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『ヒトラーに憑依しました』連載版 作者:零戦
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第二話






「此れが日本の戦車か……」

 日独交流は空軍基地に車両を運んで行われていた。死ぬ? 前によくテレビで観ていたガ○パンの八九式中戦車乙が鎮座しているが、史実の八九式中戦車乙ではない。
 まず戦車砲は長砲身の五七ミリ戦車砲だ。

「確かこの戦車砲は五十口径であったな?」
「はい、五十口径の長砲身です」

 近くにいた陸軍の佐官に尋ねた。

「失礼だが君は?」
「は、自分は牟田口大佐であります」

 牟田口……インパール作戦の牟田口かッ!? それが何で此処に……。
 いや、驚くのはもうよそう。そのうち疲れてくる。

「装甲は?」
「最大で五十ミリです。ソ連の戦車砲の砲弾は十分に跳ね返せます」

 牟田口が自信満々にそう告げる。来年の1936年はスペイン内戦がある……それに実践投入するのも良いな。

「ドイツ人には入れるかな?」
「少々難しいかもしれませんが、車体の幅を大きくすれば問題無いでしょう」
「うむ、試射を御願い出来ぬか?」
「分かりました、試射をしましょう。発射準備に掛かれェッ!!」

 牟田口の命令に戦車兵達は作業に掛かり、車長がキューポラから頭を出して発射準備完了を告げた。

「撃ェッ!!」

 二百メートル先に設置した五十ミリの装甲を五七ミリ戦車砲が撃ち抜いた。

「これは凄い……」

 陸軍総司令官のヴェルナー・フォン・フ リッチュ砲兵大将のそう言葉を漏らした。

「自動車後進国の日本にしては珍しいですな」

 ボルマンがそう呟いた。

「牟田口大佐、これはいくらで此方に売るかね?」
「上層部からはこの値段でと言われています」

 ……格安だな。

「格安だが、大丈夫なのかね?」
「はい、大丈夫であります」

 それなら構わないが……恐らく日本の狙いは精密機械だろうな。

「よし、では全車を買い取ろう」

 即時判断だが、陸軍の戦車には大きな刺激になるだろうな。

「それは賛成です総統。この戦車は陸軍にも大きな革命となります」

 フリッチュも賛成を表明したが、全員が賛成を表明していた。

「牟田口大佐、持ってきた戦車は何両かね?」
「十二両となります」

 かなり持ってきているな。全部此方が買い取ると見越していたのか?

「全車買い取るが問題は無いかね?」
「ありません」
「宜しい。ならば全車買い取る」

 直ぐに十二両の戦車は陸軍に買い取られて日本の戦車兵がドイツの戦車兵に教えている。

「ゲーリングの方はどうだ?」

 確かゲーリングの他にもメッサーやフォッケ、ハインケル等の航空機会社もいたな。

「どうやら日本の戦闘機の航続距離に驚いてタンク技師等が操縦しているそうです」

 ボルマンがそっと俺に教えてくれた。

「確か航続距離は約千八百キロ近くだな。だが、デメリットもあろう」
「デメリットですか?」
「航続距離を長くするために防弾装備は外してあるかもしれん」
「成る程、メリットがあるかと思いきやデメリットもあるのですか」
「まぁそうだな」

 その頃、青葉に乗艦していたレーダーは古賀少将から驚くべき設計図を渡された。

「こ、此れは……」
「伊勢型戦艦と空母赤城の設計図です」
「これを……我々に提供すると?」
「そうです」
「……宜しいのですか?」
「伊勢型や赤城は旧式の部類に入りますので上層部も問題は無いと判断して今回渡したのです」
「それは我々としては非常に有り難いのですが……」

 レーダー自身、日本が何故このような提供をしてくれるのか疑問に思ったが貰えるなら貰っておこうと判断した。
 そして二週間にも及んだ日独軍事交流は終了した。
 俺は日本艦隊の見送りにキールに再び来ていた。

