ドローン
一週間以上遅れてしまいました!すいません!
朝のエヴィロイド上空100m。光学迷彩と静音モーターをつけた6機のドローンが飛んでいた。
計測位置から国全体の大きさ・内部構造・内部での人の生活などを記録するわけなんだが、空のモンスターを警戒しないわけではない。4機ほどタレットを追加搭載したドローンを計測ドローンと一緒に飛ばしている。
「おおー。どんどん出てくるねぇ」
不可思議に表示されていく、それぞれのドローンごとの映像。1番と2番機は外周。3番機以降は内部構造の撮影。撮影されたものは全て速やかに内部解析され、少しずつ航空地図として繋げていく。
ドローンに搭載しているのは何もカメラだけではない。陸上では空気抵抗があったりするので、使えなかったもの。それはソナー。
ソナーとは、水中で音波を放ち海中の岩などに当たって帰ってきた音波を再び受け取って、その時間等を計測することにより岩などの障害物の大きさを判断する機器のことだ。
まあ、普通ならできる訳がない。空気中では音波は伝わりにくい。だが今回、いちいち測量している暇は無い。
そこで俺が作ったのは、第二次世界大戦中に登戸研究所が開発したとされる測量機器。おっかなそうなその名も『大気内空振電探』と呼ばれるものだ。無論技術は幾つか未来の物を使っている。
電探というだけあって元々艦船に搭載する予定だったらしいが、あまりの技術ハードルに研究は中止。通常のレーダー研究に戻ったという。
「何だこれは・・・?」
「エヴィロイドの航空写真です。それを繋げたり測量することで、大まかなの地形や大きさが分かります」
「嘘でしょ⁈こんなの、見たことない・・・」
「そもそも、その、写真、とやらを模写しているのは誰だというのだ?」
「へ?あ、ああ。無人機です」
「無人機?」
「こちらから指令すれば勝手に動いてくれるから人が要らないんですよ。空に飛んでいても恐らく誰も気づいてませんね」
「・・・よく分からん。どこに売ってる?」
「売ってるわけないですよ。俺の力作ですから」
「ならいつか買わせてもらうか」
「それなりに文明が進化したら貸しますよ」
適当な冗談でかわしつつ、不可思議に地形データを作らせていく。
さて、今は不可思議に搭載されていた回線で各ドローンを繋いで色々やっているが、今回の作戦を実行するためにはもう少しグレードの高い回線が必要となる。
元々データ容量が半端ない不可思議をサーバー兼基地局としても使えそうなのだが、有効範囲が狭い上にリアルタイムとなると回線に大幅な負荷がかかる。デジタル化に時間もかかる。
となると、本来ならこんな測量はできない。
実は飛ばしている警戒ドローンには、高速デジタル変換中継機としての役目を持たせてある。デジタル化の弊害であった遅延も、この中継機のおかげで高画質と遅延解消の両方ができた。
最新科学の恩恵はデカイ。
「解析完了。全機帰還命令実行。さて地図は、と」
解析され完璧な地図に組み上がった航空写真を見てみると、それなりの広さがあった。
「広さはまあまあ。で、壁は二重か」
「外側の壁に近づくほど、生活環境は貧しい・・・。私達は下層地区、中層地区と呼んでる」
「ファローズ」
「兄様が認めたなら、このくらいの情報提供は当たり前でしょう?」
「ああ。だがお前から話すとは思わなかったからな」
「私は兄様を信じるだけです」
全体地図が判明したところで、あとは夜までに作戦を練れば良かった。だがここで一つ問題が発生した。
二重の壁の先には恐らく政権側の城であろうものが存在している。しかしその周囲にバリアのようなものが張られていた。その中心にバリア発生器と思われるジェネレーターも発見した。
「なんだこれ?」
「チッ。貴族連の連中、遂に稼働させるにまで開発したか」
「兄様」
「ああ。こいつは厄介なことになった。まさか範囲設定まで出来るとはな」
「これは一体・・・?」
「円球状に展開できる、シールド魔法の発生機です。全属性のシールドが張られますので、突破はほぼ不可能です」
「はい?」
「突破は不可能だ。仮に下層と中層の騎士団を倒せたとして、奴らを倒さなければ意味はない」
あれですか。ゲームとかで良くある結界ってやつですか・・・。厄介どころの話じゃなくね?
何なんだよ全属性シールドとか!頭がご臨終なされてるだろ絶対。開発者を恨んでやる!
よし。落ち着いた。文句を言うのは後にして、まずこの状況を打開しないとな。
生中継作戦に支障が出てくるわけじゃない。だがそれ以前に攻め込む隙がない。演説してからどうするかは反乱軍次第だから良しとして、仮に演説後、直ぐに武力介入するのだとしたら、それはまず不可能になる。それに後手に回っていたら折角の演説の効果も薄れてしまう。
「とりあえず、侵入可能か試してみるか」
帰還命令を実行している1番中継機を使って、アクセスポイントを探してみるが反応がない。中継機に積んでるのはパッシプもアクティブも可能なタイプのもので、アクセスできるなら反応する筈なんだが・・・。
反応しないということは、シールドによりアクセスできないジャミング状態なのか。或いは術式とかを組み込んでいないのか。
「陛下。このシールド魔法の発生機なんですが・・・」
「私も深いところまでは知らないが?」
「いえ。流石に、アレは術式を組み込んでますよね?」
「当たり前だろう。逆にああいうものに術式を組み込んで命令しなければ、動く筈がない」
やはり前者の可能性が濃厚になってきたな。ジェネレーター的なアレを機能停止に追いこむにはどうする?
アクセスは不能。演説後は恐らく警戒強化でシールド魔法ジェネレーターを消すわけが無い。出入りの時に消えるとも思えない。いちいち点けたり消したりしてたらしょうもない。抜け口でもあるんだろう。
・・・あんまり使いたくないけど、やってみる価値はあるか?
EMP。これでジェネレーターを破壊する。ジャミング機といえども物理的破損には耐えられないはずだ。
「これは面倒なことになりそうだな・・・」
次の投稿は3月2日を予定しています!
いつも沢山のPV・ユニークをありがとうございます!
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