第十二話
朝起きたら、裕樹は良い匂いがしてきていることに気づいた。
起き上がるとそばに二人がいないので、朝食でも作っているのだろうと認識する。
あくびをしながら服を制服に着替えてリビングに向かうと、そこにはみなもと裕香が仲良く料理をしていた。
それを優しく眺めている裕樹は、飲み物の準備をしはじめる。
それに気づいて裕香とみなもは振り向いて…。
「おはよう、ユウ兄ちゃん! カグツチ!」
「お、おおおおおおおはようごじゃいましゅ!」
笑顔で笑いかける裕香とどこか緊張した様子のみなもの挨拶。
そこまでどもるほどのことなのだろうか。
『ギャフ』
「ああ、おはよう」
背中にくっついていたカグツチも返事をし、裕樹も返事をする。
そんな感じで朝食の時間となり、リビングの椅子に座り、朝食タイムである。
ちなみにカグツチも食事をしていたりする。
「そういえば、みなもはこれからどうするんだ?」
朝食を終えて裕樹がみなもに問いかける。
「どう、とは?」
こてん、と小首をかしげるみなも。
頭上にはてなマークが浮かんでいること間違いなしだろう。
「え、一緒に住むんでしょ?」
「しょ、しょうれしゅね。 二人のこともありましゅし、一緒に住むことになりましゅ。
で、でも、御迷惑ならい、いいいいいんでしゅよ?」
目をぱちくりさせながら言う裕香とみなもは困ったように眉をはちのじにしてから話す。
「いや、迷惑じゃないし。 というか住むところ困っているのならうちにいればいいし。
裕香の相手もしてくれるとありがたいし。 そうじゃなくて、俺たちは学校に行くんだけど、みなもはどうするのかってことだよ」
裕樹はみなもを見てから気にした様子もないことをつげて、いてもいいと告げる。
そして本心の問いかけをするのである。
「学校、ですか。 わたしもこんな体になるまえまでは行っていたんですけど、ね……。
裕樹さんや裕香ちゃんが学内で狙われないか、心配なので通ってはみたいんです。
さ、さすが裕香ちゃんの学校には入れませんが……。」
腕を組んで思案しながらもみなもは自分の意見を述べる。
やはり、あれくらいで追ってがなくなるとも考えていないというのが大きいのだろう。
「まあ、そうなるよな。 俺が大丈夫だって言っても無駄かな?」
「はい! こればかりは曲げれません! いいですか、いくらわたしの力がそそがれていても危険なことにはかわりないんです!」
頬をぽりぽりとかきながらの問いにみなもは意思をまげない様子で伝える。
そのみなもの様子に苦笑をうかべざるおえない裕樹なのであった。
「それより、体は大丈夫なの? 痛いところとかない?」
「はい、あの時にだいたいの修復は終わってじゃなくて、治ってきているんで。 本来は技術者みたいな人に調整してもらうともっと効率がよくはなるんですけど、まあ、なくても動けて戦えるようにされているのでいまのところはないかと」
裕香の問いにみなもはしゃがんで目線を合わせて微笑みながら答える。
「よかったぁ」
「心配おかけしました。 でも、うれしいです。 こうやって心配してくれる人がいるのはあの人いらいです」
笑顔の祐香にみなもは嬉しそうにしながら言う。
「それって前の?」
「はい、わたしを逃がすために犠牲になりましたけど、あの人は後悔なんてしてないと思うんです。
いや、でも、すこしはしてるかも? わたしも最初は苦しくてつらかったですけど。
あの人のいうとおり、普通にすごしていきたいと思っていままでやってきましたから…。」
懐かしそうに語る様子はとても大切な人だったのだろうことは理解できた。
「どんなひとだったの?」
「お兄さんみたいな人でした。 機械てきで無感情なわたしを根気よく話しかけてくれて、いまでも感情がもどすことができてすごく嬉しく思います。 だって、それで今のわたしがいて裕樹さんと裕香ちゃんに会えましたから!」
裕香の問いかけに笑顔で答えるみなも。
それはとても大切な思い出を語るかのようだった…。




