第164話:秩序ある混沌
丸一週間が瞬く間に過ぎ去った。
ドルンハイムは絶え間ない轟音に包まれていた。
地下ではツルハシが岩を削り、地上では鋸の音が響き渡る。
アイアンの工房の中では、まるで時間が一つの果てしない、境界のぼやけたシフトに溶け込んでしまったかのようだった。
マレクが工房の重い扉を押し開けたとき、彼は敷居で立ちすくんだ。
どこに足を踏み出せばいいのか、全く分からなかったからだ。
床一面が、引きちぎられた羊皮紙や図面用のトレーシングペーパー、そして分厚い炭塵の層で覆われていた。
作業台の上には、ギザギザとした『オーシャン』と『レインボー』の鉱石の破片の山がそびえ立っている。
その隙間には、ハーブティーの乾いた跡が残る半ダースほどの空のカップが、寂しげに佇んでいた。
「やれやれ、神様、ご慈悲を……」
マレクは、特に巨大な図面をまたぎながら、何も踏みつけないよう細心の注意を払った。
「誓ってもいいが、ここは完全な地雷原だな」
アイアンは、鉛筆で未来のタワーの配電ノードを描き込んでいる紙から、頭を上げようともしなかった。
「これは組織化された混沌だ。俺はこの方が気に入っている」
「まあ、お前がそう言うならな」
マレクは引き下がった。
「なあ、頼みがあるんだ。三十分だけでいいから手を止めてくれ」
「俺の奴らが第一段階を終えたんだ。家を三軒建てた。頑丈な骨組みで、すべてお前の図面通りだ」
「仕事の出来栄えを見に来てくれないか? お前が直接見てくれれば、みんな大喜びする」
「無理だ」
アイアンはきっぱりと拒絶し、再び設計図に意識を集中させた。
「ちょうど発信器の電源ノードを計算しているところだ」
「コアの断面積をほんの一ミリでも見誤れば、最初の起動時に全員が致命的な超音波のバックラッシュに巻き込まれる」
「時間がない。俺抜きで行ってくれ」
マレクはため息をついたが、それ以上は食い下がリ(さがら)なかった。
「分かったよ、お前の仕事だ。邪魔はしない」
建築家は身を翻して外へと滑り出し、静かに後ろの扉を閉めた。
ボスが忙しいのなら、代わりに別の「検査委員会」を集めればいい。彼はそう決めた。
十分後、彼は広場を元気よく歩き回り、手の空いている者を片っ端から連れ出していた。
仕事の評価役として集められたのは、ダーウィン、クララ、人混みから引っ張り出された疲れ切ったノア。そして近くを飛び回っていたエリリアだった。
即席の「検査委員会」は、三軒の真新しいログハウスの前に立ち止まった。
ダーウィンは角の建物に近づき、重い拳を太い支柱に力任せに叩きつけると、満足そうに鼻を鳴らした。
頑丈だ。
クララは建物の周囲を回り、軒下を覗き込むと、同じように同意の頷きを返した。
「見事な仕事ね、マレク。継ぎ目もしっかり詰まっているわ、隙間風の心配はなさそう」
マレクは誇らしげに顔をほころばせ、それからノアに視線を向けた。
「お前はどう思う、隊長? アイアンは合格をくれると思うか?」
ノアは少し離れた場所で、丸太の柵に肩を預けて立っていた。
その姿は、控えめに言っても最悪だった。
坑道での昼夜を問わぬ監視が、彼の体力を完全に絞り尽くしていた。
目の下には死人のような灰色の隈が刻まれ、その眼差しは極度の疲労から硝子のように濁り、重苦しかった。
「悪くない……」
ノアは家に視線を向けることさえせず、気のなさそうに呟いた。
「壁があって、屋根がある。あとはただの細部だ」
クララの肩のすぐ後ろに浮いていたエリリアは、彼の不機嫌で眠たげな表情を見逃さなかった。
彼女の瞳に、悪戯っぽい光が灯る。
彼女は物音一つ立てずに、柵のそばに残されたわずかな未開拓の草地へと急降下した。
建築作業員たちの重いブーツに踏みにじられず、奇跡的に生き残っていた、驚くほど綿毛の詰まった巨大な白いタンポポを摘み取る。
そして再び空へと舞い上がった。
一秒後、彼女はノアの鼻の真ん前に陣取り、花の茎を彼の唇に厳かに突きつけていた。
「アイアンなら、これを『マイク』って呼ぶわね」
精霊は忍び笑いを必死に堪えながら、陰謀めいた声で囁いた。
「ノア卿、本日の検査についてコメントをいただけますか?」
ノアは数秒間、無言で彼女を見つめた。
「断る」
「じゃあ、短い声明だけでも?」
「断る」
「ドルンハイムの住民に向けて、一言だけでも?」
ノアは鼻から重いため息をつき出した。
