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異世界漂流  作者: 英雄騎士
異世界到着
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滅びゆく世界の中で

 小説は初心者なので生暖かかい目で見てください。後、この話は武器の解説なんで異世界に転移した二話から読んでもいいかも

 ヌラン世紀1005年、突然現れた空の穴『スフィア』そしてそれに呼応するように現れた未知の敵『ロベリア』と戦っていた。

 惑星の総人口は全盛期の一割以下、残っている人類の生存権も限られた世界、私はそんな絶望の世界に生まれた。


 ヌラン世紀1020年、人類総数5000人、戦闘可能人数50人、人類最後の日が迫っていた。


 そんなある日、見張りの仕事を終えて私は防具も脱がずに寝ていた。


「あ!いたいた、大丈夫?」

 体を揺すられて目を覚ます、見ると目の前に唯一生き残った親友の姿が目に入った。

「あ、ミーちゃんおはよう……寝てた?」

「うん、死んだように寝てたよ。生きてる?」

「何とか」


 ミーちゃんが私にコップ一杯の水を渡してくれた、私はそれを飲むと立ち上がり防具を外す、ボタンを押すと防具は量子化し十センチ四方程の小さな板に変わりそれをポケットに入れた。


「ごめんね、できれば食べ物も持ってきたかったんだけど量が少なくて手に入らなかった」

「良いよ、戦闘員なら三日に一度は食べ物が食べられるし壁の外で見つけられることもあるから、ミーちゃんは自分の事を考えて」

「うん……」


 残った人類は何重にも壁を作り罠を仕掛け、無人兵器を配置して何とか人類は生きていた、だがそれは同時に外へ出ることを難しくし残った僅かな土地の食料で生きていた、そして一か月前、その食料も底を尽き戦闘員にのみ配られているのである、残った一般の人々は隠し持っていた食料を奪い合い中には人を……とにかく治安は最悪というべき状況に陥っている。

 ミーちゃんも私の友達だから何とか生きているようなものだ、戦闘員はこの土地では絶対の力を持っている、それに逆らおうなどとは誰も思わないからだ、それでも状況は日に日に悪くなっているのも事実で五枚あった壁も現在は残り二枚、しかもその二枚目も現在攻撃を受けており崩れるのは時間の問題だろう。


「じゃあね、お休み!」

「うん、お休みミーちゃん」


 ミーちゃんと別れ私は戦闘員に用意された宿舎に向かう、宿舎には他にも何人か戦闘員が居たが喋っている者は一人も居なかった、当然だろう、明日にでもロベリアが壁を壊して攻めてくるかもしれない、そうすれば人類は終わりだ、知人を友人を家族を失い孤独となった者たちの集まりである戦闘員達も不安を隠しきれていない、この一か月で脱走した兵士も少なくは無い、誰かのもとに行ったのか、外に死にに行ったのか……


(今は寝よう、疲れた……)


 自室のベットに寝転がり目を閉じる、疲れていた体は直ぐに意識を失った。


 その日夢を見た、それは数年前の平和な時の夢、私のお父さんもお母さんも生きていた頃の夢だ、その頃人類はその技術力を高めロベリアに対して攻勢に出ていた時期だ、おそらく戦争が始まって以来最も平和な時代、たった一年という短い時間ではあったが私たち子どもが友達を作るには十分な時間だった。

 そしてできた友達も、親も、知人も、みんな死んだ、軍の人間であった親のおかげで真っ先に輸送機で運ばれた私だけが生き残った、奇跡的に救助されたミーちゃんを除いて皆が死んだ、怒りがわいた、悲しみに襲われた、だが今はそんな事も思えない、生きている事が奇跡となった今となっては感情など意味がなくなったのだ。


「おい!起きろ!」


 誰かに揺さぶられ目を覚ます、意識が覚醒し宿舎全体が慌ただしい雰囲気に包まれているのに気づく、走り回る足音に怒号、敵の襲来を知らせるサイレンの音が響いていた。


「敵、壁が破られたのですか?」

「そのようだ、戦闘員は個別に判断し攻撃を行うように命令が下った。どうやら司令はもう守る気は無いらしい、お前も好きにすればいい」


 そう言って目の前の防具に身を包んだ男は外に飛び出していった。

 なるほど、司令はもう機能していない、人類最後の日が今日来たのだ。

 まあ関係ない、私はただ一匹でも多くロベリアを倒すだけだ、人類の滅亡など知ったことではない。

 防具を装備すると武器庫へ向かう、そこには何十人かの戦闘員が居た、おそらく彼らもただロベリアを倒しに行くのだろう、武器の数の方が圧倒的に多いが使いきれるだろうか、少しもったいない気がする。


「敵の位置は分かりますか?」

「東側の壁が破られたらしい、どうやら例の超巨大ロベリアの仕業だ」


 超巨大ロベリア、人類の反攻時に現れた最強のロベリアだ、六本の足で支えられた全長五百メートル全高二百メートルの化け物、人類の持ちうる全ての兵器が通用しないロベリア。

 なるほど司令が諦めるわけだ、今の人類に奴に対抗する術はない。


「残った戦力は?」

「見てのとおり、ここに居るのが総力だ」

「分かりました」


 私は電磁投射装置を一丁プラズマライフルを一丁を背負い腰にその弾丸を詰めたボックスを着けヘルメットを被るとHUDが起動し町の地図と周囲の戦闘員の心拍や感情が視覚化された。


