↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自灯籠  作者: 葦原爽楽
自灯籠 子供の理想郷
121/211

第二十二話 宝石躍らせる少年

前回、自分たちが出した答え



「レベル50到達おめでとう」


上も下も星空。黒い空間に光る星々が浮かぶ。

宇宙空間にポツリと浮かぶ石畳の島。

蛍と美羽はそこに降り立つ。二人とも先ほどまでのダメージや疲労の一切が消えていた。きっとジェムの配慮(はいりょ)だろう。

肩を合わせ、向かいに立つ少年に視線を向ける。

ジェムは嬉しそうに、年相応の笑顔を浮かべながら二人を迎えた。


「君たちは試練を超え、見事僕と戦う権利を得たわけだ。

ゲームは楽しんで貰えたかな?」

「正直疲れたよ。リアル過ぎるのも考えものだね」

「ははっ、そりゃそうだ。初心者に長時間プレイはおすすめできないからね。

けどはまれば面白いんだよ、お兄さん?」


言って、ジェムの周りに風が吹く。

風はとぐろを巻くように彼を包んで、やがて内側から爆ぜる。

再び目にする彼の姿は、それまでの少年の姿ではなかった。


まず身長が伸びている。150後半ほどの身長が、二人よりも大きい170以上の身長に。

西洋風の甲冑(かっちゅう)に身を包み、その上から色鮮やかなコートを羽織る。その装備に鈍重なイメージはなく、むしろ浮けばそのまま飛んでいきそうな、身軽さを重点に置いたものだと直感で分かる。

兜を着けているのに、その声ははっきりと聞こえた。


「ルールを説明するよ。

君たちは僕を殺せば勝ち。僕は君たちを殺せば勝ち。

ここで言う勝利とは相手のHPを0にすること。

そのために全ての行為を許容しよう。イカサマもなんでもありってことさ」

「アイテムの使用は?」

「なしだよ。下手に使うと長期化する。ぐだぐだになるのを防ぐためだ。

もちろん僕も使用しない。レベルも条件も、できるだけ公平にしてるから安心していいよ」


そう言って、ジェムはゆっくりと腕を広げる。

質問はこれで終わり?と、彼の発する圧力が言外に告げている。

同じく、二人は戦意で返答する。

一瞬で命を刈り取る構えを取り、並列思考を使って数多の可能性を予測し、直感で最善手を選び取る。

それを見てジェムは楽しそうに、


「じゃあ、P(プレイヤー)V(バーサス)P(プレイヤー)スタートだ」


戦闘開始の合図。二人は大地を踏みしめ、一直線にジェムの元へ駆ける。


が、気づいたら背後にジェムがいた。


「「!!?」」


薙ぎ払う回し蹴り。それを防ぐも、不完全な姿勢から攻撃を受けたため二人とも吹き飛ばされる。

二人は床に剣と爪を突き刺し勢いを殺す。何が起きたか把握しようとするが、その前に蛍の懐にジェムが潜り込んでいた。

放たれた52の打撃に対して、防御できたのは45。


打撃の痛みに耐えながら、蛍は違和感に気付く。

反撃ができない。攻撃の密度が濃いのではなく、なにか別種の力が働いているように、行動することそれ自体ができない。


下からの蹴りをもろに喰らって、蛍は床を転がる。

減少するHP。今の攻防で三割は持って行かれた。


その間にジェムの背後を狙う美羽。一方を狙えば、もう一人に隙を晒すのは当然のこと。

しかしジェムの姿が消える。彼が背後に立っていることに気づいた時には、既に背中から殴打の衝撃が襲いかかってきた。


「ぐっ!」


痛みを無視して腕を後ろに払う。島の枠をはみ出て、宇宙空間の彼方まで破壊が及ぶが、ジェムを捕らえることはできない。

目を凝らし、並列思考を数十動員しても、ジェムに反応することができない。


(速、くはない。速さとは別のものだ。かといって瞬間移動でもない。

エンケパロスと似ているようで違う。何だあれは)


蛍は自分の体験、ジェムの動き、顕現、その他諸要素からその正体を探っていく。

そして、ある可能性に行き着いた。


「もしかして、ターン制でも導入してるのかな?」

「え、今のだけで分かっちゃう?

