第167話:結晶化
「ノア、あの黒い石が全部必要だ」
工房の敷居を跨いだばかりの青ざめたノアが、その場で立ち尽くした。
極度の困惑から純粋な苛立ちまで、あらゆる感情が彼の顔に浮かび上がる。
「からかってんのか?」
彼は眉をひそめ、不機嫌に唸った。
「五百個以上あるんだぞ。お前自身が使い道のないガラクタだと言ったから、わざわざ遠くのプラットフォームまであの産業廃棄物を運び出したんだ。それを今度は、また全部ここまで運び直せって言うのか?」
「その通りだ」
天井付近を飛び回っていたエリリアが歓喜の甲高い声を上げ、ノアの顔面めがけて急降下してきた。
「やったあ! 新技術の誕生ね! 行くわよ、青白顔さん! 私がお尻を叩いて、道を照らしてあげる!」
ノアはただ、重いため息をつくばかりだった。
壁際に積まれていた空の木箱をいくつか引っ掴むと、彼は身を翻して扉の外へと出て行った。
エリリアも弾丸のような勢いで彼の後を追う。
彼らが不在の間、私は一秒たりとも無駄にしなかった。
私の指は分厚い羊皮紙の上を飛び回った。
目の前には『リュモン』からのデータストリーム、アルゴリズム、そして数字の滝が絶え間なく明滅し続けている。
私は二つのものを同時に設計しなければならなかった。
一つ目は、砕いた鉱石を桁外れの圧力で粉砕し、圧縮できる強力な油圧プレス。
二つ目は、弾倉に銃弾を装填するように、交換式の黒いコアを次々と挿入できる、完全に再設計されたコンバーターの溶解室だ。
時間感覚が麻痺していた。三十分だったか、一時間が過ぎた頃だろうか。
重く鈍い物音が、工房の静寂を破った。
扉が開き、ノアが炭のように黒い石が限界まで詰まった木箱を二つ引きずり込んできた。
彼の背後に浮かぶエリリアも、魔法の力で三つ目のコンテナを空中に保持している。
「これで第一陣だ」
ノアは荒い息を吐きながら、額の汗を拭った。
「俺の部下たちが、残りを今入り口まで運んできてる。これはどこに置けばいい?」
「ここだ。作業台の横へ」
「気を抜くなよ、ノア。お前にはもっと難しい仕事が待っている」
私は分厚い鋼鉄の金床を指差した。
「お前の腕力と、完璧な精度が必要だ。この石が見えるか? こいつらを正確に真ん中でカチ割ってほしい。できるか?」
「当然だ」
ノアは箱からまた一つ重い黒い岩を取り出し、鋼鉄の板の上に固定すると、電光石火の短い手刀を振り下ろした。
バァンッ!
寸分の狂いもなく、石は真っ二つに割れた。
私は割れた破片を掴み取り、新しい断面を瞬時に確認していく。
内部に鏡のように滑らかな光沢のテクスチャが見つかれば、自分の右側に置く。
ただの濁ったハズレ石だった場合は、足元の左側に放り投げた。
そしてここで、エリリアの出番だ。
彼女は私の作業台の上を飛び回りながら、極限まで集中していた。
小さな手のひらからは、鋭い音を立てて風の魔法の奔流が放たれる。
精霊はピンポイントの微小な爆風を利用して、選別された鏡面コアから炭塵、細かい破片、ゴミを一つ残らず吹き飛ばしていった。
彼女が通った後には、完璧に不純物のない原料だけが残される。
そして彼女は、浄化された石の欠片を即席のプレスの受け口へと慎重に積み重ねていった。
すぐに、私たち三人は全身が真っ黒な煤と石の粉にまみれた。
服は汗でぐっしょりと濡れ、工房内の空気は濃密で、重く、焼け付くように熱くなっていた。
ついに、工房が浄化された鏡面コンセントレートで限界まで埋め尽くされたとき。
私は全身の体重をかけ、粗削りな油圧機構の重いレバーにのしかかった。
金属が軋み声を上げる。
ピストンがゆっくりと下降し、途方もない力で黒い塊を押しつぶしていく。
ガコンッ。
ピストンが元の位置に戻ると、型の底には、完成したばかりの栄えある第一号の再利用可能な熱コアが横たわっていた。
あとは、このプロセスをもう四回繰り返すだけだ。
この三人が工房で格闘している間も、ドルンハイムの岩尾根での作業は一秒たりとも止まっていなかった。
ツルハシが鳴り響き、砂利が砕ける音がする。マレクは絶え間なく目印の杭を確認していた。
少し離れた場所に立つクララは、現場全体を注意深く見渡し、掘り返した土を最も効率的に捨てられるよう作業員たちに指示を飛ばしている。
息継ぎと凝り固まった肩をほぐすため、少しの間炉から離れて焚き火のそばに来ていたダーウィンが、ふと動きを止めた。
