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魔法と闇と絶望と  作者: 凛莉
最終章~騎士と王~
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第56話 過去に戻って自分を殴りたい




「うーん・・・やっぱりクラリスの記憶を送る時に、何かエラーがあって暴走。

そして理性が無くなったクラクサスは、無差別攻撃。それでナズリーが死亡し、正気を取り戻した

クラクサスが、この惨状をゼリスクがやったものと勘違いして怨んでいる・・・かな」

〈それが一番合ってる気はしますね・・・。あ、もう12時55分ですよ〉


おや、もうそんなに時間が経っていたのか。

そろそろ玄関で待ってようかな。

リビングから玄関へと向かって歩き出す。


「でも、起動した当初から『キヒヒ』なんて笑い方してたのかな?

でも、してたらナズリーが修正してるよね」

〈それは暴走による影響なんじゃないですか?暴走によりデータ書き換えで、

口調や性格・・・最悪の場合は少し髪の色まで変わる事はありますよ〉


「えっ、髪の色まで変わるの?」

〈あの世界のロボットは色までデータで造っているみたいですよ。

そうですね・・・テレビの様な感じですかね?〉

へぇ・・・世界は本当色々あるね。


「さて、そろそろだね」


そう言った直ぐに、ピンポーンとインターホンが鳴った。


「はーい」

直ぐに扉を開ける。



そこにはユズキ達が立っていた。

「来たぜー」

星武が手を上げる。


「ここで立ち話も何だし、入って入って」

「その言葉っで実際あんまり言わないよね」

ユズキに苦笑いで言われた。そうかな?


