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男なら一国一城の主を目指さなきゃね  作者: 三度笠
第二部 冒険者時代 -少年期~青年期-

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第八十二話 ブレスレット

7444年6月1日


 ズールーが購入してきた緊急用のポーチは腰に付けるウェストポーチのような形状だった。

 ポーチのポケットを背中側に回しておけば、大した物を入れるわけじゃないし、そうそう邪魔にはならないだろう。

 これから全員で訓練する時もこのポーチを付けっぱなしで行う事にした。


 それと、重要な事だが、今回の件で俺たちは大いに反省した。

 それは盾の重要さだ。


 盾があればあのフランケンの攻撃を受け止めるのは無理でも、逸らしたり弾いたり出来たかも知れないのだ。

 今までは武器の使用の事もあって盾を使う事についてあまり考慮に入れていなかった。

 大抵のモンスターは俺が下半身を氷漬けにできた事もその一因だろう。

 せっかく輝く刃(ブライトブレイド)から分捕った状態がそこそこ良い丸い盾が一つある。

 一番でっかいのは俺がチェインライトニングを直撃させて、左手のガントレットと溶融させてしまったので捨てざるを得なかったから、この直径五〇㎝くらいの盾しか残らなかった。

 こいつをうまく活用すべきだろう。


 と、言っても盾だってそれなりに訓練を積まなければ使えない。

 今のメンバーで本格的に戦闘訓練を受けたのは俺とゼノム、トリス、ベル、ズールーだけだ。


 盾の使用については全員少しは学んでいるが、模擬戦などを行った結果、技術的に一番まともに使えたのはベルだった。


 俺は身体能力の高さもあってそれなりだったが、銃剣が使えなくなるのは痛いし、仮に長剣にしたところで両手が塞がるので魔法が使い辛くなる事がネックだ。

 別に手が空いてなければ絶対に魔法が使えない訳ではないが、対象に向かって手の平を向けたり、指差したりした方がずっと少ない集中力で済むから、どちらかの手は簡単に空けられるようにして置きたいのだ。


 後の三人は似たり寄ったりではあるが、中ではトリスが比較的マシな部類ではあった。


 ベルは弓がメインアームなので論外。

 比較的マシなトリスも本当に比較的マシという程度。

 ゼノムとズールーも体格や筋力に頼るところが大きく、ある意味で数段劣化した俺、といった感じだ。

 そもそもズールーは両手剣を使っているし、ゼノムも手斧とは言え、大きな一撃を決める時など両手持ちだ。

 他のメンバーを見回してみても完全に武器を片手で使っているのはエンゲラだけという始末。

 そしてそのエンゲラはと言うと、今迄盾なんか使った事はない。


 ゼノムと相談した結果、盾を使える戦闘奴隷を購入した方が早いと言う事になった。

 しかし、戦闘奴隷で盾の使い方を学んでいる奴なんかいるんかね?

 ズールーみたいな兵隊上がりでもなきゃそうそういないだろうしな。


 “奴隷の店、ロンスライル”には戦時捕虜が奴隷として流れてきたら何時でも声を掛けろとは言ってあるものの、今までは入荷しても、そのタイミングで俺が迷宮内にいたりして購入出来なかったのだ。

 予約という手も考えたが、予約だとどんな奴が来ても買わなきゃまずい。

 俺はどうせなら選んで、実力を見て買いたいのだ。


 うーん、どうしたもんかねぇ……。


 しかし、盾が使える人材は欲しい。

 防御一辺倒で耐えられる奴が居れば連携が活かせるのだ。

 最低でもあのフランケン相手に数十秒、大怪我をしないで立っていられる奴さえいればなぁ……。


 奴の攻撃を全部躱し続けるなんてかなり無茶な要求だ。

 相手の攻撃を躱すのが得意な俺だってそうそう長い間一発も貰わないで奴の目の前で躱し続けるのは無理だろう。


 どうしても大きく後退したり横に飛んだりしなきゃならない。

 これじゃ連携なんか取れっこない。


 一発食らったらズールーだってすっ飛んでいくような腕力だ。

 受け止めるのは無理でも盾なら逸らして耐えられる。

 でかい盾で攻撃途中の力が篭もりきっていない腕を弾くように逸らすことでしか、奴をあまり移動させずに一箇所に留めておくのは無理だろう。




・・・・・・・・・




7444年6月2日


 一応、“奴隷の店、ロンスライル”のマダムに大型の盾を使いこなせるような戦時捕虜からの奴隷、という希望を出しておいた。

 それを聞いたマダムは「また難しいことを仰いますね……」と困ったような笑顔で言ってきたが、ここは譲れないのだ。


 多少高くても良いと言い置き、「奴隷の店、ロンスライル」を後にした。


 盾を使う奴がいないが、だからと言って迷宮での探索を疎かには出来ない。


 輝く刃(ブライトブレイド)のメンバーから得た二着の金属帯鎧バンデッドメイルの金属パーツ部分を外し、それぞれズールーとトリスの革鎧に付け直してもらうように注文し、金環付革鎧リングメイルもゼノム用にリングを外して付け直してもらう。