ばれちゃしょうがないな、その通りだよ。

RPGとかカードゲームとか、どっちが先攻後攻ってあるでしょ。それを僕の顕現で再現してるだけだよ」


隠しもせずに、ジェムは自分の手札を晒す。


「時間を超越した後は馬鹿みたいに速度を上げていけばいいって思ってる?

そんなわけないでしょ。スピードが戦闘において重要なファクターだってのは誰にだってわかるはずだ。だから色々工夫するんだよ。僕みたいにターン制の法則を組み込んでずっと自分のターンにしたりさ」


つまりはこういうこと。

ジェムの治めるこの世界にターン制の概念を組み込むことで、ジェムは二人に反撃どころか行動そのものを許さない。ずっと彼の行動順番というわけだ。

次元を上昇して避けようとしても無駄だ。顕現を発動した彼は、自らの世界そのものでありまた顕現そのもの。無数に上昇したところで彼の手から逃れることは不可能。


(というか、そもそも反応することもできないはずなんだけどね。

それができるってことは何かしてるんだろう?)


まさかこの程度で終わるわけがないだろう。だからこそ手の内を晒したんだ。

先ほどまでのゲームで二人の力量はある程度分かった。この程度で詰みの筈がない。


一足で蛍の眼前に立つジェム。これを凌げないなら終わりだと、握る拳に世界を打ち砕く力を込めて。

風を切り裂いて迫る鉄拳。体力は0にはならずとも、食らえば大ダメージは確定。

自分のターンを永続的に行使できるジェムにとって、蛍や美羽は止まっているも同然。

だから、本来なら受けることも回避することもできない必中の攻撃。


だが、


「!」


蛍が動く。胴体に叩き込まれる筈の拳が、翼を展開した長刀に防がれる。

ジャストガード成功。そのまま勢いを利用して、下から振り上げるカウンターが放たれた。

ジェムは無敵付きの回避スキルでそれを避ける。周囲に煌びやかな宝石が出現すると同時に、後ろに距離を取ったジェムが現われる。

結果は空振り。だがそれは些細(ささい)なことだ。

注目すべきは、蛍がジェムのターン内に動けたこと。あまつさえ攻撃すら可能にしたこと。


「ははっ、やっぱりか。やっぱり対応してきたか!

そうでないと面白くないからね!」


詳しい原理は分からない。だがなんとか対応してきたのは事実。

そもそも案山子(かかし)を殴る気はなかった。それで得られる勝利など無味乾燥(むみかんそう)なもの。何の面白みもない。


対する蛍。何をしたかというと、自らの長刀を自分に刺し再創造を行っていた。

ジェムの行うターン制の原理、あるいはルール。それを読み取り、自らもそのターン制を利用できるように改変。これでスピード、否、行動順位において二人は対等。


なら美羽はどうか?

ジェムはその場を去り、美羽に狙いを定める。

止まっている美羽の背後から奇襲を仕掛ける。一刀のもとに首を切り落とす手刀は、しかし目の前で影となり崩れ去った美羽を逃す。


(今のは、影の移動!?まずっ――)