「エリリア、今すぐやめないと……」
彼が口を開いたその瞬間。
エリリアは電光石火の正確さで、タンポポのふわふわした頭を丸ごと彼の口の中に押し込んだ。
「ウグッ!? ゲホッ! ゴホッ、ゴホッ!」
彼が必死にそれを吐き出そうとする間に、綿毛が顔や髪、眉毛にまでこびりついた。
エリリアは半秒ほど硬直した。
そして、一気に決壊した。
「ぷっ……ハハハハハハ!」
精霊は空中で腹を抱えて身をよじり、抑えきれない爆笑で全身を震わせた。
「なんて情熱的! なんてエモーショナル! 素晴らしい声明です、ノア卿!」
「てめえ、完全にイカれたか!?」
ノアは顔から綿毛を猛然と払い落としながら咆哮した。
エリリアは悲鳴を上げ、急反転すると、中央広場に向かって弾丸のように逃げ出した。
「このクソガキが!」
ノアはすぐさま彼女の後を追って走り出した。
背後では、マレク、ダーウィン、クララが、無言でその追走劇を眺めていた。
数秒の沈黙が流れる。
やがて、ダーウィンがその沈黙を破った。
「おい……あいつら二人、いくつだったっけ?」
クララは疲れた様子で目頭を押さえた。
「肉体的に? それとも精神的に?」
マレクはただ、重いため息をつくばかりだった。
黄昏は瞬く間に深い夜へと道を譲り、ドルンハイムの頭上に紺青の帳を広げた。
集落の中央では、巨大な焚き火が陽気に爆ぜていた。
押し寄せる森の冷気を払い、新しいログハウスの丸太壁に長いオレンジ色の影を投げかけている。
キャンプのリーダーたちのほとんどが、過酷な一日の終わりにようやく穏やかな夕食を楽しむため、火の周りに集まっていた。
エリリアは膝を抱えて炎の上に物憂げに浮かび、工房の暗いシルエットの方を見つめていた。
「もう三回も呼んだのよ」
彼女は小さな声で呟いた。
「マレクも行ったし、ダーウィンも行ったわ……。でも、ドアの鍵さえ開けようとしないの。もう一週間も出てきてない」
「このまま衰弱して昏睡状態になるか、ストレスで完全に燃え尽きちゃうんじゃないかって、私、心配で」
ようやく顔と衣服から最後のタンポポの綿毛をむしり取ることに成功したノアが、長い棒で炭をかき回していた。
「大げさに騒ぐな」
彼は干し肉の破片を口に放り込みながら鼻を鳴らした。
「あいつとは今日明日付き合い始めたわけじゃないだろ? あの忌々しいタワーの図面を完成させるまで、あいつが止まるはずがない」
「まともに機能する防衛網を吐き出しさえすれば、頭も冷えて元に戻るさ。放っておけ」
すぐ隣の丸太にはクララが腰掛け、土鍋から湯気の立つ濃厚なジビエのスープを陶器のボウルへと注ぎ分けていた。
その豊かで食欲をそそる香りに、疲れ切った面々の口の中には一瞬で唾液が広がった。
クララの顎は、文字通り外れんばかりに落ちた。
先ほどまでの不安を綺麗さっぱり忘れたエリリアが、最も大きなボウルの一つへ真っ逆さまに急降下し、人間の一人前を凄まじい食欲で平らげ始めたからだ。
クララはおたまを空中に止めたまま、熱いスープの三杯目のスプーンが小さな精霊の中に消えていくのを、信じられない思いで見つめていた。
女性は何度も目を擦り、ついに耐えかねて尋ねた。
「エリリア……馬鹿な質問だったらごめんなさい。でも、あなたはどうして人間の食べ物を食べるの?」
「精霊って、その……月光とか、夜露とか、あるいは何も食べなくてもいい存在なんじゃないの?」
精霊は顔の数インチ手前でスプーンを止め、至福の表情で目を細めると、陶器のボウルの縁に腰掛けたまま傲慢に鼻を高くした。
「実は、とっても単純なことなのよ。物質的な食べ物はすべて、エネルギーなの」
彼女は経験豊富な学者のように、スプーンでボウルの端をコツコツと叩いた。
「私の体は、全く違う波長で動いているの。あなたたち人間みたいに、この破片を消化しているわけじゃないわ」
「私の核が、食べ物から純粋なエネルギーの根源を瞬時に抽出して、そのままマナへと直接変換しているのよ」
「私にとって、焚き火のそばでの温かい夕食は、昼間に地上で巨大な岩をいくつも動かした後に、魔法の備蓄を補充する最も手っ取り早くて効率的な方法なの」
「だから……そこのお肉の塊、もらってもいいかしら?」
(巨大な岩を動かした、ねえ。よく言うぜ)
ノアは心の中で冷笑した。
クララは苦笑しながらも、温かい微笑みを浮かべて、彼女のボウルにおかわりを足してあげた。




