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魔法と闇と絶望と  作者: 凛莉
最終章~騎士と王~
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第48話 久々の帰還



特に何事も無く、1時間が経過した。

その為もう一度操作モードに入る。



「さて、どうなってるかなー」


目を閉じ、開くとそこは監獄の中であった。


「・・起きた?」

「・・・ユズキ? 何でここに」


急に起き上がろうとすると、体が付いていけずにふらりとよろける

それをユズキは心配そうな目で見ていた。


「雪矢君、本当にこれでいいの?」

「うん。 僕は、死なないし」

「・・マーレちゃんや星武君の言った通りだったなぁ」




ユズキは僕の元を離れていく。

「私も仕事があるから。 それじゃ、またね」

「うん またね」


ユズキは「ばいばーい」と去っていく。




少しこれからの事を考えるかなぁ・・・


これ多分裁判が始まって、刑が執行されて・・・

それで晴れて自由の身!とまでは行かないけど、ある程度は自由にはなる。


「・・・・・」

しばらくボーっとしていたら、奥からカタンと音がした。

足音も聞こえるから、誰か入ってきたのだろう。



看守みたい。大分武装してて、手には食べ物が入ったトレーを持っていており、

牢と牢の隙間から、牢の中にトレーを入れると、その人はさっさと帰ってしまった。

・・・いい匂い。


グゥとお腹が鳴る。

そういえばここ最近まともなご飯食べてないなぁ・・・

うん、お腹も空いてるし素直に食べよう。


でも食べてるだけでお腹に溜まんないんだよねー。

後で何処かにでも寄ってご飯食べようかな


「美味しい」


うん、凄く美味しい。

もしかしたら普通なのかもしれないけど、久しぶりのご飯だから、凄く美味しく感じる。



少し味の薄いスープを一滴も残さずに飲み干すと、器をトレーに置いて、外へ押し出す。


・・・少し、休もうかなぁ。

備え付けられている、ボロボロの硬いベットに横たわり、目を閉じた。




ふっと視界が元のものに戻る。

伏せていた体を起こし、ローブについた塵を払う。

これから一回家に戻って寝ようかな・・・


眠くなってきちゃった。


「ふあぁ・・」

一回欠伸をして、バレないようにこっそりと屋上から飛び立つ。

認識阻害と、姿隠しの魔法は掛けてあるから大丈夫だとは思うけどね。



「さーて・・・家は何処だったっけ?」

〈此処から100m直進し、右へ曲がって、大きな通りをまた右へ、

住宅街に出ますので、後は大きい茶色の屋根を探してください〉


ピピッと音を鳴らしてレヴィンが教えてくれた。

そういえばそんな感じだった・・・かも。


全然覚えてないや


「有難う」

〈いいえ、お礼を言われる程の物でもありませんから〉

本当に謙虚だなぁ、レヴィンは


〈マスターの家ってどんなの?大きい屋根って事は、結構豪邸?〉

スピリーツが興味津々、といった感じて聞いてくる。


「多分。 普通の民家よりも大きくて無駄に豪華っていうのは分かるけど、豪邸まではどうだろう」

〈へぇ・・! あ、じゃあ、魔導書とか、本とか沢山あるかしら?!〉

「魔導書だけの部屋と、普通の図書室みたいなのはあるよ」


〈本当!?じゃ、じゃあ私家に着いたら少し借りるわね!〉

「分かった」


スピリーツは本が好きなのかな?


〈あ、マスターここを右ですよ〉

レヴィンの指示に従って進んでいくと、住宅街の中に一際目立つ大きな茶色の屋根が見えた。


その家の前に降り立つ。


「ここかな・・・いや、ここでしょ」

薄っすらと見覚えのある大きな家が建っていた。

ここは間違いなく僕が昔住んでいた所だ。


特に捜索とか、荒らされていたりとかもされてない。

一応周りを見回して・・・と、


そして僕は迷い無く扉をこじ開けた。

鍵なんてどこにあるか分からないし?


・・・・ポケットの中に入ってた。



僕は気にしないでそのまま中へと入り、扉の鍵を直して閉めた。


「ただいま」

この家に住んでいたのは僕しかいないから、誰も居ないけどつい言っちゃうよね


もそもそとスピリーツがローブの中から出てくる。

僕の前の方に行くと、本の状態から最初会った人の状態に変わった。


「どこどこ?!本、本、あぁっ!あっちね!!・・・・待ってて私の本!!」

スピリーツは人になるとすぐに駆け出して行った。

場所も教えてないのに、魔導書室や図書室がある場所へと。



僕も玄関からあがり、リビングへ移動する。

「ケホッ・・埃が凄い」

何年も掃除も何もしてないから、埃が凄い溜まっている。

しかもさっきスピリーツが走ったので、埃が辺りに舞っていて、若干部屋の奥が霞んでいる。


これは酷い・・・

〈【洗浄:クリーン】〉


キラキラとした粒子がリビングを包み、恐らく家の中全部を包んでいるであろうそれは、

ゆっくりと下に落ちていき、地に着くとそのまま消えてしまった。

その後には、埃一つ無く、とても綺麗な部屋になっていた。



「これは?」

〈マスターのお力を少々拝借して創ってみました〉


へぇ・・・

これは便利。


あ、ちょっと眠いかも・・寝室まで持たないっ・・・・


突如強い睡魔が襲い掛かって来て、瞼が重くなる。


「ここで寝よう・・・・」

バタりと牢のベットよりもフカフカなソファーの上で横になった。


しばらくちゃんとした睡眠も摂ってないし・・




あれ、僕人間として何かがおかしいかも、と思ったところで、僕はすっかり夢の中へと旅立ってしまった。




もうこの小説を投稿して(とっくに)1年経ちました。

スピリーツさんは本の虫です。いえ、本の本ですね。


これからも更新は不定期ですがよろしくお願いします

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