その54 《テーマ・映画》 『シルバラード』についてうすく語ってみる
シルバラードという映画が好きです。
たぶんこのタイトルを聞いてピンとくる人はそうはいないと思います。
昔の西部劇です。1985年の映画です。
どういう映画かというと、まあ他の西部劇ものの例に漏れず、悪徳保安官が牛耳る街に、四人のガンマンが立ち向かうという定番ものです。
何故この映画なのかというと、自分の主観ですが、他の西部劇とは一風かわった魅力を感じるからです。
特別西部劇に詳しいわけでも、とりたてて好きなわけでもありません。
どちらかというとガチガチの西部ものは苦手で、『明日に向かって撃て』や『荒野の七人』のような変化球が好きなせいもあります。
話自体も前述どおり平凡そのものです。
なら、何がいいのか。
若き日のケビン・コスナーがかっこいいからです。
この一言につきます。
ケビン・コスナーという俳優は、どちらかというと苦手な方です。
売れっ子ピーク時あたりの彼はカッコイイだろの押し付けをひどく感じてしまい、鼻について敬遠していたくらいでした。
それなのにカッコイイのです。
どこがカッコイイのか。
タイトルどおり極めてうすい話なので覚悟しておいてください。
馬の乗り方がカッコイイ。
……………。
主人公四人組の他の三人はとても真面目で正義感が強く、素でカッコイイです。
ケビンはその中の一人の弟役で、女好きのチャラ男です。
ひょうひょうとしていて、ガンの腕はピカイチで、でも何よりカッコイイのは、馬の乗り方、否、馬の降り方なのです。
普通馬から降りる時は、左足が軸足ならば鐙の上で立ち上がって、右足を後ろ回し蹴りのように回しながら降ります。
ですがケビンは長い右足をピンと前に伸ばし、馬のたてがみに触れるようにシュッと内側にまわすのです。
まるでスポーツカーから飛び降りる伊達男のようです。
言葉だけでは伝えられないと思いますので、ぜひとも実際に見てみてください。
とにかくカッコイイです。
自分はこのシーンを観るためにレンタルしてきました。
西部劇が苦手な方には伝わらないと思いますが、他のシーンも見所満載です。
ラストで四人が最終決戦地となる街へと乗り込むわけですが、街を見下ろす辺りまでは四人仲良く横並びで馬にまたがってやってくるのに、そこからはわざわざバラバラになって突入していきます。
頼もしい仲間がいながら決してその力に頼ることなく、一人一人が個々の局面に挑んでいくのです。
まるで、これは俺自身の戦いだ、誰も手を出すな、と言わんばかりの勇ましさです。
ケビンが、ブラインドとなる両側の敵を二丁拳銃で同時に倒すところも名シーンすぎて、何度見ても寒イボ出ます。
地味ですが、みんなカッコイイです。
リーサルウェポンのダニー・グローバーも出ています。
ほぼ同時期の出演なのに、無名感満載です。
ということで。
ではまた。




