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魔法と闇と絶望と  作者: 凛莉
最終章~騎士と王~
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50/70

第49話 確定








「んー・・・。良く寝た・・・・」


むくりと起き上がる。

外からチュンチュンと鳥の鳴き声が聞こえた。


「まさか・・・・」

〈お早う御座います。マスター。今は朝ですよ〉


やっぱりっ!!


少しだけ仮眠しようと思ってたのにまさか朝まで寝ちゃうとは!


・・・睡眠って一番の敵じゃない?


「あぁっ!そうだ、マリオネットは!?」

急いで操作モードに切り替える。




見えたのはいつも通りの牢。

あ、大丈夫みたい。


「アイツ起きない死んだ?!」とか騒がれたら面倒くさいからね。


カツコツと近くで足音がする。

少し遅れていたら騒がれてたかも・・・・

危ない危ない・・・



その足音の正体は、ユズキとマーレだった。

・・・余計に危なかった。

きっとユズキの事だから「雪矢君!?大丈夫!?」って騒ぎそう。


二人が牢越しに、僕の前に立つと、マーレは厳しい口調で言った。


「一級犯罪者、望月雪矢───

大きな物の罪状は殺人、生態系の破壊。保護指定惑星の破壊。

危険と判断し、3日後に死刑が確定しました」


マーレが通知書みたいな紙をこちらに見せる。


やっぱり死刑か。


口を閉じていたユズキも、口を開いて、

「裁判は裁判官達に危害が及ぶ可能性が有った為、貴方抜きに行い、決定致しました。

この判決は覆す事は出来ません」


ふむ・・・そういえばそうだ。

裁判中にリーディ化になったとしたら、それはもう大変だ。



「それでは3日後に」


そう言うと、マーレは一瞬だけ笑みを見せて、そのまま立ち去る。

ユズキもマーレの後を追っていった。




ここに僕一人だけが残された。


「ふぅー・・・」


死刑、ね。

ここまでは計画通り・・・かな?








~ユズキSide~





「ふうぅー・・・」


部屋に戻った途端大きなため息をつきながら、私はソファーにダイブした。


あぁ~やっぱりここフカフカ・・・・



「だらしないわね、ユズキ」

「いやぁ、やっぱり友達に「死刑」だなんて言いづらいしー」


マーレちゃんもはぁ、とため息を吐いた。

「そうね・・・ でも良かったわ、無事に私たちが担当する事が出来て」


死体の処理も楽だしね、とも言った。


たしかここの死刑って・・・


「うええぇ・・・ヒモは誰がするの・・・」


今私の顔は非常に宜しくない。

こんな可愛らしい乙女がこんな顔するのは乙女失格だ!と思うけど・・・


それにしたって今時ギロチンなんて・・・

うっぷ。


この仕事に就いているから、人は殺した事はある。

何十人、何百人とあるだろう。


でも流石に・・・

死体は跡形も無く消すか、捕縛かだからなぁ・・・



「死体なんて見たくなーいー!」


ソファーにうつ伏せになって足をバタバタさせていると、


「ユズキ、お前まだそんな事言ってるのかよ。もう何度目だ?それ。

ほれ、飲み物買ってきたから飲め飲め」


声が掛かり急に首元にピタリと冷たいものが当たる。


「ひゅえぇっ!!」


ビックリして変な声が出た。


「アハハハッ変な声ー・・プッ、アハハハ!!」

「ひゅえぇっ!! だって・・アハハハ面白、ハハハ!」


その後ろから二人の笑い声。


「んもー!星武君何するのー! アールちゃんもソーミィちゃんも・・・

もう!笑いすぎ!!」


「ふふっ、ホント、バカねぇ」

「マーレちゃんまで!」


皆に笑われてるなんて・・・

ショック!!




「死体はまぁ、仕方ないと思うぞ? マリオネットだからまぁ、普通は血なんて出ないが、

生憎望月のヤローだから、凄げぇリアルだと思うが」


星武君は椅子に座ってゴクリと持ってきた飲み物を飲む。

・・・ブラックコーヒーかぁ、あれ苦くて好きじゃないんだよねぇ。




「うう・・・」

星武君が持ってきた飲み物を開ける。

あ、スポーツドリンクだ。



「跡形も無く塵にしたらまあ、上に匿ったんじゃないのか、とか疑われるしなぁ・・・。

本当上の奴らって本当頭カッチカチ!しかも下品な狸と来た。・・・・・・昔の俺の事じゃねえぞ?」


「自分で自分の黒歴史抉ってどうすんのよ」



星武君昔のやってた事気にしてるんだよね・・



「それにしても、ユズキまだ慣れないの? 私はもうよっぽど奇異でなきゃ何とも思わないけど」

「お姉ちゃんはそういう事に小さい頃から慣れてるからだよ!

私だってまだちょっと怖いもん。 ・・・あんまりグロいのだと夢に出てくるし」


「うー・・やっぱり慣れかぁ」

私もよく夢に出てくるんだよね・・・

夢の中でも私涙目になりながら跡形も無く吹っ飛ばしてるんだけど。



「兎に角、3日後、ギロチンの紐を持つ人は誰にするのよ?」


「んーそうだな・・・それはやっぱり」

「うんうん」

「やっぱりー?」




「「「「ユズキでしょ(だろ)」」」」


星武君、アールちゃん、ソーミィちゃん、マーレちゃんの声が綺麗に重なった。


「ふえええぇぇーー!?」


その一瞬後に私の絶叫が部屋中に響いた・・・・







私がダウンしている間にも、淡々と進んでいく会話・・・



「ヒモ役はユズキ、上に持っていくのは・・星武がいいかしらね」

マーレちゃんはやっぱり頭が回るねー・・


「うぇっ、俺?! ・・いや、そうか。分かった」

星武君は度胸があるなぁ・・・



「後はまぁ、埋葬所だから・・・塵にしておけばいいわ。

皆そうなってるし」


「じゃあ私やるよ!」

「本当?でもソーミィ、アンタそんな魔法持ってたかしら」


「雷を当てて焦がして塵にすればいいんだよ」

「・・・それもそうね」



「というか、何で私がヒモ役なのー!?」

ガバッとソファーから起き上がる。


「あ、復活した」


「そりゃー、慣れてもらう為と、後はまぁ「オトモダチ」に弱いからだよ。

ユズキはもうちょっとメンタル強化しないと、この先やっていけないよ」


「分かってる・・・」


分かってるけど、心配なんだもん。



「いつまでもウジウジしてんのはユズキらしくないわよ、シャキッとしなさいシャキッと!!」


「じゃあ俺達はウルスんとこに報告するから、じゃあまたな。 仕事頑張れよー」

「ええ、また」


「ぶぁいばぁーい」

ブンブンと適当に手を振って3人を見送る。



「ハアァ・・・」

「もう、そろそろ時間よ? ほら行きましょう、ユズキきょーうかん」

マーレちゃんにツンと額にでこピンされる。

地味に痛いんだよぉ~。



って、

「あ、えっ!!もうそんな時間!? 何にも考えてなかったあぁ!!」


「ふふふ。さ、行くわよ」


「待ってー!」



私は急いでマーレちゃんの後を追うのだった・・・






ちなみにその日の訓練内容はとてもグダグダだった。

ごめん皆・・・。

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