「先に行きます」


 そう言って私は駆け出す、防具の電磁関節が起動して人間には到底不可能な速度で私は壁の上に駆け上った。


「敵確認、ヒトガタが二百、背後にタンクが千……斥候か」


 壁の上に伏せて電磁投射装置を一丁構える、壁の上にある充電器にコードをセットすると投射装置からチャージが終わった音が鳴った。


「……」


 投射装置のスコープを覗き最初に見えたヒトガタにトリガーを絞った、ヒトガタの頭が吹き飛び中にあったコアが砕け散る。

 携行兵器電磁投射装置、通称レールガンは現状人類が持つ最強の兵器である、超巨大ロベリアを除いて全てのロベリアに有効打を与えるこれが開発された時には人類はもう立て直せないほどまで衰退していた、それでも今まで人類の生存圏を守ってきた守護銃である。

 連続して発射される弾丸は次々とロベリアを排除してゆく、すると人類の防衛装置が起動するのが見えた、地面のハッチが開き中からガトリング砲がせり出してくる、二十ミリ弾の雨が先頭を進んでいたヒトガタを霧散させてゆく、それを確認した私はその後方に居るタンクと呼んでいる四足歩行の十メートルサイズのロベリアに狙いを定める、長方形の体に四本の足、その体が半分に分かれて中から巨大な砲が現れた、私は砲を生やしたタンクを優先的に撃つが数が多すぎる、数百の荷電粒子砲が同時に発射され防衛装置が一気に破壊される、その時町の方から数千のミサイルがロベリアの群れに向けて放たれた、だがタンクの背が発光し無数の光線が空に放たれその全てを撃ち落とした。


「大丈夫か嬢ちゃん?」


 私の隣に同じく電磁投射装置を構えた兵士が寝そべる、見ると壁のハッチが開きプラズマライフルと刀で武装した人々、そしてギアアーマーが一機出撃していった。

 防具を装備した人々は瞬く間にロベリアの群れの前に到着しプラズマライフルによるフルオート射撃が始まる、プラズマライフルは人類の携行兵器では二番目に強力な兵器だ、小型の大容量バッテリーの電力で発生させたプラズマで対象を焼き尽くす、これも開発が間に合わなかった兵器。

 ギアアーマーは元は作業用のパワーアーマーだ、何度も改良と改造を加え続けられた全長十メートルの巨人、防具を着けても装備できない大火力兵器を装備し圧倒的な火力でロベリアを制圧する、筈だった。だがその数が少なすぎた、ロベリアの物量が殲滅力を上回り現在残っているのは出撃したものを含めて二機、そして一機は破損がひどく使えるものではない。


「我々はタンクに集中します、超巨大はまだ来ていませんが確実に来ますよ」

「分かってるさ、奴が来たら俺たちは終わりだ」


 まあその前に死ぬかもしれんがな。隣の男はそう言って電磁投射装置の弾丸を私の隣に置くとプラズマライフルに持ち替えて壁の下に飛び降り前線に向かっていった。

 ああ、私はなんて無意味な事をしているんだろう、無感情に引き金を絞りながらそんな事を考える、足に装着している拳銃で頭を撃ち抜けば、もしくは防具を外して壁から飛び降りれば、どの道同じ運命ならそんな選択肢もあるのではないだろうか……

 ロベリアに取り込まれ意識を完全に消されるか?切り裂かれ内臓をまき散らしながら?食われて体を砕かれる?それとも虫けらのように踏み潰されるか……

 どれも嫌だな


「っ!」


 その時、前線でロベリアを蹴散らしていたギアアーマーの上半身が消し飛んだ。

 考え事をしていて意識が向いていなかった、ロベリアの群れの向こう側に霧を纏った巨体が居た、超巨大ロベリア、おそらくその荷電粒子砲がギアアーマーに直撃したのだろう、その足元にはロベリアの本隊が見えた、数はもはや数えきれない、無機質な姿をした群れが壁を目指して前進してくる、前線の戦闘員達もその数に圧倒され、切り裂かれ、四肢を千切られ、食われ、血をまき散らしながら死んでゆく、もう防衛線は無くなった、私は立ち上がりヘルメットを脱ぎ捨てるとコードを抜き町に向かって駆けた。


「ミーちゃん!」

「え?」


 向かったのはただ一人の友人の場所だった、痩せこけた体、防具など無くても持ち上げれるほど軽い体を持ち上げると私は跳躍し町で最も高い建物の一番上まで登った。

「ごめんなさい、私……私……あなたを守り切れない!ごめんなさい!ごめんなさいぃぃ!!」

 涙なんてもう出ないと思っていた、自分の命も、他人の命も関係ないと思っていた、なのに何故か涙が溢れてきた、ただ一人残った私の大切な人、最後の友人、それがとても愛おしい、私に残された最後の人。

 ミーちゃんは泣き出した私を見て少し困惑していたが泣き崩れた私を抱きしめその頭を撫でてくれた。

 そういえば昔にもこんな事があった、数年前の平和な時間、無口で不愛想な私がいじめられていた時、何時も彼女は私の事を気にかけてくれた、私が悲しんでいない時も頭を撫でてくれた。そしていつもこう言うのだ、


「頑張ったね、もう大丈夫だよ」


と。


 

 ヌラン世紀1020年、その星に住んでいた生命体は未知の生物ロベリアによって殲滅された。

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