表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2492/2526

二千四百九十二夜、じいじの高校生生活 1175 三年生 130 二学期から 112

今日は、じいじの番です。

 眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?

「…………。」

 そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。


 まだ、高校生の頃のことだけれど……。

 ──じいじは、なん底意そこいもなく返事へんじをしたつもりだった……。

 けれど、H君にとってはなにになるようなことがあったみたいで、ちょっとだけいやそうな表情ひょうじょうあらわれたようながした……。

 じいじは、これ以上いじょう用事ようじがなかったので、H君たちのまえからはさっさとすることにした……。

「……僕は、美術科びじゅつか展示てんじすこになるので、それをあとで、ほか展示てんじ様子ようすてくるかもしれないから……。

 そのあと、終了時間しゅうりょうじかんくらいにはもう一度いちどここへて、後片付あとかたづけくらいなら手伝てつだえるとおもうよ……。

 それじゃあ、そのときにまたね……。」

 じいじは、なんとなくだけれど、このにはとどまりたくはないようながした。

 教室きょうしつを出て、階段かいだんをトントンとりていく……。

 このむね出入でいぐちを出てひだりすすんでいくと美術科びじゅつか教室棟きょうしつとうになる。

 大きなクスノキがえだひろげている広い中庭なかにわぎると、以前いぜんはじいじたちがいつも使つかっていた美術科棟びじゅつかとうの出入り口があった。

 じいじの印象いんしょうとしては、ここはしずかなのだけれどなんとなくくらい感じがしていた。

 今では、選択教科せんたくきょうか音楽おんがくになってしまっていたので、ほとんど美術科の教室きょうしつには来たことがなかった。

 じいじは、出入り口の前で足を止めてとびらおくのぞいてみた……。

 ……今では、じいじがならっていた頃のおじいちゃん先生から、中年ちゅうねんのステキ先生に(じいじのクラスの女子生徒たちのうわさでは……ということなのだけれど……。)美術科の担当教諭たんとうきょうゆわってしまったということらしい……。

 だから、美術科教室の雰囲気ふんいきが少しは変わったのかなあ……って、じいじは、すこしだけだけれど期待きたいをしていた……。

 けれど……なんとなく足を止めたくなるほどには、じいじがける感じは変わっていなかった……。

 ……なぜかはわからない……。

 けれど、じいじにとっての美術科教室は、近寄ちかよりがたいところとなってしまっていたようなのだ……。

 じいじは、美術科自体びじゅつかじたいについてはきらいではなかった。……というよりも、中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょうする頃までは、本気ほんき美術びじゅつ専門学校せんもんがっこうなり、大学だいがく進学しんがくしたいとかんがえていたのだけれど……。

 でも、いつの間にかそのゆめ?はかたちえてしまっていたのかもしれない……。

 このころは、一生いっしょう自己表現じこひょうげんついやす気持きもちが、急速きゅうそくにしぼんでしまっていたような気がする……。

 これは、じいじ自身じしんが、無邪気むじゃき子供こどものようなかんがかたから、自分じぶんかれている現実げんじつ状況じょうきょうすこしは理解りかいができるようになってきたからなのだ……ということなのかもしれない……。

「……こんにちは~~~。

 ……失礼しつれいします……。」

 なんだか……人気ひとけがないようにえる美術科教室びじゅつかきょうしつへと、じいじはあしすすめることにした……。


 おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。

良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