たちの目の前にはクソみたいに趣味の悪いオブジェが聳え立っている。
その直径は一〇m程、高さは五m程もあろうか。
俺が出した土壁の縮小版みたいに丸く形作られている。
材料は……人の死体だ。
死体を積み上げ、周辺の建物なんかから持ってきたと思しき建材なんかで串刺しにしたりして崩れないように気を使われているらしい。
腐臭を放つ醜怪なオブジェに誰も言葉一つ発することが出来ない。
これ、二月だからまだマシなのかもな。
夏だったら腐って溶けたりなんかしていてもおかしくはないだろう。
バルドゥックの迷宮、その四層と五層でゾンビだのグールだのの匂いに慣れている冒険者出身の奴らは盛大に顔を顰める程度で済んでいるのが救いだが、王国軍の兵士たちは隊長を含めて耐えきれずに嘔吐している者が殆どだ。
考えるまでもなく、これがあのトカゲ野郎の巣なんだろう。
バルさんや司令官だったファイアブレイズ士爵もあの中に居るのだろうか?
居たとして、選別可能なのだろうか?
自然と溜め息が漏れた。
魔石のステータスを見れば誰の物なのかは判る。
だけど、この中から見つけ出すのは骨が折れるなんてもんじゃない。
ラルファによると水化の腕輪は持ってきているらしいから、今日の分は取り敢えず北側の耕作地に散らばっている死体に使わせよう。
居留地の外の死体は殆どがデーバス軍のものらしいから、魔石ごと水にしたところで不満を言う奴もいまい。
ズールーにやらせれば文句一つ言わずにやってくれるさ。
予想通り、王国軍からも魔石が勿体無いなどという言葉は出てこなかった。
まぁ、ダービン村にモンスターの魔石はゴロゴロしてるからかも知れないけど。
まだそれなりに日はあるが、日没まで二時間もないと思う。
今日はこれ以上何も出来ないと思ったので、少し早いが休む事にした。
何しろ、今日は皆よく働いたからね。
居留地の南側外周部なら悪臭も少し薄いようだ。
鼻が馬鹿になり始めているとも言うのかも知れないけど。
とにかく、こっちの方には俺たち全員が休むことが可能な程度には建物も残っている。
その中で一番マシだと思える建物を俺とミヅチで占領することにした。
面倒くさいことは明日に回そう。




