弐章/英雄/挿話玖/嵐の妖精
麗羅。
炎の大陸にあった焔の国で生まれたが、幼少の頃の
統一戦争時に家族を失い、炎の大陸を彷徨う事になる。
その最中、同じ境遇で炎の大陸を彷徨っていた、
凍浬と出会い、その後、行動を共にするようになる。
そして、炮炎が暮らしていた村に流れ着き、
凍浬と共にその村で暮らしていく事になる。
更に炮炎とは恋人関係となり幸せな日々を過ごしていた。
しかし、その幸せな日々も長くは続かず、
統一戦争後の露衣土の政策に対し、
炮炎が反乱軍を立ち上げる事になり、
麗羅も凍浬と共にその反乱軍に加わる事となる。
その後、とある事件により炮炎を失う事になるが、
その直後から反乱軍に加わる事になった、炮炎の弟で
炮炎と面影の似ている燿炎に想いを寄せるようになる。
しかし、燿炎はそれに気付いても、
知らぬ振りをし続けているのである。
反乱軍のリーダーとして炮炎の遺志を継ぐ事は
納得出来ても、麗羅の恋人として炮炎の代わりを
務める気にはなれなかったからである。
麗羅はそんな燿炎を根性無しと思ったりもしていたが、
炮炎の面影が強い燿炎に想いを寄せずにはいられなかった。
因みに麗羅は風の精霊の守護を受けており、
攻撃魔法はさほど得意ではないのだが、
サポート魔法に関しては精霊の星の中で、
他に対抗出来る者はいないと言っていい程であった。
更に、外見は非常に美しいのだが性格が非常に我が儘で、
怒ると手がつけられないようなところもあり、
一部の間では『嵐の妖精』と畏れられてもいた。
だから、本人を目の前にして、そう呼べる程、
勇気のある者はいなかった。




