表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

勇者様はじめての魔王退治③

この回は勇者の毒舌が炸裂。読んで不快な気持ちになるかもしれませんが、悪しからず。それが、この勇者の性格なのですから・・・何卒、温かい目で見てやってくださいませ。それでは本編をどうぞ!

?「勇者様っ勇者様っ!起きてください!外は暗いですが朝ですよ!」


 何者かの声が耳元で叫んでいるのを感じた勇者は声のする方へ躊躇なく平手をお見舞いした。


 ハリセンで叩くような乾いた音がした瞬間、叩かれた声の主は勇者の繰り出した張り手の直撃を受け凄まじい勢いで飛んで行くと壁に突撃し騒音を轟かせていた。


 眠気眼の勇者がかろうじて確認した物体は壁にめり込んだ状態のまま、脚をピクつかせていた。まだ寝足りないのか「夢か」と呟き再度、ベットに潜り込んだ。


 ?「勇者様ー!勇者様ーったら勇者様ー!モーニングですよぉ~!」


 何者かの甲高い声が頭上を徘徊しながら「朝ですYO!イェー!」を連呼している。そのあまりにも癇に障る声に勇者の怒りが爆発。怒髪天を衝く勢いで勇者はベッドから飛び出ると、暗黒の渦に飲み込まれるのではないかと言わんばかりの黒くどんよりした目をしていた。黒く整った髪が見えない力によって逆立っているのである。ブラック勇者が標的を捉えたのは直ぐだった。勇者の瞳に標的が映し出された瞬間、もうそこに勇者の姿はなく一瞬で消えていた。刹那の速さで動いた勇者が捕獲したのは妖精と言われる精霊族の一種であった。




‐第三話‐


『妖精にビンタ』



 勇者に捕まった妖精が悲鳴を挙げながら手掴みされた状態で必死にもがいていた。


 妖精「ああああああああああー犯される!殺される!悪戯されて蹂躙されて弄ばれる~嫌あぁぁっ!」


 勇者「ん?昆虫」


 手に握っている物体を見た瞬間にでた第一印象の感想が洩れた。


 妖精「―――っな訳あるかぁーボケェーーー!!どっからどう見ても妖精じゃろうがいっ!」


 素早いツッコミに対して勇者は「おぉ・・・」と小馬鹿にした驚きを見せ妖精をまじまじと観察。


 妖精「離さんかいっボケー!見せもんじゃねーぞぉ!」


 強気な姿勢を見せる妖精に勇者は無表情のまま、じっくり観察すると握ったままの空いている親指の腹で妖精の頭をグリグリこねくり回して遊び始めた。それに対してワプワプしながらやつれていく妖精の姿に満足したのか、ゴミでも扱うかのように地面へ投げ捨てた。


 妖精「げふっ・・・こ、こなくそ・・・ぜぇぜぇ・・・勇者だからって図に乗りやがって・・・」


 身体をピクピクさせながら勇者を仰ぎ見て憤怒している。


 勇者「昆虫だけに虫の息か、体を張ったギャグにしては些か面白みに欠ける。よし5点。」


 相変わらず無表情で冷たいセリフを吐いていた。勇者のど腐れ具合を肌もとい身体いっぱいに感じた妖精は「こいつヤバイ」と妖精の小さな脳みそに焼き付けたのであった。しかし、この妖精は負けず嫌いで有名なのである。やられたらやり返すが性分、転んでもただでは起きないのが妖精のプライドなのだ。


 歯を食いしばり片膝を着いた状態で勇者を睨みつけながら文句を言った。


 妖精「なに勝手に評価点つけてんだコラ!」


 勇者「がんばったから」


 妖精「何点満点中じゃー!?」


 勇者「100点満点中」


 妖精「ゴリゴリの赤点やないかーいっ!!」


 いつの間にか勇者のペースに飲まれてしまった自分に気づき我に帰る。悔しそうに下唇を噛み締めている幼気な妖精を嘲る様に勇者は腕を組み見下す格好をする。


 勇者「妖怪だか妖精だか知らないが私の部屋に無断で入り騒音を立てた、これは立派な犯罪行為に当たる行いだ。懲戒を食らっても文句は言えないが、謝罪をするのであれば許してやらんこともない」


 なんともいけ好かない一方的な態度に腸が煮えくり返る妖精。


 妖精「ボクが起こしに来なかったらいつまでもアホみたにずぅーとぉ寝てただろうがい!それをわざわざ、妖精の親切で起こしてやったのを仇で返すとは勇者だからとて許されんぞ!恥を知れっこのハンクソ野郎!」


 アドレナリンが分泌されまくった妖精は怒りのままに暴言を吐きまくった。その結果、勇者の中の何かが「プッツン」と切れたのである。そう、それを世間一般で言う堪忍袋の尾が切れたというヤツである。


 勇者「妖精の親切?頼んでもいないのに恩着せがましいですね。そんなデリバリー誰が頼みましたか?頼んでませんが、どういうことですか?勝手にやって勝手に満足して逆ギレとか呆れて物も言えませんね。アホ?ハナクソ?そんな底辺で幼稚な単語しか持ち合わせていないとは、とんだ糞虫以下ですね。だいたい虫風情が生意気ですよ。こともあろうに勇者である私に口答えするなんて、脳みそが無いにも程がある。たかだか虫の分際で勇者に楯突こうなんて妖精?妖怪の風上にもおけない、いや生物として終わってるしキモイしウザイし何言ってるか意味不明だから、口動かすの止めてもらえます?てか息するの止めてもらえます?いや、マジで!解った?理解できましたか?返事は?返事もまともに返せないなんて妖精失格ですね。いや妖怪だっけ?印象薄いから覚えられないや。てか、お前誰だよ?勝手に入ってくんなウンコ虫!」


―――というとんでもなくえげつない言葉の暴力をまくし立てると妖精はいつの間にか大泣きしてエグエグしていた。


 流石に言いすぎたと反省したのか勇者はそっと、妖精の頭を撫でると最後にこう言った。


 勇者「今度、一回でも口答えしたら捻り潰すから気をつけて会話するんだよ?解ったかな?」


 最後に恐ろしい脅し文句を笑顔を作り妖精の恐怖心を煽った。普段、笑顔を作らない人間が作る笑い顔、特に怒りを秘めた作り笑いの顔は、何より恐怖の対象であり触れてはならぬ祟り様に危険なのだ。


 すっかり、生気を抜かれた妖精は今や勇者の言いなりのペットという名の奴隷になった。そんな彼の心の傷は一生癒えることはなく、立ち直せないほど傷が深すぎた。一種の暗示状態に陥れた勇者は何事もなかったかのように着替えを済ませ勇者のおもちゃになった妖精を連れて客間をあとにした。



 王の間に再び顔を出し約束の軍資金と装備と仲間にする為の仲介書を受け取り馬と船と飛行船まで本当にゲットして城下町へと繰り出す勇者と妖精であった。



今更、妖精さんの紹介。見た目はちんちくりんで手の平サイズ。トンボのような羽を生やして いる。性別は無く、見た目や性別を自由に変える事ができる。知識は豊富でおしゃべり好き。好きな食べ物はカステーラ。嫌いなものはオジ様のお尻。


第4話に続く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