未完成のバラックの角から、汚れた重いエプロンを身につけた見慣れたシルエットがゆっくりと姿を現したのだ。
「おやまあ、やっと新鮮な空気を吸いに出てきたやつがいるぞ!」
ダーウィンは額の汗を拭いながら、気のいい低音で言った。
「偉大なるアルバート先生ご自身が、小瓶と包帯を手放したってのか?」
アルバートは疲れ切った笑みを浮かべ、焚き火に近づくと、小さなため息とともに空いている丸太に腰を下ろした。
その顔はやつれ果て、目の下には暗い隈が落ち、長時間の緊張のせいか指先が微かに震えていた。
「全くだよ、ダーウィン。自分でも信じられないくらいさ」
医師はこめかみを揉み、冷え切った両手を炎にかざしながら呟いた。
「何週間ぶりだろうな。ようやく一時間だけ自由な時間が作れた」
彼らの声を聞きつけ、土にまみれた手をズボンで拭いながらマレクが歩み寄ってきた。
「どうしたんだい、先生? うちの作業員たちにすっかりこき使われちまったか?」
「君には想像もつかないだろうね、マレク」
アルバートは首を横に振り、ため息をついた。
「坑道では、連中がひっきりなしに脱臼や深い打撲を負ってくる。製材所じゃ、飛んできた木片やノコギリで恐ろしい切り傷だ。落ちてきた石で潰された指の話なんて、する気にもならない」
「だが今は……」
彼はキャンプを見渡した。
「ようやく落ち着いた。全員縫い合わせ、添え木を当て、軟膏を塗り終えたところだ」
アルバートは近くに転がっていたバールに手を伸ばし、作業を手伝おうとしたが、マレクがすかさずその腕を掴んだ。
「道具を置け!」
建築家は厳しく吠えた。
「機材を握ろうなんて考えるな。この数週間、あんたは俺たちの誰よりも骨身を削ってきたんだ」
「今のあんたの唯一の仕事は、大人しく座って、火に当たりながらそのお茶をすすることだ。あんた抜きでもここはちゃんと回る。休んでてくれ」
クララが焚き火に近づき、温かい微笑みを浮かべながら、湯気の立つハーブティーのマグカップを医師に差し出した。
「マレクの言う通りよ、アルバート。今このキャンプに一番必要なのは、休息を取ったお医者様だわ。私たちと一緒に座っていて」
アルバートはカップを受け取り、感謝とともに深く一口すすると、ゆっくりと目を閉じた。
少し体が温まり、香りの良いハーブティーを飲み干すと、アルバートは丸太から立ち上がった。
自分の診療所へ直行する代わりに、医師は一瞬だけ足を止めた。
彼の視線が、窓枠の隙間から深い真紅の光を漏らしている、工房の暗いシルエットへと滑っていく。
(あの頑固者は、もう丸一週間も外に顔を出していない)
医療用エプロンを整えながら、医師は心配そうに心の中で思った。
(せめて脈拍だけでも確認しておかないと)
静かで規則正しい足取りで、アルバートは工房の重い木扉に近づいた。
彼は慎重に少しだけ扉を開け、敷居の上で息を潜めて立ち止まった。
石の粉と煤の重く焼け付くような帳が、工房の空気を息苦しく染め上げている。
アイアンの顔は青ざめ、やつれ果てていた。だが彼の目には狂気じみた鮮烈な炎が宿っており、短く鋭い指示を次々と怒鳴り散らしている。
彼のすぐ隣では、ノアが肘まで炭の汚れにまみれながら休むことなく働き続けていた。
バァンッ! バァンッ!
そして彼らの頭上を、エリリアが絶えず飛び回っている。
彼女は荒い息を吐き、その小さな顔は煤で汚れきっていたが、ミニチュアのような手のひらからは絶え間なく、シューシューと音を立てながら圧縮された空気の奔流が放たれ続けていた。
彼女の突風は寸分の狂いもなく、アイアンが選別した部品から舞い散る埃やゴミを一つ残らず吹き飛ばし、プレスのための材料を瞬時に準備していく。
三人は皆、重い息遣いを漏らしていた。服は汗で完全にずぶ濡れになっていたが、彼らの動きは完璧で、途切れることのない一つのリズムを刻んでいた。
アルバートは敷居を跨ぐことなく、ゆっくりと手を下ろした。
音を立てないよう細心の注意を払いながら、彼は取っ手を自分の方へ引き、外から扉をしっかりと閉めた。
ポケットの奥深くに両手を突っ込み、彼は身を翻してゆっくりと歩き去っていく。
首を横に振りながら、医師は小さな声で独り言を呟いた。
「やれやれ……。どうやら、彼らの邪魔はしない方がよさそうだな」




