子供部屋おじさん、第六階層へ
ダンジョンへ入り、マップを見ながら階層を進んでいく。
ふと、携帯を見ると同時接続数が“89”人となっており、鈴木は驚きの声を上げた。
「おや。こんなにたくさん……」
いよいよ100人も見えてくる数字だ。
『おつ!』
『棍棒と魔法の両刀使いと聞いて』
『スレから来ました』
「スレから……そんなところに名前が書かれているんですか」
『書かれていたね』
『最近ハンパな副業探索者ばっかだから、ガッツリやる新人は珍しい』
『おじさん頼んだよ』
『専業でもくだらないエンタメとかに走るからなぁ』
「そうですか。まあ、ゆっくりしていってください。今日は第六階層へいきます」
しゃべっている間に第五階層の、第六階層へ繋がる階段に辿り着く。
段差を降りていく間も、コメントが流れた。
『第六階層は遠距離攻撃もやってくるね』
『コボルトだっけ』
『今までの敵と比べ物にならないくらい連携とってくる』
『剣の使い方も上手いしね。体術みたいなこともしてくるし』
『なんというか、ゲームでいうCPUのレベルが上がった感じがしてくる階層』
第六階層へとたどり着き、通路へと出る。
辺りに敵はまだいない。
気配へ注意を配りながら、進んでいく。
そして――十字路の左側に、直感スキルが接敵を察知する。
正確な場所や距離まではわからないが、“いる”とわかるだけでも十分だ。
炎魔法の魔力を込めつつ、慎重に進み、左へ振り向く。
そして10メートル先に――全長130センチほどのコボルトが3体いた。
2体は剣を持っていて、もう1体が弓である。
(先に遠距離攻撃を封じたい)
鈴木はそう考えて、炎魔法をすぐさま解き放つ。
コボルト達も戦闘態勢へ移った。
2つの炎の玉は、弓を持ったコボルトを見事にとらえる。
焼き尽くされたコボルト、弓を置いて悶えた。
「「バウバウっ!!!」」
ノーダメージの剣を持ったコボルトが、2足で駆け出す。
右、左と囲まれ、左から1体飛び出した。
スキル“剛力”を起動し、棍棒を横に振るう。
コボルトは瞬時にしゃがみ、剣を下から上へ振るった。
「おっと……だが、少し大振りだね」
後ろへ下がって回避しつつ、棍棒を再び横へ振る。
コボルトの左側面を捉え、豪快に壁までふっ飛ばした。
「バウバッ!!!」
右側からすぐさまコボルトが飛びついてくる。
振り下ろされる剣を棍棒で、ギリギリのタイミングでガード。
しかしコボルトはすぐさま、右足でこちらの脚を蹴り上げる。
どすんっ!!! と細身の体からは想像できない、重いキックが当たった。
しかし鈴木はステータスの高い防御と、気持ちで持ちこたえ――棍棒を振り下ろす。
コボルトの右足の付け根に命中し、悲痛な鳴き声が上がった。
「終わりだ」
怯んだところへもう一度棍棒を振るい、頭を叩く。
コボルトは絶命し、床へ伸びた。
残りの2体も動く気配はなく、3体は魔石となった。