「古賀少将、この二週間はとても充実した二週間だった」
「それはとても光栄です総統」
「そこでだ。俺も今度日本に訪日しようと思う」
『ッ!?』

 この言葉に日独の関係者は驚いた表情をしている。

「直接感謝すると言いたくてな」
「分かりました。その時は是非とも歓迎致します」

 古賀少将は微笑んで俺と握手をした。そして日本艦隊はキールを出港していったのである。

「………」
「如何されましたか総統?」
「いや……何でもない」

 ここ最近、日本が恋しいよな。唐に残った阿倍仲麻呂もこんな気持ちだったのかな……。

「ベルリンに戻るか。やる事はまだまだある」

 日本に帰りたいけど、今はドイツ第三帝国総統なんだよな……。
 せめてドイツは史実のような東西に分けてはいかんしな。
 そして俺はベルリンの総統官邸に戻った。



「レーダー達海軍関係者を集めろ」

 俺はボルマンにそう指示を出して総統室に集まらした。

「日本から戦艦と空母の設計図を提供されたそうだな」
「はい、これはかなりの手助けになるでしょう」
「うむ、直ぐに建造予定の戦艦に照らし合わせろ。それとレーダー、Z計画を見直すぞ」
『ッ!?』

 俺の言葉にレーダー達の表情が変わった。

「戦艦はシャルンホルスト級を含めて四隻、航空母艦は大型が四隻、小型八隻に見直す」
「戦艦を減らして空母を増やすのですか?」
「空母は戦艦より建造が早い。早期に空母を主体の空母部隊を作るのだ」

 レーダー達の表情は自信無さげである。まぁまだ戦争は始まってないし、真珠湾もまだだからな。

「計画を早めるために造船所の増築をもする」

 この言葉にレーダーは表情を変えた。

「先に駆逐艦とUボートの建造と編成をしろ。日本と交渉して旧式駆逐艦を売却するようにしろ」
「日本ですか?」
「日本の四方は海だぞ? 日本は海軍力を中心に整備しているんだ。我々より強力だろう」
「分かりました、日本と交渉してみます」
「うむ。それと空母の飛行隊だが最初は空軍から徴用してその後は海軍航空部隊の編成をさせる。日本は雷撃機も保有しているからそれも交渉して貰うようにしておけ」
「日本重視ですね」
「仕方ないだろう。それともジョンブルと交渉するか?」
「……いえ」
「なら日本しかない」

 俺はキッパリとそう言った。そして若干のホクホクの表情で部屋を出るレーダー達を見ながら親衛隊の隊員に告げた。

「シュペーアを呼べ」

 程なくしてアルベルト・シュペーアがやってきた。

「何でしょうか総統?」

 アルベルト・シュペーア。史実ではヒトラー内閣のフリッツ・トート軍需大臣の後任で軍需大臣となりドイツの生産を拡大させたりして連合軍を苦しめたりした。(まぁトートのを引き継いだりしていたからね)

「軍需省を創設するので君に軍需大臣をしてもらいたい」
「……総統、私は専門外です。他の方にやってもらうのが宜しいかと思います」
「いや、是非とも君にやってもらいたいのだ。私は次なる大戦があると確信している。その時に備えて軍需を拡大させておきたいのだ」
「……つまり軍需工場の拡大ですか?」
「うむ、君にも耳に入ってるかもしれないが日本がドイツから精密機械の大量購入をしているのを知っているだろう」

 俺の言葉にシュペーアが頷いた。

「日本も次なる大戦を予期しているのだ。我がドイツも遅れてはならない」
「……東方への生存圏ですか?」
「今のところは無理だ。君の今の任務は軍需工場の拡大をしてほしい」
「……分かりました。出来る限りの事はしてみましょう」
「頼むぞシュペーア」

 俺はシュペーアにそう言った。







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