ジェムの背後の影。そこから出てきた美羽は手を握りしめて、既に一撃を構えている。

渾身の右ストレート。天を貫く破壊の衝撃が、破砕音と共に宇宙に響き渡る。

至近距離で食らったはず。それなのにジェムは無傷。受け止めたであろう右手には、キラキラと光るダイアモンドが、指の間に挟まっていた。


「あっぶないな~。お姉さんひょっとして騙し討ちとか得意なタイプ?」

「ううん。戦術の一つとして使ってるだけ」


心外だとばかりに呟く美羽。

正々堂々の勝負ならともかく、これは殺し合い。油断した方が死ぬ。そもそもイカサマもなんでもありと言ったのはジェムの方だ。


ジェムの攻撃に反応して見せた美羽だが、蛍のように自分もターン制のルールを使った訳ではない。顕現の性質上改変という作業が苦手な美羽に、そんな器用なことはできない。


ならどうしたのか。

平静を装っているが、実際一番驚いているのは美羽自身だった。

何で自分は反応できたのか。今自分の身に起きたことを本人も自覚していない。

最初は顕現を使って法則を壊し、自分の周囲5メートル内に入ってきたジェムにカウンターができないか考えていた。

だけどそれは後手(ごて)に回るもの。先手は取れないと宣言しているようなものだ。

魔術は使っていない。そもそも魔術と顕現では出力が全く違う。顕現が棍棒なら、魔術は木の枝。格上ならともかく、同格同士の戦いで魔術が顕現を上回ることはありえない。

ならあと思いつく可能性は顕現だが、また何か派生したのか?


美羽の周囲、空間が黒ずんでいる。

歪み、綻び、法則性が拡散している。壊れている。

これが何を意味するのか分からないが、少なくともジェムと対等に戦えることは確かだ。


「いいねいいね。そうこなくちゃ」


自分の動きに対応してみせた二人に対して、ジェムのボルテージはさらに上がる。


ジェムの腕の動きを二人は見逃さなかった。

腕にはめた籠手(こて)。その隙間から光る宝石が手に落ちる。

それを左右合わせ十の指の隙間で挟み持った。


先ほどもジェムは金剛石で美羽の攻撃を防いだ。

二人は彼の能力は宝石に関係すると当たりをつける。

そして、それはやってきた。


「まずは、これだ!」


声を張り上げ、彼は後ろに飛ぶ。

投擲(とうてき)だ。彼は指に挟んでいた赤い宝石―ルビーを二人に投げる。

赤い光沢が空気中で炎を纏う。

宝石は巨大な火炎球となり、二人に襲いかかった。


真っ先に対応したのは蛍。美羽の前に立ち、自分の三十倍はありそうな大きさの火球に剣を構える。


「ふっ!」


横に一閃。火球を真っ二つに切り裂く。

存在の根本を破壊し、再び事実を創造した。二つに分かれた火球は速やかに収束し0になる。


空けた視界の先、ジェムは既に二つ目の宝石を投擲していた。

エメラルド。それはジェムの手を離れた瞬間に風に溶け、緑色の暴風となり小型の台風を発生させる。

いかなる家屋も堅牢な城も、大地ごと浮かび上がらせ空中で攪乱(かくらん)する風のミキサー。

もちろん既存の台風など及びもつかない威力であることは一目で明らかだ。

今度動いたのは美羽だった。横から飛び出し、破壊の爪を暴風に突き立てる。


バキッ!!と、大気に罅が走る。

亀裂は緑の暴風だけを対象に捕らえ、粉々に破壊する。

直前まで周囲に吹き荒れていた風が嘘のように止んだ。


だが、後ろに飛んだジェムを追いかけようと美羽が脚に力を入れた時。

何か、空気中に輝いている気がして――


その影響を受けたのは蛍だった。

痛みも感触もない。だから気づかなかった。

口から、ツーっと一筋血が零れる。

口だけではない。耳から、目から、鼻から血が静かにあふれ出る。顔中血塗れだ。


(これ、って)