 体格の問題で他のメンバーの鎧に付け直す場合、大幅な打ち直しなどが必要になるのでこれは仕方ない。

 金環付革鎧リングメイルはグィネでも良かったのだが、体力の問題もあるし、彼女が重い鎧を嫌がった事もあった。


 武器も高品質なロングソードはトリスに、リーダーのデミトリダスが愛用していたと思われるこちらも高品質なショートソードはベルに渡した。


 槍のうち、やはり高品質な物もあったのだが、グィネが使うにはちょっと長過ぎだった。

 仕方ないので槍の柄を短く切る事にした。


 ブロードソードはエンゲラが使う。

 また、弓は高品質な物が四つも得られたのだが、ベルは使い慣れた自分の弓の方が良いと言うので、こちらは全部売る事にした。矢の方は有り難く頂戴したが。


 鎧が完成する一週間後まで特にやる事もない。

 遊んでいる訳にもいかないのでその間毎日一層でモンスターを殺しまくっていた。




・・・・・・・・・




7444年6月30日


 そろそろ夏も近づいてきた。ミヅチと別れてから一ケ月程が経っている。


 もう故郷には着いたろうか?


 いつも南東の方角に彼女の存在を感じる。


 便りがないのは元気な印。


 そう言えばこの前の迷宮行で初めて魔道具が出た。


 前世のラーメン屋とか中華料理店で使うような大型のコンロのような奴だ。

 しかし、三〇〇万Zにしかならなかった。


 買ったのは王都にある超高級レストラン“ローキッド”だそうだ。

 確かに魔道具としてはいい値段だけどね。

 単なる魔道具ではなく、魔法の品(マジックアイテム)が欲しいよ。




・・・・・・・・・




7444年7月18日


 今日、遂にそこそこの価値のある魔道具が出た。


 五層の祭壇の部屋でいつも通りガーゴイルと召喚された主である、オーキッシュグール十三匹をぶっ殺して手に入れた。

 夏真っ盛りの今の時期に丁度いいアイテムだ。発見した冷蔵庫リフリジレーターは前世で言うツードアくらいの、容量百リットル強くらいの奴だ。

 当然ツードアというのは比喩で、冷凍庫フリーザーなんか付いてない。

 冷凍庫フリーザーに当たる上部は魔石を入れる場所になっている。


冷蔵庫リフリジレーター

【ビーチ材・鉄】

【状態:良好】

【加工日:18/7/7444】

【価値:12800000】

【耐久:492】

【性能:内部温度4度;1489価値/1日】

【効果:内部に収納された物品を冷蔵保存可能。湿度調節機能なし】


 おおう! 【価値:12800000】か!


 目玉野郎の魔石より少し多いじゃないか。

 幾らで売れるだろうか?


 早速王都の大手の商会(サンダーク公爵筋が経営している商会なので母方の血筋にあたるからまず安心できるだろう)へ持ち込んでみた。

 グリード商会で売れるなんて思えないしな。何しろ客持ってないし。


 驚いたことに翌日には買い手が付いたそうだ。


 売値は一億五〇〇〇万Z。


 最初の取り決め通り、中間マージンで一五%抜かれても一億二七五〇万Zだ。

 贅沢税で一〇%引かれても一億一五〇〇万Z近い収入だ。

 メンバーにボーナスを弾んでも一億Z近く残る。


 つい“エメラルド公爵クラブ迎賓館”で豪遊しようかとも思ったが、ミヅチを思い出してしまったので止めておいた。


 しかし、世の中には馬鹿な奴もいたもんだ。

 価値以上の金を出して買ったのかよ。


 まぁ今は夏だし、需要と供給のバランスなんかある訳無いだろうから不思議とは言えないか。


 だけど、この冷蔵庫リフリジレーターを使い続けるには毎日一万五〇〇〇Zくらいの魔石食うんだぜ?

 一体どんなお大尽が買ったのかね?

 上級貴族なんだろうけど、凄いね、流石に。




・・・・・・・・・




7444年8月10日


 六層の祭壇の部屋で召喚されたケイブグレイトボアーを殺したら今度は冷凍庫フリーザーが出てきた。

 最近運が上向いてきたと思う。


冷凍庫フリーザー

【ビーチ材・鉄】

【状態:良好】

【加工日:10/8/7444】

【価値:16000000】

【耐久:391】

【性能:内部温度マイナス12度;2630価値/1日】

【効果:内部に収納された物品を冷凍保存可能。湿度調節機能なし】


 そう言えば前回入手した冷蔵庫リフリジレーターの加工日も見つけた当日だった。


 これには一体どんな意味があるのか?


