ポーツマス条約と日比谷焼討事件
この作品はフィクションであり、登場する人物及び企業並びに製品に関しては実在しません
また、同姓同名人物や同名の企業及び製品であっても、実在の人物並びに製品とは異なります
まず最初取り上げるのは、ポーツマス条約に於いて、本邦が大陸利権を放棄し南樺太のみならず樺太全島を編入した場合の影響について
テンプレ設定の一つ、大陸不介入の原則に基づき大陸利権をアメリカに譲渡し、樺太全島を取得することがどの様に影響していくのか
予想されうる事件、その後の影響を検討していく
大前提として日露戦争は本邦にとってロシア帝国の南下政策に対する積極的防衛戦争であること
第一次日韓協定は締結後である事とする
1.日比谷焼討事件
史実で発生した日露交渉に対する騒動事件である
これは日清戦争に比して多大なる犠牲を生んだにも関わらず、南樺太とわずかな大陸利権を得るに留まり発生した
前提として史実以下の条件による講和は暴動が擾乱に拡大する懸念がある
講和条件として想定
1)史実通り大陸利権を獲得し、かつ樺太全島を編入(千島樺太交換条約の改定を含む)
2)大陸利権の一部を米国に仲介手数料として一部を売却並びに譲渡し、樺太全島を取得する
この際、想定しうる利権は桂ハリマン協定の通り
3)大陸不介入の原則を適用し、清国内租借地や朝鮮半島をはじめとする一切の大陸利権を米国に有償売却し、
大陸利権は日露交渉から米露交渉に舞台を変え、日露交渉は樺太全島の割譲一本に絞る
史実と大きく乖離する事なく比較的現実的な着地点はこの3案辺りであろうか
当時の本邦安全保障政策では最も無難な線として第1案及び第2案になるかと思われるが、
利権維持コストを無学な民衆に理解させる事が可能ならば第3案が最も美味しい
ここで一番肝心なのは日露交渉や日米交渉ではなく、国内マスコミと民衆の統制
これに失敗するとその後の戦後不況(明治40年不況)時に暴発する可能性が高い
統制を強化しすぎると全体国家の道まっしぐら
無統制だと擾乱を超え反乱に繋がる
記者クラブの本格成立を前倒しするのが適当な落とし所か
まずはポーツマス条約の講和条件について
ロシア帝国の南下政策は、露土戦争やクリミア戦争に日露戦争と国家命題です
不凍港と穀倉地帯の獲得は国家存亡に関わるので如何ともしがたい
一介の転生者が束になってかかっても譲れないでしょう
いかに大国をバックに譲歩を引き出すかが交渉の鍵に