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序 章・恋 慕 ◆1
愛。命を授け、奪うもの
17才、青春の選択
愛。ゆえに優しく、そして……残酷?
君が長い髪をかきあげる仕種に
僕は女を感じた
小春日和の真昼の匂いを漂わせ
春を待ちきれずに飛び出してきた蝶よ
君が髪を切ったのは何故だったのか
君が貸してくれた鉛筆を滑らせ
君の体温を僕は抱き締めていた
そしてポケットに忍ばせた
君の机にイニシャルの落書きを見つけ
僕のと同じだと知ったとき
僕は優しくなった
君からの葉書が舞い込んだ夏の日
『書中お見舞い申し上げます』の文字に
僕の囚われの日々が始まった
僕の卒業アルバムに寄せ書きを拒んだ君
『あなたとは永遠の別れじゃないのよ』とうつむいた顔に
いつも笑みを湛えた唇は歪んでいた
僕は最後まで
『好き』と言えなかった
十七才の晩秋