 考えたが、迷宮が作っているんだろうとしか思えない。

 別にどうでもいいけど。


 今回も前回同様、サンダーク公爵筋が経営している大手の商会に持ち込んだ。

 そして、同様に翌日には販売出来たとの連絡があった。


 二億Zで売れたらしい。


 冷蔵庫リフリジレーターよりも魔石を食うのに、本当に金というのはあるところにはあるもんだ。

 税金払っても一億五〇〇〇万Zを超える。

 ボーナス払っても一億三〇〇〇万Zを大幅に上回る収入だ。


 ミヅチはまだ戻ってこない。


 相変わらず南東の方にその存在を感じ取る事が出来るから元気でいるのは確かだろう。


 片道一ケ月近く掛かる筈だろうし、戻りは馬を使っていない可能性が高い。

 最低でもあと一月ひとつきは掛かるだろうし、故郷でやらなければいけない事なんかも多い筈だ。

 特にお兄さんの容態の事もある。

 一年やそこらは見ておいた方がいいだろう。




・・・・・・・・・




7444年8月15日


 今日はお盆で終戦記念日だ。


 当たり前の事だが誰も気にしていない。


 俺も迷宮の三層の転移の水晶の部屋、野営中の見張りでトリスと話していた時に言われるまで忘れていた。

 因みに迷宮はまだ六層の突破は出来ていない。

 だが、全体の六割くらいは探索出来たのではないだろうか。


 最近トリスと二人で話す時、ベルの愚痴を聞く事が多くなった(ベルと二人で話す時は彼女はトリスの愚痴を言う。俺はお前らの親じゃないんだが)。


 殆どベルとのノロケに近いのでお腹いっぱいなのだが、二人共それなりに上手く行っているようで結構な事だ。

 なんだかんだ言いながら二人の仲は非常に良好だ。


 と言っても見た目が十六なのでなんとなく俺の目には微笑ましく映るだけなのだろうが。


 それよりも困ったのがグィネだ。


 どうも彼女は気移りが激しいようで、あっちにふらふらこっちにふらふらとしている。

 元が日本人だからなのか、相手の種族をあまり気にしてはいないようだ。


 山人族ドワーフだけでなく普人族ヒュームは勿論、精人族エルフ獅人族ライオス虎人族タイガーマン狼人族ウルフワーと非常に守備範囲が広い。

 どちらかと言うと、大柄な男性が好みのようだ。


 流石にトリスやズールーに対しては控えているようだが、別の冒険者のパーティーにちょっと色男がいるときゃあきゃあ言い出す。


 顎鬚が生えてきているのが悩みのようだったが、もうすっかり慣れたのか、諦めたのか、最近はあまり頓着しなくなった。

 ゼノムに相談して髭のトリミング方法やセットなんかにも興味が湧いているように見える。

 相談を受けるゼノムも満更でないのか、いろいろと相談に乗ってやっているらしい。


 ゼノムによるとグィネは髭が生え出すのが遅いようで、ドワーフの女性一般としては幼く見えるらしい。

 なお、ドワーフばかりで構成されているトップチームの煉獄の炎(ゲヘナフレア)からの勧誘が激しいらしく、きっぱりと断っているのだが、煉獄の炎(ゲヘナフレア)のメンバーからはアイドル視されており、向こうの財布で良く飲みに行っているようだ。


 因みに煉獄の炎(ゲヘナフレア)の、ドワーフにしては大柄な三〇近い男が最近のお気に入りらしい。


 エンゲラはギベルティとその後発展するかも知れないと思っていたが、どうもその気はないようだ。

 淡々と毎日を送っている。

 しかし、たまにコンドームを受け取りに来るのでそれなりに発散はしているようだ。


 ギベルティは相変わらず陽気で、今ではすっかりパーティーのムードメイカーに近いポジションとなっている。


 彼の作る料理は皆にも好評で、大鍋で全員分煮込んだり、フライパンで一緒に焼き物をしていると言うのに一人一人の好みに合わせて微妙に味付けを変えている。

 どうやら給料であまり無駄遣いをする事のないたちらしく、調味料なども結構自前で用意しているフシも見られる。


 また、マッサージの腕もあがり、以前のズールー並みの気持ちよさだ。

 確かに戦闘で役に立つ事はないだろうが、縁の下の力持ち的な役割でまだ加わってから四ケ月も経っていないのに既に欠かせない人材となりつつある。


 ズールーはムローワの緋色の髪のライオスのウェイトレスとそこそこ上手く行っているらしい。


 この前休みの日の昼間、バルドゥックを散歩していた時に空き地の木陰でベタベタしているところを見たばっかりだ。

 もし結婚したいとか言い出したら俺はあの姉ちゃんも買わなきゃいけないんだろうか?

