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『ヒトラーに憑依しました』連載版 作者:零戦
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第十三話







――三月十七日、ベルリン総統官邸、0925――

「総統ッ!! 朗報ですッ!!」
「どうしたフリッチュ?」

 朝食後、日本から輸出された東○の同人誌を読みながらコーヒーを飲んでいるとフリッチュが慌ただしく部屋に入ってきた。

「ソ連が……ソ連が参戦しましたッ!!」

 ……遂に参戦した。

「秘密協定通りだな。フリッチュ、ゲーリング達を集めろ」
「分かりましたッ!!」

 フリッチュはまた慌ただしく部屋を退室さたのである。



「ソ連が参戦したので作戦は大幅に進むでしょう」

 作戦室でポーランドの地図を見ながらフリッチュはそう説明する。

「兵員は不明ですが、推測からして五十万以上と見込んでいます」
「うむ、あのソ連の領土からして兵員は多いだろうな」

 人民は土から取れるとか抜かしてるからなぁ。

「空軍は予定通りに補給線を叩け」
「分かっています。お任せ下さい」

 ゲーリングは自信満々にそう答えた。
 そしてソ連が参戦した事によりポーランドの命運は尽きていたも同然だった。
 ポーランドはフランスやイギリスを頼ったが、二国はドイツが動くとは予想しておらず軍備の準備すらまだであったのだ。
 左右から攻められたポーランドに抵抗する力は無く、三月二七日には包囲されていた首都ワルシャワが陥落したのである。
 ポーランド大統領のイグナツィ・モシチツキは他の要人と共に中立国のルーマニアに脱出し、ポーランド軍にもルーマニアへの脱出が命令された。
 しかし、国土を蹂躙されたポーランド軍にその命令の大半は届かず、各地で独ソに降伏する事になった。これによりルーマニアに脱出出来たポーランド軍は全体の六分の一だった。
 独ソの二国に占領されたポーランドという国家は消滅するのであった。



「おめでとうございます総統閣下ッ!!」
「うむ、ありがとう。ゲッベルス」

 ポーランド占領の報せから三時間後、ゲッベルス達が部屋に入室してきて口々にそう言ってきた。

「早速国民へのスピーチを考えねばなりませんね」
「うむ、ボルマン頼むぞ」
「ヤー。分かりました」

 スピーチの作成はボルマンに任している俺だった。べ、別にめんどくさいからじゃないんだからねッ!!
 ……気持ち悪いな。

「早速祝杯でも挙げましょう」
「気が早すぎないか?」
「善は急げとも言います。イギリスとフランスが宣戦布告をしてますし、気分を一新させましょう」
「……良かろう」

 まぁたまにはいいか。
 そしてあっという間に宴会が始まった。パーティより宴会の方が言いやすいよな。

「それではポーランド占領を祝して……乾杯プロジットッ!!」
乾杯プロジットッ!!』

 ……ぷはぁ、腹にワインが染み渡るぅ。お摘みでチーズ無いだろうか……。

「ん? どうしたのかねエリカさん?」

 何故かエリカさんは赤ワインが入ったグラスを持ちながらポツンと立っていた。

「は、はぁ。お酒など飲んだ事無いのでどうしようかと……」
「ふむ、まぁ一杯くらいで構わないから飲んでみないかね」
「そうですね……ではッ!!」

 意を決したエリカさんが勢いよく赤ワインを飲み干した。

「ぷはぁッ!! ……ヒック」

 ワインを飲み干したエリカさんの目がトロンとし、頬もうっすらと紅くなっていた。

「エリカさん?」
「アドルフぅ、もう一杯持ってこぉいッ!! ヒックぅ」
『………』

 ……あかん。エリカさんは酒乱だ。
「私の命令が聞けんのかちょび髭ェッ!!」
「は、はいはい」

 俺は慌ててワインをエリカさんのグラスに注いでエリカさんはそれを飲み干す。

「ぬふぅ、大儀であるぞアドルフぅ」

 完璧に酔っぱらってます。

「………」
『………』

 他の奴等にヘルプを求めたが全員が視線を反らした。
 ……覚えておけよお前ら……。

「むふぅ、何か暑いわねぇ」
『オオォォォッ!!』

 急にエリカさんが服を脱ぎ出した事にフリッチュやゲーリング達が騒ぎ出した。
 お前らな……。

「全員、脳内に……脳内に焼きつけるのだッ!!」
「もう一枚、もう一枚ッ!!」
「服は私に下さいッ!!」
「オンオンッ!!」
「黙れ変態どもッ!!」

 結局、酔っぱらったエリカさんをゲルダが連れ出してヨハンナがゲーリング達を叱るのであった。
 ……威厳無いなお前ら……。
 そして宴会から翌日、フリッチュ達を呼び寄せた。

「諸君、ポーランド侵攻作戦は御苦労だった。さて、次なる作戦だが……」
「北欧侵攻ですか?」

 ドイツ国内では十分な鉄鉱石が確保出来ず、スウェーデンからの輸送が頼りであった。
 史実でも連合軍がそれを阻止しようとノルウェーを占領するR4計画があった。

「いや、北欧の事は問題無い」

 俺はそう質問したレーダーに言った。

「どうやら北欧諸国はフィンランドの冬戦争で義勇軍を派遣した我々に好意的なようだ」

 戦略は元より、フィンランドを共産化にしたくなかったから義勇軍を派遣したのだがそれが北欧諸国には良かったみたいだ。
 どうやらノルウェーもフィンランドが占領された危ないのは分かっていたみたいだ。
 既にノルウェーと接触して連合軍がノルウェーを攻撃した場合はドイツも支援し、軍港や飛行場の譲渡の秘密協定をしていた。(後にこれが原因でノルウェーが戦場となる)
 うん、まさかのどんでん返しだな。北欧諸国とは出来るだけ話し合いでやりたかったからこれは好都合だしな。

「それでは我々は……」

「うむ、フランス侵攻に専念出来るわけだ。作戦は君らで思案せよ。俺も出来るだけ口は挟まないつもりだが、今のところは一つだけ言わせてほしい」
「何でしょうか?」
「第七航空師団でフランス海軍の艦艇を出来るだけ奪取したいのだ」
『ッ!?』

 俺の言葉にフリッチュ達は驚いた。

「出来るかね? 無理なら構わないが……」
「いえ、やるだけの事はやってみましょう」

 フリッチュはそう答えた。まぁフリッチュ達は予想外だったかもしれんよな。
 レーダーの表情はすこぶる良いがな。

「失礼します」

 その時、エリカさんがコーヒーを持って入室してきた。

「エ、エリカさん……」
「はい? どうしましたか?」

 エリカさんが入室した事にフリッチュ達は少し後退りをした。
 よっぽど昨日の光景があるんだろうな。まぁそれは俺もそうなんだけどな……。

「昨日は途中で寝てしまったみたいで……」

 ヨハンナ達の工作か。少し安堵したな。

「ですが、昨日は総統に絡んでいる夢を見たようで……」
『………』

 それは夢じゃなくて本当なんだけどな。言わないでおくか。
 何故かギクシャクしたものであった。







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