被害を被った蛍は迅速に理由を究明(きゅうめい)する。

目の前、どころかいつの間にか辺り一面に、光を反射する微細な何かが漂っている。

蛍がその正体を突き止めた時、ジェムは笑顔と共にパチンと指を鳴らした。


ゴバァッ!!!と、瞬間蛍の身体が内側から爆ぜた。

炎。莫大な熱が蛍の身体を焼き尽くし、あっという間に全身を焼却する。

火柱が天にまで上り、暗い宇宙空間に赤色を無理矢理に差し込む。

自分に迫る熱波を破壊し、美羽は叫んだ。


「蛍っ!!」


一片の痕跡も残さずに焼失した蛍。

だが、無の空間から突如長刀が出現し、それを握る手と共に蛍が現われる。

その姿に焼け焦げた後は一切無い。自分を再創造したから、それまでの傷を持ち越すことはない。

だがHPは違うらしい。体力は半分以下、今のでかなり持ってかれた。これ以上の被弾は避けるべきだ。

ある程度の不死性を持つことは把握できたジェムは、嬉しそうに掌を開閉する。


「ははっ。駄目だよ、自分の周りは常になんらかしらの防壁貼ってないと。

こーんな小さな粉末が、体内に入り込むこともあるんだよ?」


手の中には赤い砂。それは粉砕され砂状になった宝石の欠片。

直前の二つの宝石は目眩まし。その隙にルビーの宝石を粉末状にして周囲に散布(さんぷ)。標的の体内に潜り込んで血管や内臓を傷つけ、ジェムの合図で爆発させた。

それは、蛍を痕跡残らず吹き飛ばすには充分な威力がある。


ジェムは蛍の防御不足を指摘したが、蛍が防壁を展開していないわけではない。

常に破壊の膜を纏う美羽という良い例が存在するし、なにより彼の顕現なら自らの周囲に防壁を貼るなど造作も無い。それこそ一瞬で想像すればいいだけだ。


問題はその強度。蛍の防壁では砂塵(さじん)と化した宝石でさえ、侵入を防げないという話。

丹田(たんでん)呼吸法を行い、内臓が鉄を遙かに超える強度になったとはいえ、宝石の粉塵は内臓器官を傷つけた。

今の防御膜では不十分。そのため、蛍は自らの周囲を切り裂いた。

自らを覆う防壁。『自分を害する全てを自動で排除する』それを、再創造し補強するために。


再び鳴るジェムの指。

結果として二度目の体内爆発は免れた。

しかし、周囲で連続して爆発が生じる。

二人を軽々飲み込める爆発が、数十数百。食らっただけで蛍を肉片残らず焼却する莫大な熱。

それを切り裂き、破壊し、避け続ける二人。


ただ逃げるだけではない。それぞれ回避の合間に破壊と斬撃を遠方からジェムに見舞っている。

爆発の衝撃は宇宙空間に浮かぶ島を揺らし、少なくとも二人の聴覚と視覚を潰している。

それなのにジェムへの攻撃は正確。一直線に飛んでくるものもあれば、曲がりくねり軌道の予測を許さないものまで。


だが当たらない。ジェムが左手に持つ宝石、ダイヤモンドが輝けばジェムの前にシールドが展開される。

それが一切の被弾を許さない。ダイヤモンドのイメージの通り、最高級の硬度が堅固な城壁のように攻撃を防ぐ。一種の空間操作だ。ジェムの目の前に展開されるダイアモンドの空間を突破しないかぎり、彼にダメージは負わせられない。