 まぁ、安いだろうからいいけど。


 ラルファは……まぁいいか。

 いつもとあんまり変わらない。


 グィネにくっついて煉獄の炎(ゲヘナフレア)の財布で呑んでいたり、エンゲラと呑んでいたり、ゼノムと呑んでいたり、トリスと呑んでいたり、ベルと呑んでいたり、ギベルティと呑んでいたり、俺と呑んでいたり、知らない奴と仲良さそうに呑んでいたり、本当にいつも呑んでいる。


 これも彼女の才能なのか、金を払っているところを殆ど見た事がない。

 ズールーだけは酒を嗜まないので呑んでいないらしい。


 しかし、こいつ、量自体はあんまり多くないんだよな。

 呑む時もビールが中心でアルコール度数の高い焼酎みたいな奴は殆ど飲まないし。

 少なくとも悪酔いして吐くような事はない。


 そんなの俺と一緒に飲んでいる時だけだ。

 多分、毒中和ニュートラライズポイズン解毒リムーブポイズンを俺が使えるからだろう。


 なお、ゼノムとギベルティを除く全員がいつの間にか俺と一緒にランニングをするようになった。


 ズールーもエンゲラも一日置きに交代していたのが、毎日になった。

 昨日も全員でバルドゥックの外輪山を走っていたのだ。

 因みに俺は今年の夏、耐久の値が更に一ポイント増えている。




・・・・・・・・・




7444年8月18日


 四層、五層を順調に突破し、五層の転移の水晶棒の小部屋で野営を行う。

 未だこの部屋を恒常的に使っているのは俺たち殺戮者スローターズだけだ。


 極稀に他のトップチームも顔を出すらしいが、留守番のギベルティによるとさっさと転移して地上に戻っているらしい。


 そこそこの魔道具を得たり、五層の転移の水晶棒の小部屋で野営を行っているため、俺たちが六層に挑戦している事は、もう既にバルドゥック中の冒険者が知るところとなっている。


 名実ともに押しも押されもせぬトップチームと呼ばれるようになった。


 ちゃんとしたマジックアイテムが出てくれば、文句を言う奴もいなくなるだろう。

 文句を言われた事はないが。


 翌日の六層の探索を前に、今日通り抜けてきた四層と五層の疲れを癒すため、飯を食い、マッサージを受けて筋肉をほぐす。

 一応用心の意味で交代で見張りをするのはいつも通りだ。

 今日は、グィネと一緒の組だ。


「グィネ、最近髭がお気に入りのようだな」


「え? ええ、なんか最初は嫌だったんですけど、最近はもうしょうがないし、これはこれで悪くないなって思えて来たんですよ。ただ、まだきちんと生え揃っていないので遊びにくいのが難点ですね」


 そう言ってグィネはニコッと笑った。

 女性のドワーフに髭が生えるのは当たり前だが、かなり日本人が入っている女の子の顔で顎髭が生えて来ているのにはまだ少し違和感を覚える。


「ふーん、どんな髭型にしたいんだ?」


「そうですねぇ、最近流行りなのはやっぱりフォークですからね。私もフォークにしてみたいです」


 フォークというのは基本的にモミアゲから顎の先まで剃らないで伸ばし、ある程度の長さになった時点でいくつかの房に分けるスタイルを言う。

 口の上や頬髭はあってもなくてもいい。

 メジャーなのは顎の真ん中で左右二つに分けることだが、もっと多くの房を作っている人も多い。


 だが、一〇㎝くらいの長さがないとあまり格好良くない。

 グィネは現時点でどうにか五㎝程度の長さになったばかりなのでフォークにするのには早すぎる。


「ああ、あれか。革細工屋の女将さんがやってるな。彼女は四つに分けているな」


「ええ、そうですね。あのくらいの長さになれば毎日いろいろ遊べるんですよねぇ」


 え? 髭って髪の毛と比べて硬いから型はほぼ固定なのかと思ってたよ。

 違うのか?


 俺の不思議そうな表情に気が付いたのか、グィネは、


「ああ、確かに髭自体は髪の毛より硬いですが、柔らかくする薬もあるんですよ。ドワーフ達の間では髭型を変える時とかによく使われています。私もゼノムさんにいい店を教えてもらっちゃいました」


