第四話 奏 lectured at 蛍 and 美羽
前回、やっちまったぜ
英語使うと間違ってないか不安になります。
それはともかくこれで50回目の投稿。よくもまあこんなに続いたものだと一人感動。
そしてその15分後。
美羽の家で、僕と美羽は正座していた。
美羽は僕たちが戻った時にはパジャマを着ていた。
対面には奏。
呆れたような、困ったような表情で僕たちを見ている。
事情は全て話した。誤解は全て晴らすことができた。
「なるほどね。二人の話はわかりました。
真実だと信じましょう」
なぜか口調が他人行儀だ。
僕たちは気まずそうに奏の言葉を待つ。
奏はまず美羽に向かいあい、諭すように言う。
「美羽。いくら蛍と親しいからって、さすがに下着姿はまずいよ。
こんなに羊ぶってても、一皮剥けば狼なんてよくあるんだからね?
下手したら襲われるかもしれないんだから、刺激の強い格好はしないの。いいね?」
「・・・・・・はい」
美羽が申し訳なさそうに答える。さすがにまずいと分かったのだろう。
奏が言う、羊ぶってる。僕のことですね。はい。
まったくその通りだと思います。僕を表すのに適切な言葉です。
「蛍。もう一度確認するけど、美羽に注意はしたのね?」
「ええと、かなり曖昧に、伝えました」
それを聞いて頭を抱えだす奏。駄目だこりゃ、と聞こえたのはきっと幻聴じゃない。
「はあ、蛍の性格上仕方ないと思うけど、時にはハッキリ言うことも必要だからね。
特に今回みたいな時には。
駄目なことは駄目って言うの。いい? それは決して相手を否定することじゃない。自分にとっても、相手にとっても、最良の結果になるために助言するの。
優しい言葉とか、相手を認める言葉しか使わないなら、いずれ蛍が潰れるんだから」
「はい。まったくその通りでございます」
異論無し。全くもってその通り。五臓六腑に刻みつけて、これから気をつけます。
奏は溜息をつきながら、鞄から袋に包まれたある物を取り出す。
「はい、この話これまで!
美羽、これお見舞いのフルーツバスケット! 受け取って」
奏が両手で美羽にフルーツバスケットを差しだす。
籠の中にはメロン、梨、りんご、オレンジ、キウイ、マンゴー、パイナップルが詰め込まれている。
日常生活ではなかなかお目にかけない代物だ。
「え? これ貰っちゃっていいの?
すごく高いんじゃ」
「いやいや、そんなことないよ。
美羽には日頃からお世話になってるし、この前なんてあんなに綺麗なブローチ貰ったし。
これくらいしなきゃ逆に申し訳ないよ!」
ほれほれ、と美羽にフルーツバスケットを差しだす奏。
躊躇しながらも美羽はそれを受け取った。
「ありがとう。けど一人じゃ食べきれないから、蛍とカナも一緒に食べよう。
ちょうど蛍がお粥作ってくれてるから」
あ、お粥。すっかり忘れてた。
僕は鍋に駆け寄って確認する。当然冷めているが、暑いしむしろこれでいいのかもしれない。
「え? 蛍って料理も出来るの?」
奏が鍋の中身をのぞき見て呟く。
「クックパッドで確認したくらいだよ。
奏も食べる?」
「え? いいの!?」
「うん。二人分はあると思う。
奏にとっては物足りない量だと思うけど」
二つの皿にお粥をすくって、二人の待つ机まで持って行く。
「どうぞ」
「おお、赤いね」
「トマトとか梅干しとか入れてみたんだ。
夏にぴったりだと思って」
「確かに、夏バテにぴったりだね」
二人は手を合わせる。
「「いただきます!!!」」
そしてお粥に手をつける。
一口すくって、口に入れる。
数回咀嚼して、最初に感想を言ったのは奏だった。
「おお、さらさらしてる。
お粥っていうよりお茶漬けに近いね。水みたいにごくごく飲めちゃうよ」
「うん。食べやすくて美味しい」
「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ」
その後も二人はお粥を食べ続ける。奏に至っては調味料は何を使っているのか考えている。
お粥の調理は成功したかな。
目線をフルーツバスケットに。確か美羽は皆で食べようと言っていた。
二人が食べている間にデザートでも用意しよう。
一応、二人に提案する。
「お粥食べた後、メロン食べたい人は手を上げて」
「「はい!」」
二人が行きぴったりに手を上げる。
そんな様子を微笑ましく見ながら、僕はメロンを持って台所へ向かう。
「身体に気をつけてね美羽。じゃあね~」
奏は僕たちに手を振って、玄関から外へ出て行く。
僕たちも手を振り返す。やがて姿が見えなくなった。さて、僕も帰る準備をしよう。
「今日はありがとうね、蛍」
「いやいや、ご飯を作るくらいならいくらでもできるよ。
また明日も来るから、じゃあね」
奏に続いて、僕も美羽の家を立ち去る。
美羽は最後まで手を振ってくれた。
蒸し暑い道を歩き、黒く干からびて死んでいるミミズを見ながら、帰った後の段取りを考える。
まずお風呂に入る。その後ご飯を食べてテスト勉強をしなくては。
復習は時間をおいて何度もすることが効果的だ。記憶の定着がいいとか。
そんなことを考えていると、突如スマホが震えた。
スマホを見る。真っ黒な画面。しかし文字だけが浮かんでいる。
なんだ? バグったか?
しかし文字を見て納得した。アラディアさんだ。
遠隔から僕のスマホをハッキングしたのだろう。なんて恐ろしいことをするんだ。
そして肝心の内容。そこにはこう書かれていた。
『明日の放課後、桃花に来い』
・・・・・・え?
次回、呼び出された蛍は一人桃花へ