美羽と蛍は互いに目を合わせ、念話で確認し、そして飛び出した。

一直線にジェムの元へ。至近距離であれば自分を巻き込む可能性もある。だから爆発は使えないはず。


それを見て笑うジェム。

彼にとっても二人がそうすることは予想範囲内。

あたかも爆発でそれ以外の逃げ道を無くしたように、二人の通る道が聖書のモーセよろしく海を切り裂くように開かれる。


「かかったね。トルマリン!」


手に持つ黄色い宝石。それが手を離れると同時に帯電し、雷鳴響かせ雷の竜となる。

莫大な熱と光で床を融解させ、数百億ボルトは下らない電撃が二人の前に立ち塞がる。

それだけなら二人が直撃しても問題はない。直前の炎熱しかり暴風しかり、ただの自然現象なら防ぐまでもない。


だが、それが顕現者によって発生したものであるなら話が違う。

質が違う。込められた力が違う。表面上の値と内包された力に齟齬(そご)が生じる。例え本人にとっては児戯(じぎ)のようなものでも、常人から見ればそれは十分に神秘。

それが下層の咎人であるならなおさらに。だからこそ対処の必要性がある。


横も後ろも爆発に囲まれ、直進するしか道はない。

美羽が爪で切り裂く。だが美羽が触れる前に、突如雷竜はとぐろを巻き爆ぜる。

辺り一面に雷電が轟き、二人はそれに触れ感電する。

焼け焦げ、体の奥深くの細胞まで炭となる。

全身を流れる電流に耐えながら、二人はジェムの元へ進もうとする。


しかし今度は相手側から近寄ってきた。

手にはトルマリン。彼が握ると、手の内から閃光があふれ出す。

形成されたのは雷電の剣。雷を何十本も束ねた光が、剣の形を取る。

大気の爆音と共に雷撃の剣が振るわれる。切断というよりは溶解し、雷が通った後は超高温に焼かれる。


しかし今度は食らわない。首筋を狙った雷の剣閃を、美羽がその手で掴み取る。

先ほどは武装していなかった部位で食らったから感電しただけであり、腕や脚で触れれば異界の電撃だろうが問題なく破壊は可能。


美羽が攻撃を防いだ間に、蛍が接敵する。

その長刀を振りかぶり、美羽とジェムの間に割り込む。

敵を一刀のもとに斬り伏せんと光を増す純白の神剣が、サンッ!と、いとも呆気なくジェムを両断した。


分身だとすぐに分かった。手応えがなさ過ぎる。まるで霞を切ったようだ。

それを証明するかのように、両断されたジェムの身体がキラキラと光り、霧のように消えていく。


『ミラージュナイト』。ジェムの有するスキルの一つ。

自分の鏡像を作り出し、それが自立的に動きだす。

体力は少なく、分身を出していられる時間も少ないが、敵を錯覚させるくらいなら十分。


危機を直感で感じ取ったが、ぎりぎり身体が動かなかった。

横から飛び出してきたジェム本体の蹴りをもろに食らい、美羽が横に吹き飛ぶ。


「さっきは熱かったよね。だから冷やしてあげるよっ!」


手にはサファイア。剣を振り下ろしたばかりの蛍に向かってそれを投擲する。

咄嗟(とっさ)に剣から翼を展開して投擲物を防ぐ。が、意味はなかった。

サファイアは空気中で凍り付き、翼にぶつかり長刀ごと凍結する。

まるで侵食するように、氷が剣から腕に、腕から身体全体に這い上がってくる。

冷たい。身体が動かない。ただ単に低温によって身体が動かなくなるのではない。


(僕の、時間が止まってる・・・・・!)


対象の時間ごと冷却するサファイアの宝石。『停止』の状態異常が付属されたことを知らせる通知すら凍てついた。

あっという間に氷の中に閉ざされる蛍。思考も熱も、全ての運動が停止した。

氷漬け一体完了。後は美羽を仕留めるだけ。

そう思ったジェムの周りを、突如黒炎が地を舐めた。


「うお、っと!」


慌てて空中に飛び退くジェム。大気を踏み、そのまま宙に浮かぶ。

炎の発生源は美羽。両手に纏った渇きの炎が島を焼き尽くす業火となる。


飛び退いたジェムを見てから、美羽は氷漬けの蛍に跳び蹴りを食らわせる。

もちろん本気ではない。蛍を覆う氷の表層に亀裂を入れる程度。

氷塊の全体に亀裂が走り、そのまま粉々に砕け散る。

解放された蛍は、申し訳ない顔をして戦線に復帰する。


まだPVPは始まったばかり。二人はジェムの戦法に振り回されながらも、活路を見出すために思考を走らせる。

ジェムの体力は満タン。対して自分たちのHPは減少する一方。

すぐにでも追いついて抜かしてやると、二人は想いを一つにした。



次回、今度は二人のターン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。