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Green Youth ④

作戦を成功させたスサノとテレス。

だが、テレスは銃弾をくらってしまった…。



スサノとテレスは何とか安全な場所まで避難できた。


「テレス先輩…、大丈夫ですか?私を庇ったせいで…。」


「全然大丈夫ですよ。逆に先程のように最短距離で走らなければ安全圏に到達する前に煙幕が消えて、僕らは蜂の巣でした。こんな傷軽いもんです。」


テレスが銃弾を受けた場所は右胸。痛みこそ感じないが、呼吸がしにくくなっているし、運動機能も正常とは言えないだろう。これがリアル志向を極めたBFカルナバルの凄さだ。

〝胴体に1発〟と一括りに言うものの、脇腹では大した傷にならないし、右胸だと運動機能に影響がでる。左胸であればお陀仏だ。


このゲームをやり込んでいる者ならば、テレスの撃たれた場所を見ればその深刻度を理解できたのだが、幸か不幸かスサノは未だ知識が足りていなかった。故にテレスの言葉を信じ、一安心といった顔をしている。


「それで、これからどうするの?」


「高台から全体を見渡しているシャランガさんに作戦を仰ぐべきでしょう。僕達だけでは情報が不足しています。」



スサノはトランシーバーの通話ボタンを押す。


「シャランガくん聞こえる?」


『あぁ、状況報告を頼む。』


テレスに視線を向ける。冷静に情報を整理して伝えるのはスサノには向いていない。


「僕からお伝えしますね。アナウンスでご存知の通りヴォルトさんはキルされました。しかも、スペシャルワンのBossさんがキルしたので今後スキルの発動が可能です。対する僕たちもスサノさんのキルによってスキル〝蘇生〟が使用可能です。」


『人数イーブンで敵だけ強力なスキルを持っている状況を避けれたのは大きい。2人の行動は100点満点だ。』


「えへへ〜!!」


「ありがとうございます。それで、其方(そちら)側はどうですか?」


『うーん。あまり芳しくないな。初手の1キル以降徹底して俺の射線に姿を現さない。マンションBに入った2人は動いていないのが確定してるんだが………、もう1人のスナイパーの居場所が分からない。』


「シャランガさんを待ち伏せしていたスナイパーですね。」


挿絵(By みてみん)

(シャランガ、ニトはマンションAの高台からマップを監視。スサノ、テレスはBサイドの物陰に潜伏中。)


『恐らくマンションを登っている間に他の場所に隠れられた。どこにいるか分からないから注意してくれ。このマップは設置場所こそ遮蔽物が無いが建物や土手沿いを移動されると相手の動きが高台から監視できない。裏取りの可能性を常に頭に入れるんだ。』


「了解。とりあえず敵の行動待ちでいいかんじ?」


『そうだな。だが今2人のいる場所は俺がカバーできない。X橋の麓まで移動できるか?そこなら俺の射線が通る……テレス先輩が射線管理をしながら移動してくれ。特にハイドし(隠れ)てるスナイパーには油断するな。』


「了解です。では、移動しましょうか。」


シャランガはマンションAの高台、ニトは安全確保の為にマンションAの1階、スサノとテレスはX橋麓までの移動を開始した。


テレスは射線管理をしながら移動を先導した。これ以上先に行くとスナイパーに狙われやすい等のリスクを抑えながらの移動だ。細心の注意を払ったお陰で何事もなく移動が完了した。


この移動によって仲間がいる全ての場所がシャランガの狙撃圏内となった。この状態で敵の動きを待つ。



-青山田高校・Boss視点-


BossとGoApは移動していた。スナイパー・4SUと行動を合わせてスサノを確実にキルする為にある()()()()()()()を作り出す為に…、


「すまない…GoAp。つまらない役をさせてしまって。」


「しょうがないですよ。僕が犠牲になって革命世代を無力化できるなら安いものです。」


2人は敵スポーン付近を通過した。


「やはり居ないですね。」


「まぁ、予想通りに橋の麓に居るんだろう。シャランガの射線が通る場所・4SUが今いる場所を考えれば奴らがいるのは確定したも同然だよ。」


角を曲がる直前に立ち止まった。この角を曲がればスサノとテレスが居ると予想している場所だ。さらにシャランガの射線も通る。青山田高校は勝負所を迎えていた。


「ふぅ…、では行きます。」


「すまない…GoAp。」


GoApは火炎爆弾をスサノとテレス潜伏予想地点に投げ込む。簡単に避けられるのは想定内…2人を動かすのが目的としていた火炎爆弾はその目的を果たす。そして、GoApは曲がり角を飛び出し2人の敵を確認、


1人目…茶髪の男…彼はハンドガンを構えている。オフィサーのテレスだろう。

2人目…黒髪の女…容姿端麗…俺を視認した瞬間刀に手を当て殺気を放っている…彼女がターゲット(白仮面=スサノ)だ。


予想通りの場所にスサノが居た事を目配せでBossへと伝える。彼は一連の行動で与えられた役割を終えた。



マンションAの高台からスコープを覗き込んでいたシャランガは格好の的(GoAp)の出現に躊躇いなく引き金を引いた。その弾丸は当たり前かの様にオートアーマーを突き破りヘッドショットとなる。




スナイパーライフルは単発式。一度撃てば次の弾を撃つまでにどんな手練れでも3()()()()()()。その隙をBossと4SUは待ち望んでいた!


