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風を掬う者(先行版)  作者: 愚者x2
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序章/闇の中で

ドクッ、ドクッ。

ドクッ、ドクッ。

真っ暗闇の中で、この音だけが響き渡っている。

一体、何の音だろうか。

周りを見渡しても、真っ暗で何も見えない。

ふと、恐怖という虫が、全身のありとあらゆる所から、

沸いて来るような感覚に襲われた。

その途端、

ドクッドクッドクッドクッ。

音のテンポが速くなった。

そっか。

その音が、自らの心臓の鼓動である事を理解する。

ふぅ~。

恐怖という虫が、一旦、巣へと帰って行く。

ドクッ、ドクッ。

心臓の鼓動もテンポを緩めた。

落ち着いたところで、

お~い!

と言ったつもりなのだが、

聞こえてくるのは、自らの心臓の鼓動だけである。

誰か~!

またしても、自分の声は聞こえず。

声が出せなくなっているのだろうか。

ん?

声だけでは無かった。

自分が、どういう体勢でいるのか、

それすらも、判らなかった。

何だ!?

ドクッドクッドクッドクッ。

再び、心臓の鼓動のテンポが速くなった。

そして、今度は恐怖という虫に、

体を乗っ取られたような感覚に襲われた。

うぎゃ~!

叫んだつもりが、

ドクドクドクドクドクドク。

一段とテンポを速めた、心臓の鼓動だけが、

暗闇に響き渡る。

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