 と言って、顎髭を撫でた。

 そう言えばゼノムは今年の冬に髭型を変えたな。


 今までは全く剃らずに全て伸ばしていたのだが、今は口の上と口の左右、頬を剃っている。

 顎下の長さ自体は殆ど変わっていないが、少しだけパーマのようなウェーブをかけたようだ。

 これはこれでゼノムによく似合った格好のいい髭型だなぁと思っていた。


「なぁ、ちょっと触ってもいいか?」


「え? いいですよ、どうぞ」


 グィネの顎下に生えている髭を触ってみた。

 確かに硬いは硬いが、それでも女性の髭だ。

 いく分柔らかく感じる。


 ほほう。

 まだ直毛だが確かにこれは伸びたら遊べそうでファッションとして面白そうではある。

 俺ももっと大きくなったら生やしてみようかな。

 もう一方の手で自分の顎を触り、同時にまだ殆ど生えていない事を確認しながら思った。




・・・・・・・・・




7444年8月19日


 今日からまた六層の残りの部分の探索へと足を踏み出す。

 いつも通り、時間はかかってしまうが、慎重に進んでいく。


 幾つか部屋を通り過ぎ、今日も祭壇の部屋には当たらなかったかと落胆し掛けた頃、期待通り祭壇のある部屋に辿り着いた。

 いつもの主のいる部屋より心持ち大きい気がする。


 部屋の中央を挟んで祭壇とガーゴイルの石像が四体あることを確認した。

 金属帯鎧バンデッドメイルを着込んでいるズールーとエンゲラを前衛としてガーゴイルに突っ込ませ、残りのメンバーで召喚されてくる筈の主を叩くべく、隊列を改める。


 右翼にズールーとエンゲラ、左翼前衛にゼノム、トリス、ラルファを置き、中衛がグィネ。

 ベルと俺は様子を見ながら魔術で援護する。


 用心には用心を期してまず頭だけを出してガーゴイルを土で埋める。

 一部を階段状にしてズールーとエンゲラが突撃し易い様にしておく。

 そして、俺はいつでも氷漬けに出来るようにしておく。


 さぁ、いよいよ戦闘開始だ。


 ズールーとエンゲラが勢い良く飛び出し、ガーゴイルの頭部を刈り取るべくダッシュを始める。

 そしてゼノム、トリス、ラルファも負けじと祭壇方面へと駆け出していく。

 少し遅れて槍を持ったグィネも駆け出す。


 俺はさっさと水魔法を使い、邪魔にならないように水を伸ばし、祭壇へ到達させると氷にするように火魔法の魔力を練り……なんだあれ?


 祭壇の前にはいきなり石筍のようなものが召喚されてきた。

 脚に相当する物が見られないので移動出来るとも思えないが、とにかく移動を阻害させるため、高さ一m弱位までを氷漬けにした。


 太さ一m、高さ二・五mくらいの砲弾型をした石筍のように見える。


 と、すぐにただの石筍ではない事も判明した。


 二m弱の高さに白目の部分が黄色い大きな目が一つ開き、俺たちを睨みつけたのだ。

 そして、その七〇~八〇㎝程下、氷漬けになるかならないかという高さで大きな口のような裂け目が開いた。


 とにかく初めて見る相手だ。


「油断するな!」


 とだけ声をかけ、【鑑定】する。


【 】

【無性/1/6/7328・イエローハンドローパー】

【状態:良好】

【年齢:116歳】

【レベル:16】

【HP:264 MP:32(32)】

【筋力:35】

【俊敏:1】

【器用:84】

【耐久:39】

【特殊技能:(ドレイン:)ストレングス

【特殊技能:触手拘束エンタングル

【特殊技能:麻痺パラライズ

【特殊技能:電撃無効化イミューン・エレクトリシティ

【特殊技能:温位半減ハーフダメージ・フロム・テンプレチャー


 うほ。こいつもやばい奴だ。


 と、思う間もなく、驚くべき事に石筍の中程から細い縄のような黄色っぽい触手状の何かが八本もズパッと伸び、その内四本がゼノムとトリスを纏めて薙ぎ払った。

 あんな細い縄のようなものであればダメージは大した事はないであろう。


 しかし、触手に打ち据えられた彼ら二人は「うおっ!?」「ぐむっ!?」と言う呻き声を発するとその場に昏倒してしまった。


 麻痺か!?


「トリス!」


 ベルの叫び声が聞こえる。

 そしてすぐに隣で弓弦が鳴った。


 しかし、何と言う事だ!

 矢は石筍の方へ飛ぶ途中でその触手に叩き落とされてしまったではないか!


 ラルファはなんとか触手を躱す事に成功したようで……いや、上手に触手を躱しただけでなく、石筍に手斧トマホークをブチ込むのに成功したようだ。


 「ガオォォォン!」という絶叫が石筍の口から漏れた。


 ラルファはすぐに転がって距離を取ろうとしているようだ。


 続いてグィネの槍が石筍のど真ん中に突き立った。


 俺もお得意のライトニングボルトでカタを……【特殊技能:電撃無効化イミューン・エレクトリシティ】!?


 クソ!

 魔術をキャンセルさせ、ストーンジャベリンを五本の弾頭で作り飛翔させる。

 隣でクイーバーから新たな矢を引き出し、ベルが弓に番えている。


「ベル! 魔法に切り替えろ!」


 そう言いながら俺はズールーとエンゲラの方を見る余裕もなく、石の投槍(ストーンジャベリン)を飛翔させる。


 よく見ると触手の基部は砲弾型の石筍の各所ばらばらに有ったはずだが、今では基部が石筍の表面を移動したかのように八つ全てがこちらの方にあった。


 ドスドスドスッと俺の石の投槍(ストーンジャベリン)は石筍に突き立った。


 奴のHPは半分を切った。


 しかし、


「ああっ!」


 という声を発したグィネが触手に絡め取られてしまったようだ!

