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『ヒトラーに憑依しました』連載版 作者:零戦
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第八話






 史実であればドイツ第三帝国は1939年九月一日にポーランドへ侵攻して第二次世界大戦の幕開けとなるが、この世界ではまだポーランド侵攻はもとよりドイツとソ連の不可侵条約すらまだ締結していなかった。

「総統、ポーランド回廊内での祖国復帰運動は活発化しつつあります」
「現地にいる党員を通じてもう少し待てと伝えろ」
「ですが、住民の限界は極限にまで……」
「ポーランドは回廊内に治外法権の道路建設を拒否したのだ。最悪の『戦争』でも、海軍はまだ練度が足りないのだ」

 正直、もう戦争寸前だ。国防軍の若い奴等は即刻開戦と叫んでいるけどまだ海軍が駄目だ。
 今のところ海軍は重巡が多い。前弩級戦艦もいるがまだビスマルク型はまだ就役していないが、取りあえずはシャルンホルスト級戦艦が就役しているからまだマシかもしれない。
 海軍の四分の一は日本から売却された艦艇だ。第一機動部隊はデアフリンガー(龍驤)、エウロパ、イェーデの三隻と重巡二、軽巡二隻、駆逐艦十隻の機動部隊である。
 なお、軽巡二隻は日本から売却してもらった球磨型で球磨と多摩だ。更に木曽も売却してもらった。
 だが、この三隻は日本にいた。乗組員を輸送船で日本に送って日本で訓練をしていたのだ。
 訓練期間は三ヶ月で往復で約三ヶ月掛かるので約半年は日本にいる。(もう二週間もすればキールに帰還する予定)
 水上艦ばかりではない。Uボートも建造して配備しつつあった。

「兎に角、『白の件』はまだ先だ。現地の党員も無駄な暴走はするなと伝えろ」
「分かりました」
「総統、人造石油の件ですが……」
「うむ。どうかね?」
「何とか量産はしていますがオクタン価は低いです」
「何オクタン価だ?」
「八九オクタン価です」
「……仕方ない、あるだけマシなんだ。量産は続けて軍の訓練に使わせろ」
「分かりました」

 取りあえずは人造石油を早めに作らせているけど……やはり良質な石油が欲しいよな。

「それと戦車用のディーゼルエンジンですが、六気筒V型三百六十馬力のが完成しました」
「そうか。戦車には載せたのか?」
「三号戦車で試作中です。総統、やはりガソリンエンジンの方が良くないでしょうか?」

 フリッチュがそう具申してきた。

「フリッチュの言い分も分かる。だが、ガソリンエンジンだと被弾した時に燃えやすい点がある」
「それは承知しています。ですが、燃費が激しいのもあります。やはりガソリンエンジンに統一した方が宜しいかと思います」
「……分かった。取りあえずはディーゼルエンジンの試作は続けてくれ。ガソリンエンジンに統一するが、ディーゼルエンジンに道があるならディーゼルエンジンに変更する」
「分かりました」

 そしてフリッチュ達が退室した。

「ふぅ……総統の役目も疲れるもんだな……」

 俺は深い溜め息を吐いた。史実のヒトラーも相当苦労してたのかな?
 ……言っておくが、総統と相当は駄洒落じゃないからな。ま、俺の場合は落とされる方じゃなくて落とす方だけどな。

「失礼します」

 そこへエリカさんが御茶を持って入室してきた。

「総統閣下、緑茶です」
「ありがとうエリカさん」
「リッベンベルグで構いません」
「いや私が言いたいだけだよ」
「総統閣下が言うのでしたら私は何も言いません」

 なお、彼女のドイツ名はエリカ・霧島・リッベンベルグらしい。日本で聞いた時は日本名で思わず言ってしまったみたいだ。

「エリカさんもどうかね?」
「宜しいのですか?」
「私は構わないよ。貴女が無理ならいい」
「そんな事はありませんよ総統閣下。御一緒させてもらいます」

 エリカさんは俺に微笑んで椅子に座り、俺とエリカさんは暫く談笑するのであった。



 そして二週間後、俺とレーダー達はキール軍港にいた。上空では海軍型に改修されたBf109G型九機が飛行している。

「日本艦隊が到着しました」
「うむ」

 キール軍港には日本から来航した日本艦艇が到着していた。

「お久しぶりです。総統閣下」
「お久しぶりです。古賀少将」
「今は少将ではなく中将になりました」
「そうでしたか。昇進おめでとうございます」

 艦隊司令官はあの時と同じ古賀少将……ではなく中将だった。

「今回もかなりの荷物を持ってきました」
「ほぅ、そうですか。それはとても楽しみですな」

 俺はそう言って回航された球磨型軽巡三隻を見つめた。

「乗組員は全員御返しします」
「いやいや、精鋭と唱われている日本海軍に指導してもらったのです。彼等も立派な船乗りですよ」

 俺はとある一室で古賀中将と世間話をしている。部屋にいるのは俺と古賀中将、そしてドイツに派遣された輝義だった。

「それにしても輝義もいたとはな」
「久しぶりにお前の顔も見たかったからな」
「アホ、俺はヒトラーだぞ」
「それもそうだな」

 俺と輝義が笑いあう。

「そして……積み荷とは何だ?」
「積み荷は……九七式中戦車と零戦だ」
「何?」

 チハと零戦だと?

「史実のチハたんじゃない。かなりの強化をした九七式中戦車だ。既に生産ラインをして配備しつつある」
「零戦は君らの史実の零戦ではない」

 そこへ古賀中将が口を開いた。

「史実の零戦ではない……と?」
「栄エンジンの高出力馬力を実現させたんだ。約千三百馬力のな」
「栄の高出力エンジンだと?」

 ……こりゃたまげたな……。

「実践参加はノモンハンでしている。一機足りとも喪失はしていない」
「ふむ、またゲーリングやタンク技師達が騒ぐな……」
「それと九七式艦攻三機、満州油田から産出した重油も売却するぞ」
「三機と重油もくれ」
「即答ですな……」

 古賀中将が苦笑している。まぁ雷撃機は無いからな。

「それと……売却するのはうちだけじゃないんだろ?」
「……何の事かな?」
「馬鹿野郎、何で輸送船が十二隻もいるんだ。うち相手なら数隻でいいはずだ。狙いは北欧の小国だろ?」
「……まぁな。ムー○ン谷のゴ○ゴ13のところに武器を売却しに行く任務もある」
「……悪い、ム○ミン谷のゴル○13のところにはドイツも武器を売却する予定なんだ」
「……マジで?」
「本気と書いてマジだ」

 やっぱりな。

「まぁうちは中古の一号戦車や二号戦車の売却だな」
「此方も大体同じだ。中古の三八式野砲を大量に売却するんだ。それと八九式中戦車乙もな」
 成る程な。
「出来るだけ穏便にな」
「それは此方の台詞でもあるぞ輝義」

 それからは古賀中将と談笑したりした。それから三日後、日本艦隊はフィンランドに向かうためにキール軍港を出港するのであった。






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