とりあえずドアを押したまま、玄関へと引っ込む。

「じゃ、お邪魔するわね」

それを見たマーレは最初に玄関へ入った。続いて星武、アール、ソーミィ。

最後にユズキが入って、扉を閉めた。


この前も家に来たので、皆は迷うことなくリビングへと向かっていった。


「じゃ、それぞれ座って座って」

僕がそう催促すると、皆もソファーに座った。

一番初めに口を開いたのは、星武だった。


「早速本題に入ろう。アイツ、クラクサスの事。何が分かったんだ?」

「んー、まだ確実ってわけでも無いけど、クラクサスはロボット・・アンドロイド。

ディスティーノで起きた7年前の事件が関係してる。 動機は多分、ゼリスクへの復讐。

そして今居る世界は恐らく、レクイレーチェ」


そう言うと、皆同じように驚いていた。


「良くこの短時間でここまで調べたわね」

「スピリーツに色々調べてもらったから。 今からお茶入れるね」


本当スピリーツとレヴィンが居なかったら今も分からなかっただろうな。

お茶葉を6つの湯飲みに入れて、隣に置いてあるポットに湯を入れる。


「あ、私も手伝うよ。 ・・スピリーツさんって、この前のあの女の人ですよね?」

「そうだよ。 っと、ありがと」

アールがお湯を入れた湯飲みを、それぞれ皆の手元に置いていく。


全部に湯を入れ、全員の所に回った後、一口緑茶を飲む。


「ふぅ・・・それで、そっちは何か分かった?」


全員を見渡すと、ユズキが口を開いた。

「うん。私もディスティーノの7年前の事件と、犯人がアンドロイドって事は。

それで、その事件何だけど、どうもゼリスクに非があった見たいなの。

・・・性処理なんて、同じゼリスクの人間とは思えないよ。


ゼリスクへの復讐、だとは思うんだけど、どうもそのアンドロイドとは違う見たいなの」

そっちも大体同じ感じか・・・


「クラクサスは7年前のアンドロイドのパーツを使ってるみたいだよ?だから復讐っていうのは間違い無いと思う」

「そういえばメモリーチップが今も見つかってないって書いてあったな。そのパーツ使ってるのか・・・

っつー事は、クラクサスを造った、ナズリーと、7年前の、クラリス。何か関係があったんだろうなぁ・・・」


「あれ、クラクサスを造ったのってナズリーって言うんだ?」

ソーミィが星武を見る。


「言ってなかったっけ?俺」


「言ってないねぇ」

「聞いてないわ」

「知らないなぁ・・・」

「言ってないよ」


「・・そ、そうか・・・・」

ガクリと項垂れる星武。 ・・・これはキツい。

全員に言われて、落ち込んでいる星武は置いといて。



「それで、レクイレーチェって世界、知ってる?」


予言に書かれていた世界。 リーディの故郷・・何だけど、

世界が滅びた、魔法が一切使えない・・・位しか分からないんだよね。

やっぱりもうちょっと事前に調べてみたいな。


「レクイレーチェ? 初めて聞いた」

「私も知らないわ」

「俺もだ」

三人共知らない・・か。


ソーミィはアールが「知らない」と言い切る前に、被せて

「私知ってるよー!」

「・・・・・」


恨めしそうにソーミィを睨んでいるアール。

意外と影薄いから・・・あ、睨まれた。


「おぉ。どこで知ったんだ?」



「うーんと・・ほら、私って最近環境・生体保護の所に移動したじゃん。

その時にちょっと。


無人世界で、植物、水、生物が一つも無いんだよ。


でもね、古い建物がチラホラと建っているらしいの。私はまだ行った事が無いんだけどねぇ~、

だから元々は地球の様に自然とか、人とか動物がいっぱい居た世界だったんじゃないか、って言われてて

それに、そのままにしておくには勿体無いとか何とかで、また緑溢れる世界にしよう!っていう話になってるみたいだよ?

最近発見されたみたい。 後、最近見つけたみたい。見つけるのがすっごく難しいみたいだよ。


後、魔法が一切使えないの。魔力も無いし、魔法を使おうとするとそのまま散っちゃうみたい。だから今も試行錯誤してるみたいだよ」


「へぇー・・」

「何で滅びたのかしらね」


「魔法が使えないとなると、私たちは役に立たないね・・」

「俺もだよ。武器は剣だからそれなりに使えてるが、

その道の人から見ればお遊戯レベルだ。ただの魔力量が多いだけの人間だからな」


・・・本当にあの星武なのかな。 どうもそっちのイメージが強すぎて・・・。


「元変態って付けなさいよ」

からかうマーレ。 その瞬間星武の動きがピタッと止まった。

その後ソファーの上で体育座りのポーズをして、膝元に頭を埋めて何かブツブツと呟いていた。

そんな星武には「どよーん」という効果音が似合うだろう。


周りも何か呆れたような雰囲気で、静まっているため、耳を澄ますとその小さな声が聞こえてきた。


「あの時何で俺はあんな事をしたんだろうかキモイだけだろいや今考えてもキモイしウザ・・・・

あの頃の俺をぶん殴ってボッコボコにして反省させてからもう一回殴って蹴ってやりたい寧ろ今から過去に戻れる魔法を・・・・・

やっぱ俺は駄目でキモくてウザくて変態な最低な・・・・・・・」


うわぁっ・・・聞かなきゃ良かった。

相当気にしてるみたいだから、水に流そう。


僕が昔の星武を水に流していると、マーレが立ち上がり、星武の後ろに行き、思いっきり腕を振り上げた。

「いい加減、機嫌を・・・」


振り上げた腕は当然、思いっきり星武の後頭部へ直撃した。

「直しなさいっ!!」

「死んブベラッ!?」


ゴッと何とも痛そうな音が部屋中に響いた。


星武はそのまま前に倒れ、更にテーブルに頭を打った。

そのまま気絶したのか、動かない。


お茶は揺れたものの、全部無事だった。







それから星武が復活するのに、数分の時間を要した。












その後も色々話し合いをしたり、レヴィンに調べてもらったりもした。


主な収穫は


レクイレーチェでは魔法が使えない。


クラクサスは暴走により、格段にパワーアップしていて、機械類を操れる。

そして理性を失っているため、捕縛ではなく抹殺の方向で。


後は・・・特に無いかな。最後は殆ど雑談だったし。

気をつけるべきなのはこの3つくらいだしね。


レクイレーチェへ向かうのは準備が必要なため1週間後となった。

最後までこの話し合いに、スピリーツは参加しに来なかった。

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