 まずい。盾にでもされたら非常に厄介な事になる。


「「グィネ!」」


 ラルファとベルが同時に叫び声を上げた。


 俺は銃剣を構えながら全力でグィネ目掛けてダッシュする。


 とにかく触手を切り落としてグィネを解放しなくてならない。


 同時にもう一回ストーンジャベリンを五本の弾頭で作り飛翔させる。


 俺のすぐ脇をベルが放ったらしいフレイムアローが猛スピードで追い抜いていく。


 な!?


 石筍は新たに八本の触手を伸ばし、元々生えていた触手と協力するかのような動きで全ての石の投槍(ストーンジャベリン)を叩き落としてしまった。


 しかし、フレイムアローは運良く胴体に突き立った。


「うああっ!」


 ラルファの声がした。

 まさか、お前まで捕まったんじゃねぇだろうな!?


 グィネを拘束していた二本の触手を切り落とし、「下がれ!」と怒鳴ると同時に今度は石筍全部を氷漬けにすべく水魔法と火魔法を使う。


 バキン! と音がしてきっちりと石筍全体を氷漬けにするのに成功した。


 しかし、ほっと胸をなで下ろしたのも束の間、


「いやぁっ!!」


 というラルファの絶叫が響き渡った。

 氷からはみ出した触手はまだ自在に動けるようだ。


 俺の視界の隅に右足を触手に絡め取られ逆さに持ち上げられてしまったラルファが映った。


 くそ!


 ラルファに向かって走りながら氷からはみ出した触手を二本切り落とした。

 同時に風の刃(ウインドカッター)を使って別の一本を切り落とす。

 あと十一本もあんのかよ。


「ラル!」


 エンゲラの声がした。

 と言う事はガーゴイルの方のカタは付いたのか。


「おあぁぁっ!」


 叫びながら触手を更に二本切り落とし、ラルファの方へ向けて猛然と走る。


 ラルファはまだ麻痺させられていないのか、両手両足に触手が四本も巻きついており、逆さに吊るされたまま藻掻いている。

 その顔には恐怖の表情が浮かんでおり、意味の無い大声を張り上げていた。


 俺とは別の方向からズールーとエンゲラがラルファ目掛けて切り込んでいくのが見える。


 しかし、触手の攻撃を避け損なったズールーは顔面に触手の一撃を受け、麻痺させられてしまったようで崩れるように倒れ込んだのが見えた。


「マルソー! 後ろ!」


 ベルの叫びも虚しく、ズールーを麻痺させた触手によってエンゲラも麻痺させられてしまい、同様にくずおれた。

 だが、その間にエンゲラが触手を一本切り落としていた。


 どうやら麻痺させる事の出来る触手は決まっているらしいな。


「アルさん!」


 グィネの声がした。

 同時に俺の左足に一本触手が巻き付いた。


 引き摺り倒される直前になんとか切り落とす事に成功した。


 体勢が崩れていたのでそのまま倒れこみ、地面を転がりながらウインドカッターミサイルを使い、もう一本切り落とした。


 すぐさま跳ね起き、再度ラルファを目掛けて走る。

 ラルファを拘束してる四本を除き、あと二本自由になっている触手がある筈だ……起き上がった俺の横合いから触手が一本迫ってきた。


 なんとか躱したものの、切り落とすことは出来なかった。

 再び体勢も崩れまた地面を転がる羽目になった。


 俺の横をベルが走り抜けていった。


 その時、ふと変な音がするのに気づき、そちらを見た俺は愕然とした。


 氷の中で石筍が新たな触手を生やし、ガシガシと内側から氷を削っているように見えた。

 泡一つ無い、透明度の高い氷の筈が、石筍の触手が生えるであろう中程くらいの高さあたりで白く濁っている感じになっている。

 口らしきものまで使っているようだ。


 こいつ、氷を内側から削って食ってやがる!


 急がないと!


