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『ヒトラーに憑依しました』連載版 作者:零戦
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第十一話






「それで準備の方はどうかね?」
「は、此方が計画書です」

 俺の問いにフリッチュはそう答えて俺に計画書を渡した。
 ……ドイツ南部からゲルト・フォン・ルントシュテット将軍率いる南部軍集団がポーランドへ攻めこみ、西プロイセンと東プロイセンからフェードア・フォン・ボック将軍率いる北部軍集団が進撃を開始する予定か。
 史実と同じ侵攻計画だな。史実と違うと言えばドイツ海軍に第一機動部隊が存在している事だな。
 それに戦車の主力は五十口径七五ミリ戦車砲を搭載した三号戦車(史実の四号戦車H型)で補助的なので二号戦車と38tがいるくらいだな。
 そして少数だが三号突撃砲も配備してある。

「総統、開戦日は何時にしましょうか?」
「うむ、今は二月十四日か。三月一日でいいだろう。その二日前に最後通牒を突きつけよう」
「分かりました。そのように準備します」

 フリッチュはそう言った。ん?

「どうしたゲーリング? 何かソワソワしているが……」
「は、はぁ。実は今日はバレンタインですからね……」

 バレンタイン? あぁそういう事か。てかお前らもソワソワしてるよな。
 何処の思春期の中学生だよ……。

「妻や娘からはバレンタインは貰いませんでしたので……」
「知らんがな」

 俺はどう反応したらいいんだよ。

「失礼します」
『ッ!?』

 その時、エリカさんやゲルダさん達が入室してきた。しかも両手にはケーキやビスケットの皿を持っていた。

「今日はバレンタインですのでケーキやビスケット、クッキーを作ってきたんですが……食べますか?」
「食べますともッ!!」
「おぉ……貴女達は女神か……」
「エリカさん、私を罵って下さいッ!!」
「お前ら……てか誰だ罵って下さいって言った奴はッ!!」

 ……こいつらのノリがイタリア軍並だよな……。

「エリカさん達も御一緒に如何かな? ここいらで休憩をしようと思っていたのだ」
「宜しいのですか?」

 俺の言葉にエリカさん達は喜んでいた。

「勿論だ」

 俺は笑顔で頷いた。

「よくやりました総統ッ!!」
「流石総統ッ!!」
「よ、ちょび髭ッ!!」
「お前らな……てか最後のは悪口だろッ!!」

 そんなこんなでエリカさん達とケーキやビスケットで小さなお茶会をするのであった。


「失礼します」
「うむ、入れ」

 お茶会後、俺はある一人の男を呼び寄せた。
「御呼びですかマインフューラー」

「急に済まないロンメル」

 俺が呼び寄せたのはロンメルだった。

「今は戦車学校の学長だったな?」
「ヤー。ノモンハン等で学んだ戦車戦を生徒に教えています」

 ドイツ国内で戦車学校があるのは三個だが、そのうちの一個をロンメルに任していた。

「それなんだがな……実は新たに新設の装甲師団の師団長になってほしいのだ」
「……その言葉からしますと、いよいよ始まるのですか?」
「……その通りだロンメル。やってくれるかね?」
「……マインフューラーの頼みです。やりましょう」

 ロンメルはニヤリと笑って承諾してくれた。

「そうかね。ありがとうロンメル。それで装甲師団は第七装甲師団なのだ」

 俺はロンメルに第七装甲師団の書類を渡した。書類を受け取ったロンメルが一目した。

「……成る程。確かに新設らしい装甲師団ですな」

 ロンメルは苦笑した。
 第七装甲師団は説明した通り新設の装甲師団だ。そのため、主力は五十口径七五ミリ戦車砲を搭載した三号戦車ではなく、五七ミリ戦車砲を搭載した二号戦車や三七ミリ戦車砲を搭載した38tが主力であったのだ。
 それでロンメルが苦笑したのだ。

「済まないなロンメル。一応、中隊長車は三号戦車にするようにはしてある」
「御心遣い感謝しますマインフューラー。ですが思いっきり暴れてやりましょう」
「うむ、やり過ぎてフリッチュを過労で倒れさせないようにな」

 俺は一応釘を刺しておいた。そしてロンメルが部屋を退室すると、入れ替わりにゲーリングが入室してきた。

「どうしたゲーリング?」
「は、報告がありまして……」
「何の報告だ?」
「アメリカのDC-3旅客機のライセンス生産が下りたのでその報告です」
「そうか。ユンカースのJu52は速度が遅いから戦闘機に食われる可能性があるからな」
「これも総統が決断してくれたおかげでしょう。ですが、何故DC-3を?」
「……陸軍の新戦術に耐えれるか確かめたいからな」

 俺はゲーリングにそう言っておいた。陸軍内で戦車を主力にした電撃戦の戦術が出ていた。
 保守派が多いから恐らくポーランド侵攻の時は史実同様に無理だと思うな。
 多分、フランス侵攻の時はなるからそれまでに準備しておかないとな。
 ヌヒヒヒ、連合軍のダンケルクの奇跡は起こさせないからな……。

「総統、どうかしましたか?」
「い、いや何でもない」

 今の顔は不審に思われそうだから止めておくか。
「改めて厳命しておくのだ。向こうに気付かれないようにな」
「ヤー。厳命しておきます」

 ゲーリングはそう言った。
 二月二九日未明、ドイツのポーランド国境地帯にある地方都市グライヴィッツのラジオ局がポーランド人を名乗る一団に占拠され、ドイツ東部シュレジェン地方のポーランド系住民にストライキを呼び掛ける缶詰作戦が行われた。
 そして事件が起きたダンツィヒには練習艦シュレスヴィヒ・ホルスタインが停泊していた。
 実は開戦前に俺はポーランドに対して事件が起きたダンツィヒで追悼式典を行いたいと通達した。
 ポーランド側はドイツ側の策略と疑ってイギリスとフランスに相談したが二国もただの追悼式典と判断したらしい。(後にポーランド関係者から聞いた)
 日本から艦艇を売却してもらった時は抗議したり艦艇を監視していた二国だが、結局ドイツは見せ掛けだけと思っているみたいだな。(特にフランス。フランスはドイツのはったりだと思っていたらしい。余程第一次大戦でドイツを倒したのかと思っているのか?)

「総統、間もなく作戦が始まります」

 部屋には陸海空の代表が詰めかけていた。

「うむ。フリッチュ、念を入れてくれ。無駄な虐殺はするなとな」
「分かっております。既に各師団に総統直々の命令だと言っております」

 史実のポーランド侵攻時、ポーランド人は大量に虐殺されている。せめては出来るだけ阻止したいものだな……。
 それに虐殺をするにしても弾丸が勿体無いだろ? 余計な事はしてほしくないしな。
 勿論、SSにも厳命している。ヒムラーもある程度は理解してくれたみたいで少しホッとしている。

「総統、時間です」

 フリッチュはそう告げた。
 いよいよドイツは史実よりかは遅めだが、ポーランド侵攻を開始して第二次世界大戦の幕が開けたのであった。







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