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Bly  作者: レフェル
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第十一話 騒動の後・・・・

「すみません、無理やりな契約をしてしまって。 あの場を切り抜けるにはああするほかなかったので」


しずしずと頭を下げて床に頭をつけるくらいにしてきっちりと正座をしているみなも。

 そのままの姿で裕樹たちの家におり、謝罪をしている。


「いや、気にするな。 俺もできるんならそれがいいと思っていたからな。 それにみなもが悪いわけじゃないだろ?」


「そうだよ! みなも姉ちゃんは悪くないよ!! だから、顔をあげてほしいな」


と、裕樹と裕香はみなもを見て思っていることを伝える。

 それを見てひょうしぬけしたみなもが顔をあげて目をぱちくりさせていた…。


「あ、あにょ。 怒ってないんでしゅか…? わ、わたし巻き込んでしまって!

 そ、それで、ひいぃ!? 大変なことをしちゃいましたぁ!!」


と、おそるおそるから勝手に一人でパニックをおこしているようだった。


「ま、まあまあ、落ち着け!」


「そ、そうだよ!」


なだめるように声をかけると、なんとか落ち着いた様子でうなずく。


「ところで、この赤い龍はなんだ?」


『グルル…』


「あ、その子はおそらくなんですけど。 裕樹さんとの契約により、生まれた生き物だと思います

たまーに、こういうことがあるそうなんですよ。 私たちのような子との契約すると」


裕樹はふと、気になり、自分の肩にいる子龍を指さして尋ねる。

 裕香はじー、と龍を見ているようだ…。


「ようなって、さっきからその内容だと他にもいるような感じだな」


「まあ、そりゃ……いますからね。 

戦争にはそれに打ち勝つくらいの戦争兵器を作ることで対抗しようとしてましたから」


裕樹の問いに正座しなおしながら答えるみなも。

 薄い金色のような長い髪に黄色の瞳をしている彼女はどこか雰囲気が違うといえるだろう。


「ねえねえ、みなも姉ちゃん! これは?この鍵みたいなのは?」


「これはわたしの力の解放するときに胸のあたりにさしてもらうんですよ」


裕香が近寄り、膝の上にのるので髪を優しくなでて笑みを見せるみなも。

 それを聞いて裕樹は裕香の手の中にある奇妙な鍵を見ていた。


「それより、負傷しているんだろ? はやいとこ治療しないとな」


「あ、救急箱ならあるよ!」


裕樹が立ち上がると、すでに用意していたのか裕香が見せる。


「え、いえ、そんな! さすがにそこまでしてもらうわけには!!」


と、わたわたと慌てだすみなもが二人に困惑しているようだ。


「気にするなよ。 妹のことも守ってくれたお礼もしたいし」


「そんな、そこまでのことしかできなかっただけですよ?

  それに結局は裕香ちゃんにまで契約をしてしまうし……。」


ぽんぽん、と頭を撫でる裕樹にみなもは落ち込んだ様子でうつむいているようだ……。


「これは異例な契約なんですよ? 一つの兵器に一つの契約者、それが普通だったんです!

 でも、それが今日になって変化しました。 やはり、わたしの調子の悪さによるものでこんなことに…。

裕香ちゃんには悪いことを…。」


「それでも、俺たちは助かったし、以前より力もあがったし。 裕香も守りやすくなったってことじゃないのか?」


「このような事例はないからこそ、不安なんですよ? また、やつらが来たら…。 わたし、手加減はできません」


裕樹の言葉に不安そうなみなもが拳を振るわせてつげる。

 その手を裕香は小さな手で包んだ。


「大丈夫、わたしにはお兄ちゃんがいるもん」


「!……懐かしいですね、わたしもそんなときがありました。 そう信じる心、わたしにもありました。

 いいえ、いまでもあります。 だから、不肖なわたしですけど、お二人の護衛を務めさせていただきま

ひゅ!……か、かんでませんよ!?」


にこにこ笑顔で裕樹に抱き着いて甘える裕香に微笑んでから意思をかためてまっすぐ見つめてきめたはいいが、台無しに……。


「護衛より、お兄ちゃんの恋人さんになってほしいなぁ」


「こ、ここここここ恋人ですかぁ!? そ、そんなわ、わたしなんかでいいんでしょうか?

 そ、それは恩が二人にはありますし、それだけじゃなくて一緒にずっといたい気持ちはありますよ?

でも、わたしなんかが…。」


慌ててからどんどん落ちこんでいくみなもの喜怒哀楽の変化まつりである。


「俺はいいと思うけど? ほら、もう運命共同体みたいなもんだろ? 裕香も喜んでるし

 それになんかじゃなくてみなもに居てほしいんだよ。 俺たちは」


しゃんがでみなもに視線を合わせて笑みを見せると、その背中に裕香が乗る。


「~~~~~っ、わたし、人間じゃないけど恋人とか作ってもいいんですか? 妹さんもできていいんですか?」


「いいんだよ。 ダメなんて言うやつは言わせておけばいいさ。 そんなの関係ないんだからよ」


「人間じゃないっていうけど、みなも姉ちゃんは人間だもん! 苦しんで悲しんで慌てて!