 立ち上がった俺は目の前で麻痺させられたベルが倒れるのを目にした。


 ベルの首に触手が巻き付き、その先端が口に少し入っているようだ。

 慌てて切り落とし触手を引き剥がした。


 目玉は動いているので本当に麻痺しただけだろう。

 ああ、全員にヘルメットを被らせておけば良かった。


 盾といいヘルメットといい、防具は重要だよな。

 俺の素肌がむき出しになっているのは顔面だけだ。

 ここに触手攻撃を受けない限り、俺が麻痺させられる事はないだろう。


「んんっ!」


 ラルファの声がした。

 そして体が弛緩したのを見た。

 クソ、あいつまで麻痺かよ。


 ラルファの脇から革鎧、そして服の下に入り込んだ触手に麻痺させられたらしい。


 だが、お前の触手はラルファに巻き付いた四本とその麻痺させた一本だけだ。


 再びウインドカッターミサイルを弾頭五つで使いながら走り込む。


 ラルファが解放され落とされた。


 このままだと頭から地面に落ちてしまう事になるが、ギリギリで抱きしめる事に成功した。

 ラルファの股間から温かい液体が流れていた。怖かったんだろう。


 ラルファを見ていて制御を手放したウインドカッターミサイルはどこかにすっ飛んで行ってしまったが、もうこれで大丈夫。

 ラルファと地面を転がっていた俺の顔面を狙って、ラルファを拘束し、麻痺させた触手が殺到した。


 馬鹿だなぁ。


 麻痺の触手の攻撃だけを、抱え込んだラルファの体を盾に防ぐと、もう一度落ち着いてウインドカッターミサイルを使って五本の触手を全て切り落とした。


「グィネ! 全員を遠くまで移動させろ!」


 そう言って俺はズールーに解麻痺リムーブパラライジズの魔法を掛けた。

 数秒で魔法は発動し、すぐに起き上がったズールーにも同じ事を伝える。


 ラルファに水魔法で水をぶっかけ、同じように解麻痺リムーブパラライジズを掛け、次にベル、エンゲラにも解麻痺リムーブパラライジズの魔術を使った。

 トリスとゼノムは遠いから後回しだ。


 さて、俺は氷を内側から食い破ろうとしている石筍の正面に回ると銃剣を肩にかけて両手を向ける。

 穴が空いた瞬間にその穴に向かって連続して攻撃魔術を叩き込んでやれば始末をつけられるだろう。




・・・・・・・・・




 石筍をぶっ殺し、ゼノムとトリスにも解麻痺リムーブパラライジズの魔術を掛けた俺は祭壇の祠を見上げた。


 中に何かある!


 早速手を伸ばしてそいつを掴み、【鑑定】した。


 ああ、一応石筍の特殊能力はすべて鑑定した。


 【特殊技能:(ドレイン:)ストレングス】はレベルと同じ時間、犠牲者の筋力を半減させてしまうらしい。

 【特殊技能:温位半減ハーフダメージ・フロム・テンプレチャー】は氷や火などのダメージを半減する能力のようだ。

 字面じづらから麻痺以外、特に【特殊技能:(ドレイン:)ストレングス】はまずいとは思っていたが、一日と経たずに回復するならなんとかなるだろう。


水化ブレスレット・オブ・(デッドボディ)腕輪(・トゥ・ウォーター)

【金】

【状態:良好】

【生成日:19/8/7444】

【価値:800000】

【耐久値:20】

【水魔法と無魔法の魔力が込められている腕輪】

【一日に一回だけ水変換の魔法が使える。但し対象は生物の死体のみ。一度に分解できる数に制限はないが体積の合計は10m^3まで】


 腕輪の表面にはラグダリオス語(コモン・ランゲージ)で「ヌヒレキ」と書いてある。

 それに、非常に精緻なレリーフが彫ってある。


 立った人、地面に寝た人とその隣の腕輪、水の溢れた水瓶のレリーフが並んでいる。


 え? これ……俺、知ってる。


 ……制限が無いのが違いか。

 あと、魔力の充填速度も一〇倍になっているようだ。


「アル、なんだそれ?」


 ゼノムが聞いてきた。


「これ、俺も知ってる奴だ。死体を水に変えられる魔法の品(マジックアイテム)だ」


「ほう? 魔法の品(マジックアイテム)か! いいじゃないか!」


 魔法の品(マジックアイテム)という言葉がパーティーを駆け巡った。

 だけど、大した価値じゃないのよね。


 八〇〇万Z(金貨八枚)くらいの価値だし……。

 いや、大金ではあるんだけどさぁ。


 石筍から魔石を採るつもりで解体していたら砂嚢っぽい臓器から親指の先くらいのルビーが二個と瑪瑙が三つ転がり出てきた。

 五つとも球体をしていた。


 実験と称して残った死体を腕輪の魔力を使って水に変えてみようと思った。


 俺が使うより、魔法が使えない奴が適任だろう。


 ゼノムに腕輪を渡し、腕に嵌めてもらうと、死体に触って「ヌヒレキ」と言って貰う。

 死体は瞬く間に水になった。


 飲む気はしないけど。


 これ、いくらくらいで売れるのかな?