Bossはスナイパーライフルの銃声と共にフラッシュ爆弾を投げ曲がり角を曲がる。同時に土手Aで潜伏していた4SUがX橋へと身を投げ出しスナイパーライフルを構える。

2人ともシャランガの射線圏内だ。だがしかし、銃声音から僅か3秒間…彼らはその凶弾を受ける心配はない。


目眩しを食らっている2人に対してBossのマシンガンの弾が毎秒10発、そして4SUの狙い澄ましたスナイパーライフルの弾が無慈悲に撃ち込まれた。


3秒後、シャランガが射撃準備を終えた時には全ては終わっていた。


【SharangA killed GoAp】

【Boss killed Susano】

【4SU killed TeLeS】


刹那3秒、瞬きをすれば見逃してしまう程の時間で3人がキルされた。









‐仙ヶ谷高校・モニタールーム(死者の部屋)-


現時点で死んでしまったのはヴォルト、スサノ、テレスの3人。スサノはこの部屋に転送された後も茫然としていた。彼女視点から先程の出来事を振り返れば、敵が来たと思いきやシャランガが一瞬で仕留め安心したのも束の間…フラッシュで視界不良になっている間にすべてが終わっていた。未だ情報が処理出来ていない。


「2人とも…お疲れ。さっきのはどうしようも無かったと思う。」


ヴォルトはモニタールームで試合を観戦していたので先程の出来事が俯瞰できていた。デコイでシャランガを実質無力化し、手負いのテレス先輩と遠距離攻撃を持たないスサノを一方的にキル…、盤面を変えるにはこれ以上ない手だ。彼らの凄さを改めて実感し、自分の短慮を再度悔いた。


因みに、スサノがキルされた瞬間からモニターは全て消えている。剣士がスペシャルスキルの蘇生で試合に復帰する可能性があるのだから当たり前だろう。すでに死んでいた人…今回でいえばヴォルトがスサノのキル以前の状況を伝えることは可能なのだが今回の場合は敵の位置は把握済みなので大勢に影響はない。

例えば敵の場所が分からない時に剣士がキルされた場合、すでに死んでいた仲間からの情報で場所を把握して復帰できるという強みがある。

この仕組みによって剣士の蘇生スキルの使い道は無限大の可能性を秘めている。


「私、戻った方がいいよね?」


「そうですね。現在僕たちのチームの生き残りはシャランガさんとニト部長の2人。敵はBossと4SUという主力の2人です。この四人の戦いとなればシャランガさんの力が圧倒的とはいえニト部長の力不足が不安材料です。今、蘇生すべきかと。」


「分かった。ニトちゃんの所に戻るね。」


「俺たちの分まで頼んだ!」

「死んでしまった僕たちの尻拭いをお願いします」


スサノは親指を突き立てて笑顔でスキルを唱える。


「スキル使用。GHOST(ゴースト) SLAYER(スレイヤー)!」


スサノは戦場へと戻っていった。









‐仙ヶ谷高校・スサノ視点‐


30秒ぶりの戦場にスサノは戻ってきた。

蘇生する場所は生存中の仲間を任意で選ぶ。今回はニトの近くにやってきた。


「ニトちゃん!ただいま!今どういう状況?」


モニタールームにいる間の情報は彼女には知る由はない。短時間での状況判断が求められる。


「おかえり…スサノさん。簡単に言えば()()()()…最悪のタイミングね…。」


蘇生スキルの欠点…それは死んでいる間の戦場の変化を把握できないこと。今回でいえばスサノがキルされてから30秒間に起こった出来事を把握できていない。


「ニト…ちゃん??」


スサノの目に映るのは死にかけのニトと頭上から降り注ぐ瓦礫だった。



まさに最悪の状況…、

そんな戦場に投げ出された。


30秒で何があったのでしょう?


スペシャル・ワン“剣士”の蘇生スキルの強みと弱みに触れました。

簡単にまとめると

強みは①復活できる②復活場所が味方の近く③情報を得れる場合もアリ

弱みは“死んでいる間の状況がわからない事。”極端な例を出せば、蘇生した瞬間詰みの状況に投げ出されることもある。


蘇生スキルの名前が「GHOST SLAYER」なんですが、あまり気に入ってないので、カッコいい名前を募集中です✋


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