 それが人じゃないっていうのはなんか変だと思うから」


みなもの問いに優しく答える裕樹と笑顔でみなもに抱き着く裕香。

 首輪を通じてわかる暖かさとぬくもりと真偽が嘘偽りなどなく、自分のみを見てくれていると理解できた。


「え、えっと、人間じゃないですけど、よ、よよよよよよろしくお願いしまひゅっ!………また噛みました」


ふかぶかとお辞儀をして言うが最後の最後で噛んでしまうみなもはどんよりしていた。


「それより、手当しようか」


「うんうん! 脇腹から血がでてるし」


みなもはそれを聞いてちょっと戸惑いながらもワンピースをぬぐ。

 白い肌の脇腹あたりに鮮血がにじんでいた。

人間じゃないというわりには人と同じ血が流れているのがわかる…。


「しみるぞ」


「ひゃ、ひゃい!」


裕樹に言われて覚悟するみなも。

 それに笑いながらも消毒して包帯にガーゼをつかい手当をする裕樹と裕香。

どちらも手際がよいというかなんというか。

 手当をおえると、ふと気になることを裕樹は聞いた。


「なあ、戦争兵器は人じゃないとか言うけど、人にしか見えないぞ?」


「それは、まだ人の姿を保っているからです。 まあ、人の姿でも軽い戦闘はこなせますけど

本格的にやるのなら姿も変化するでしょうね」


裕樹の問いにみなもは服を着ながら答えると振り向いた。


「ふーん、いろいろいるんだな」


「はい、だから今回のことでまだ終わりじゃないことは裕樹さんなら、わかっていると思いますけど」


「ああ、あれで終わりなわけないさ。 ここからが始まりだと思ってるぜ」


裕樹がそう言いながらみなもを見て彼女はうなずいて答えてからまっすぐと裕樹を見た。


「よかったです、 それなら安心して守れる気がします」


「俺もきちんと守るように動くからな」


彼はきちんと理解していることに安堵してから言うとニッと笑う裕樹。

それを見て頬に赤みをましてしまうのはフラグをたててしまったからだろう。

顔を横にふり、改めて裕樹を見つめるが顔はまだ赤いがその顔のままで裕樹をじっと見る。


「そ、それで……。 その、あ、あのお願いがあるんですけどっ! と、とても重大なことで!」


「ん? なんだ?」


「どうしたの?」


みなもの言葉に二人は不思議そうに首をかしげている。

 このあたりは息があうのは兄妹でなくてもありえそうである。


「こ、この傷をはやめに治癒するために二人と寝室を共にしたいのですが……。」


「へーって、え? そんなことできるのか」


「すごーい! わたしならいいよ!」


もじもじしながら血に染まった包帯がまかれている脇腹に触れて言うみなも。

 そんな彼女に驚く裕樹とにこにこ笑顔で見つめる裕香。


「は、はい。 いつ、敵が来るかわからないのでこの傷をはやめにふさいでおかないといけないので」


「うーん、まあそれなら仕方ないの、か?」


「いいじゃん、一緒にねよーよ! その方が楽しいよ!」


視線をあげたりさげたりしてさまよわせているみなも。

 思案顔の祐樹も納得しつつ、答え、裕香は大賛成の様子である。

裕樹は苦笑しつつ裕香の頭を撫でていた。


「一人でも、治癒の促進はできるんだろ?」


「あ、えっと、私のような場合は二名ともいないと治癒の促進がその、鈍いというか」


裕樹はみなもを見て問うと困った顔で答えているようだ。

 普通なら一人で可能、だが、二名の契約者なら二名と一緒にいないとダメである。


「そうなのか?」


「わ、わたしだってこんな異例な契約すらはじめての行使で、そうしたらそうなるような認識になっていて。

 それに注がれる力は裕樹さんの方が強いんですよ」


小首をかしげる彼にますます困った顔で答えるみなも。

 となると、裕樹も一緒に寝ないとだめだということだった。


「しゃーないな。 このソファーはベッドにもなるからここで寝るとしよう」


「え、これが? すごい進歩ですね」


そう言ってソファーを折りたたみしてベッドにして横になる。

 それをまじまじと見つめるみなもは興味があるのだろう……。

と、裕樹が先に寝床にはいるとみなもは緊張気味に寝転がると布団を持ってきた裕香が横に並んで入り込む。

 全員にかかるように布団をかぶり、眠りにはいる体制になる。


「おやすみ、みなも、裕香」


「おやすみなさい、ユウ兄ちゃん」


「おやしゅみなしゃい、裕樹しゃんと裕香ちゃん」


そう言いながら三人は眠りにつくのであった。

 なお、朝起きてのみなもの姿に驚くのは翌朝にてわかることである。

もぞもぞと近寄り、眠るみなもと裕香。

 すっとみなもが目をあけて二人が寝ていることに気づくと、ワンピースを脱いで、下着姿になり、寄り添うようにくっついた。

 彼女のこの行動にはとある理由がひそんでいたりするが、いまは謎としておこう。

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