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『ヒトラーに憑依しました』連載版 作者:零戦
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第二十話

本日は終戦記念日。多くは言いません。





 シャルンホルストから発艦したヌル水上偵察機は本国艦隊を探していた。
 マルシャル提督の戦艦部隊はイギリス本国艦隊が撤退した事はまだ知らなかったのだ。
 なお、ドイツ海軍の艦艇が搭載している水偵はアラドAr196だが、このヌル水偵は日本海軍の零式水偵である。
 三機がドイツ海軍に輸入され、ライセンス生産をしている。そしてエンジンはBf109と同じエンジンだ。
 このエンジンにより最大速度は三九〇キロである。

「二時下方に航跡ッ!!」

 偵察員が三本の航跡を発見した。操縦員が高度を下げて確認した。

「……空母だ、空母がいるぞッ!!」
「他にも巡洋艦二隻を確認ッ!!」
「シャルンホルストに知らせろッ!!」

 これは駆逐艦二隻だが、見間違いであった。兎も角、空母発見の電文は戦艦部隊に知らされた。

「……空母か……」

 電文を一目したマルシャル提督はそう呟いた。

「ですが我々の任務は上陸船団を撃破する事です」
「だが空母を撃沈せねば我々は航空機による攻撃を受ける事になる。目の前の障害は取り除かねばならんぞ」
「ではナルヴィクにジョンブルが上陸しても良いんですかッ!?」
「そうは言っていないッ!! 上陸船団を攻撃中に上から攻撃されては堪らんと言っているのだッ!!」
「………」

 参謀達がそう議論する中、マルシャル提督は一人の佐官に視線を向けた。

「神中佐はどう思うかね?」
「おいでありもすか?」

 この時、シャルンホルストには日本海軍からオブザーバーとして派遣された神重徳中佐がいた。

「おいは空母をやりもす。確かに上陸船団も重要ではありもすが、空母をやらねばこの先の戦いは苦戦するのは必然でありもす」
「ふむ……」

 マルシャル提督は腕を組んで思案する。そこへ通信兵が艦橋に駆け込んできた。

「提督ッ!! 第四航空艦隊から電文ですッ!!」
「……ほぅ」
「何かあったのですか?」

 マルシャル提督の喜びに参謀が問う。

「イギリス本国艦隊が引き上げたそうだ。第四航空艦隊も攻撃に参加したおかげだろう」
「それでは……」
「うむ、私の腹も決まった。速度を上げて敵空母に向かえッ!!」

 戦艦部隊は敵空母に向かって急行した。そして戦艦部隊が敵空母を捉えたのは三時間後の事であった。

「敵空母を視認ッ!! 護衛には駆逐艦二隻ですッ!!」
「……巡洋艦ではなく駆逐艦だったか。恐らく見間違いだろう。全艦砲撃戦用意ッ!! 先に駆逐艦を沈めるのだッ!!」

 戦艦部隊は左砲戦に移行した。この時、空母グローリアスはまだ舵の修理が途中であった。

「対艦戦闘準備ッ!!」

 空母グローリアス艦長は対艦戦闘の準備をさせた。逃げ切れないと覚悟したのだろう。
「フォイアー エアエフネン(砲撃始め)ッ!!」
「フォイアーッ!!」

 刹那、シャルンホルストの五四.五口径二八.三サンチ三連装砲が火を噴いた。それに続くようにグナイゼナウとリュッツォも砲撃を開始した。

「回避行動ッ!!」

 イギリス艦隊は回避行動を取るが駆逐艦の周りに次々と砲弾が落ちて水柱を立ち上げた。

「初弾で夾差だとッ!?」

 駆逐艦艦長は思わず絶叫した。いくら第一次世界大戦でイギリスと艦隊決戦をして破れたドイツがこうも簡単に復活するとは思えなかったのだ。

「……やはりジャップのテコ入れか……」

 開戦前から日本がドイツに艦艇を譲渡していたのはイギリス海軍軍人なら誰でも知っていた。
 恩師であるはずのイギリスへ挑発するような行為であった事に海軍軍人達は憤慨していたが、イギリスが抗議する事はなかった。
 やはり簡単に復活するとは思えなかったのだ。そこのところはヒトラー自身も考えていた。
 そこでヒトラーは海軍の乗組員を日本に出向させて途切れた練度を磨いていたのだ。
 日本もドイツにオブザーバーを派遣させたり(第一機動部隊には山口多聞と小沢治三郎を、水雷戦隊には南雲忠一と田中頼三)しており、ドイツ海軍はある程度までの練度はあったのだ。

「第二射来ますッ!!」

 そして駆逐艦に命中弾が出た。三発が命中して駆逐艦は瞬く間に大破した。後にこの駆逐艦はリュッツォが魚雷で止めを刺して撃沈した。

「煙幕を張れッ!!」

 残った駆逐艦は煙幕を展開したが、上空にはヌル水偵とアラドAr196がおり着弾観測をして駆逐艦の位置をシャルンホルストに伝えていた。

「第四射終了ッ!!」

 三隻は四射目を終えており、砲弾の装填作業をしている。
 そして作業が終了した時に残った駆逐艦も命中弾が出て行き足を停止した。
「敵空母は?」
「まだいます」

 グローリアスは逃げようとしていたが、まだ舵の修理は終わっていなかった。全速は出せれるが、突き進めばノルウェーのベルゲンへ行くのは必然である。

「提督、敵空母に降伏を促しては如何ですか?」
「降伏か……宜しい、平文で送りたまえ」
 電文は直ぐにグローリアスが受信した。
「降伏か……」
「艦長、舵の修理はまだであり絶望的です」

 航海長はそう報告をした。

「……分かった。実に残念だが降伏しよう。機関停止、白旗を掲げよ」
「イエッサーッ!!」

 そしてグローリアスは停船して白旗を掲げた。

「臨検隊を組織して乗り込め。リュッツォは沈没した駆逐艦の救助をせよ」

 マルシャル提督は指示を出す。こうしてグローリアスは降伏して海戦は終わった。
 後に第一機動部隊の戦いは北海海戦と呼ばれ、戦艦部隊は史実通りにノルウェー沖海戦と呼ばれるようになった。



――ベルリン、総統官邸――

「レーダー、今回は海軍のお手柄だな」
「ありがとうございます総統。私も一安心しております」
「それでグローリアスはどうかね?」
「旧式ではありますが、速度は速いので使えます。ただ、イギリス式ですのでイギリスの部品が多く、戦列化するのには時間が掛かると思われます」

 まぁそれは仕方ないだろうな。

「仕方なかろう。グラーフ・ツェッペリンはどうかね?」
「八月で第一機動部隊に配備出来る予定です。搭載機数が五七機、対空砲も充実していますからね」

 空母グラーフ・ツェッペリンは史実から変わるようになっていた。
 全長は史実より約十二メートル延長して搭載機数を増やしていた。

「グラーフ・ツェッペリンが戦列化すれば……グフ、グフフフフフ」

 ……やべぇ。レーダーが可笑しくなってきたな。

「今度ライカで撮るか」

 色々と危ないかもしれないレーダーである。

「それで海軍はどのようになっているかね?」
「水雷戦隊は三個までが出来ております。巡洋艦部隊も二個戦隊は完了していますが、やはりまだ練度が完了しない艦もあります」
「やむを得んよレーダー」

 本当なら四五年だったからな。その頃にはアメリカが原爆を完成させてそうだが……。

「兎に角、頑張りたまえ」

「ハイルッ!!」

 俺はレーダーを労った。







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