10/11
告白 その1
両親の不思議な力について、私は何も知らなかった。
それどころか、その両親の話すら本当かどうか怪しいものだった。
けれど確かにひとつだけ言えることがあった。
彼らの力は、しっかり私に引き継がれていた。
言葉は嘘でも、想いだけは偽りなく私に届いていた。いつだって嘘だらけの中で生きてきた私は、常に真実と隣り合わせでもあったのだ。これはきっと両親の遺した力そのものなのだろう。
だって私には、貴方の想いが全て届いていたのだから。
貴方だけじゃない。先生の想いも、葛藤も、全部私の心に届いていた。
先生は気付いていたけれど、貴方には黙っていてごめんなさい。
でもそのおかげで、貴方のことをもっと好きになれたの。
両親についても、それから私の生活費や入院費も、全て私のためについてくれた優しい嘘だった。
その中で貴方はものすごく葛藤して、それでも常に私のためだと割り切って戦ってくれた。だから私は貴方を好きになったの。ずっと優しかったから、それだけじゃない。何かのために強くなれることを教えてくれたのは貴方だけだった。私を欺いてまで私を大切にしてくれた。
本当はいつか言おうとしていた。
でも、あまりに貴方が隠し通そうとするから、ついに最期まで言えなかったの。