 

最近書いてないかったのでステータス置いときます。


【アレイン・グリード/5/3/7429 】

【男性/14/2/7428・普人族・グリード士爵家次男】

【状態:良好】

【年齢:16歳】

【レベル:21】

【HP:180(180) MP:7442(7442) 】

【筋力:29】

【俊敏:39】

【器用:27】

【耐久:30】

【固有技能:鑑定(MAX)】

【固有技能:天稟の才(MAX)】

【特殊技能:地魔法(MAX)】

【特殊技能:水魔法(MAX)】

【特殊技能:火魔法(Lv.8)】

【特殊技能:風魔法(MAX)】

【特殊技能:無魔法(MAX)】

【経験:1419825(1430000)】


【ゼノム・ファイアフリード/5/4/7416】

【男性/19/1/7402・山人族・ファイアフリード家当主】

【年齢:42歳】

【レベル:18】

【HP:125(125) MP:9(9)】

【筋力:25】

【俊敏:10】

【器用:28】

【耐久:22】

【特殊技能:赤外線視力インフラビジョン

【特殊技能:小魔法】

【経験:820269(950000)】

※加齢により能力値が減少している部分もあります。


【ラルファ・ファイアフリード/25/12/7429】

【女性/14/2/7428・普人族・ファイアフリード家長女】

【状態:良好】

【年齢:16歳】

【レベル:14】

【HP:139(139) MP:21(21) 】

【筋力:20】

【俊敏:25】

【器用:23】

【耐久:22】

【固有技能:空間把握(Lv.8)】

【特殊技能:地魔法(Lv.3)】

【特殊技能:火魔法(Lv.3)】

【特殊技能:無魔法(Lv.4)】

【経験:367256(450000)】

※ラルファは7レベルまでレベルアップ時のボーナスはMPに入らなかった代わりに能力値やHPがちょっと高いです。


【ベルナデット・コーロイル/4/4/7429】

【女性/14/2/7428・兎人族・コーロイル準男爵家次女】

【状態:良好】

【年齢:16歳】

【レベル:13】

【HP:126(126) MP:84(84) 】

【筋力:18】

【俊敏:27】

【器用:19】

【耐久:18】

【固有技能:射撃感覚(MAX)】

【特殊技能:超聴覚】

【特殊技能:地魔法Lv3】

【特殊技能:水魔法Lv3】

【特殊技能:火魔法Lv3】

【特殊技能:無魔法Lv4】

【経験:338942(350000)】

※ベルは最初のレベルアップ時にアル同様にMPがそこそこ増えた設定です。種族の性質と相まって能力値はちょっと低いです。


【トルケリス・カロスタラン/13/5/7429】

【男性/14/2/7428・精人族・カロスタラン士爵家三男】

【状態:良好】

【年齢:16歳】

【レベル:13】

【HP:130(130) MP:43(43) 】

【筋力:19】

【俊敏:25】

【器用:22】

【耐久:20】

【固有技能:秤(MAX)】

【特殊技能:赤外線視力インフラビジョン

【特殊技能:地魔法Lv2】

【特殊技能:水魔法Lv2】

【特殊技能:風魔法Lv2】

【特殊技能:無魔法Lv3】

【経験:278194(350000)】


【グリネール・アクダム/2/7/7429】

【女性/14/2/7428・山人族・ロンベルト王国ロンベルト公爵領登録自由民】

【状態:良好】

【年齢:16歳】

【レベル:12】

【HP:132(132) MP:28(28) 】

【筋力:23】

【俊敏:15】

【器用:27】

【耐久:22】

【固有技能:地形記憶マッピング(MAX)】

【特殊技能:赤外線視力インフラビジョン

【特殊技能:火魔法Lv2】

【特殊技能:風魔法Lv2】

【特殊技能:無魔法Lv3】

【経験:266235(270000)】


【ダディノ・ズールー/3/6/7442 ダディノ・ズールー/20/7/7422】

【男性/24/5/7421・獅人族・グリード士爵家所有奴隷】

【状態:良好】

【年齢:24歳】

【レベル:14】

【HP:148(148) MP:5(5) 】

【筋力:26】

【俊敏:25】

【器用:14】

【耐久:24】

【特殊技能:小魔法】

【特殊技能:瞬発】

【特殊技能:夜目ナイトビジョン

【経験:361099(450000)】

※加齢により能力値が増加しています。


【マルソー・エンゲラ/15/8/7442 マルソー・エンゲラ/12/8/7422】

【女性/14/9/7422・犬人族・グリード士爵家所有奴隷】

【状態:良好】

【年齢:23歳】

【レベル:13】

【HP:120(120) MP:5(5) 】

【筋力:17】

【俊敏:25】

【器用:13】

【耐久:19】

【特殊技能:小魔法】

【特殊技能:超嗅覚】

【経験:329231(350000)】


【ローレンス・ギベルティ/5/5/7444 ローレンス・ギベルティ/23/10/7419】

【男性/1/9/7418・犬人族・グリード士爵家所有奴隷】

【状態:良好】

【年齢:26歳】

【レベル:4】

【HP:104(104) MP:6(6) 】

【筋力:15】

【俊敏:18】

【器用:10】

【耐久:15】

【特殊技能:小魔法】

【特殊技能:超嗅覚】

【経験:16246(18000)】

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