のんびり休暇 5
1月2日どころか5日になってしまいました。
待っていてくれた皆さま!申し訳ございませんでした!
「ちょっと・・・無理をしてしまったかな」
鳥さんと戦っていたボクは、タイプ2の弾薬を全て使い果たして木の枝に座って隠れていた。
森の中で隠れたときに枝に引っかかって腕に切り傷を負ってしまった。血が出てるけど幸い浅いから大丈夫そうだ。
ご主人は2分と言っていた。でも何分経っても来ない。ご主人にボクを迎えに来てもらえる雰囲気はなかった。
ご主人のお友達はボクは人によって作られたって言ってた。人が作るってことは簡単にできるってこと。
ボクは捨てられたのかもしれない。
「あれ・・・おかしいな・・・目からしょっぱい水が流れてくる・・・」
不思議な感じで、苦しい。
でもご主人がそう考えるならボクは従わなきゃいけない。それがご主人の意思なんだから。
すると鳥さんはボクを見つけてこっちに飛んできた。避けることなんて考えることはできない。
ただ、ご主人の顔が思い浮かんだ。空に向かってボクにとって最後の言葉を、泣きながら叫んだ。
「ごしゅじんさまぁ!たすけて!」
目を閉じていたからボクはわからなかった。痛みも無くて、不安しかない。
「悪かったな。マグノリア」
その一言と一緒に現れたのはご主人だった。
ご主人はボクを肩に乗せると、手から教えてもらってない銃を出した。大きさはタイプ1くらいでカチャカチャ部品が動いている。
「マグノリア。すまなかった。怖い思いをさせてしまったな」
「ごしゅじん・・・ボクをずてたんじゃなかっだの?」
「まさか!ただちょっと見つけるのに手間取っただけさ」
ボクはもっと泣いた。ご主人が迎えに来てくれた。ボクを助けてくれた。それだけでもボクは嬉しかった。
「小型の衝撃波装甲でジャンプできたのはびっくりしたな・・・。さて。鳥野郎。俺の家族によくも手を出してくれたな。言いがかりかもしれないけどよ!」
ご主人が銃の引き金を引くと、独特な音と一緒に水色の光の塊が鳥さんの羽を貫いた。
鳥さんはびっくりしてどこかに飛んで行って、それを見届けたご主人はゆっくり地上に降りてボクを撫でてくれた。
ご主人が森の入り口まで帰ってくると、あの女の人達がいた。変な椅子に乗った女の人は別の女の人に押されながら移動している。
ご主人は帰るまでが依頼だから、と言ってさっきまで何故か出さなかった銃を出して草原を歩く。
ご主人と帰る途中にご主人の肩の高さから見えたお日様は、森に入ったときより何だか赤くなっていて、燃えているようで、ゆらゆらしていて、眩しかった。
ギルドに到着するころには日が沈みかけていて、ボクを探すのにご主人がどれだけ時間をかけてくれたのかが分かる。
それから女の人達はお礼を言って、人が沢山いて明るい方向の道へ帰っていった。ボクとご主人はギルドの受け付けで報酬を貰った。
「か、かわいい!可愛すぎる!なんですかこの妖精は!撫でてもいいですか⁈」
「ミネさんでしたか。マグノリア。撫でて貰いな」
「う、うん」
ミネさんはマグノリアのほっぺたをプニプニ触ったり頭を撫でたりスリスリし始めた。
マグノリアの腕についていた切り傷も回復魔法を使って治してくれた。
「ミネさん。お願いがあります」
「なんでふ?」
「馬車とか、呼び出せますか?」
「馬車、ですか。ハインドさんは勝手に動く馬車を自分で出せるじゃないですか。トラックとかいう名前でしたっけ?」
「まあそうなんですがね。色々あって自分で運転するには疲れちゃって」
「一応呼べますよ。ハンターギルドと商人ギルドは提携していまして。Aランク以上のハンターは送迎に馬車を使えます。ただですね。ここ3年は使われていない制度ですから、使えるかどうか分からないんですよ。聞いてみますね」
ミネさんが仕事場のカウンター式の机に描かれている魔法陣に手をかざすと、画面のようなものが現れた。
そして画面に映ったのは、髪がボサボサで目にクマがあり、覇気がない顔をしたおっさん。大学受験を4日前に控えた先輩と同じような感じだ。
「クルトイト。馬車を出せ」
『あ?誰だテメ』
「私だ」
『チッ。ミネかよ。今日は悪いが勘弁してくれ。ようやくベッドで寝れんだ。毎日毎日机の下での仮眠にはもうウンザリなんだよ。何かあるなら部下の』
「ギルド長にあの件、ばらすぞ」
『バッ⁈馬鹿野郎!あの件は副ギルド長に頼まれたんだ!断るのは無理だったんだ!ボスにバれたら俺のポジがパーになる!』
「ならよこせ。10分以内だ。ああそうだ。制度利用な」
『クソッ・・・。おい。3年ぶりのギルド提携制度利用者だ。10分以内に向こうへ回しておけ。はあ?殆ど営業時間外?知ったことか!ならウチの当直騎手にでも頼め!やれ!』
「流石は元伯爵家のお抱え騎手ね」
『ジジイの代を引き継いで、細々とやってきて、今はギルドの中間管理職だがな。それにしてもお前の性格の変わりようは相変わらずだな』
「そうね。何時からだったかしら?貴方を殺しかけたの」
『・・・すまんが思い出したくない。切るぞ』
画面から男が消えて、ミネさんは当たり前のようにマグノリアを目で始める。
ミネさんとあの人の間に何があったのか知りたいような知りたくないような気持ちだったが、拷問が好きなミネさんとの関係を持ち、かつ殺しかけたという経歴を考えると聞いてはいけないパンドラの箱だ。
「ご主人!たすけてぇぇ・・・」
気付いたらマグノリアとミネさんはいつの間にかスタッフルームらしき部屋に移動していた。
マグノリアのくすぐられた時に出る笑い声が出たと思えば、ミネさんの不穏な笑い声が聞こえてくる。
6分後、スタッフルームから出てきたマグノリアは変わっていた。
服は白ワンピースに変わり、頭には黄色の花飾りがある。先ほどまで着ていた貧乏な服とは打って変わり、女の子っぽさを前面に押し出したデザインとなっている。
元々木箱に入っていたあの薄汚れたデザインの簡易な服は何故か小さな宝石などが散りばめられ綺麗になっている。
「ああ・・・女神様のよう・・・」
「6分でこれを作るとか・・・。ミネさん。貴方、何者です?」
「ありがとう!ミネお姉さん!ボク、この服大事にするよ!」
「マグノリアちゃんが望むのであれば何時だって作るからね!」
その2分後、馬車がハンターギルドに到着。身分証明をしてミネさんに改めてお礼を言って屋敷へ帰路に着いた。
馬車に揺られながら移動していると、マグノリアがウトウトし始めたので肩から下ろして手の平に乗せた。
スースーと寝息を立てているマグノリア。今回、怖い目に合わせてしまったのは完全に俺のミスだった。次から気をつけないとな。あの時、泣いていたのが分からなかったと思うと・・・考えたくはないな。
「ご主人・・・ずっと・・・ずっと・・・捨てないで・・・」
「捨てないさ。絶対に」
ふと馬車の中が月明かりで照らされ、自分の足元に新聞らしきものが落ちているのを見つけた俺はマグノリアを横に置いて新聞の見出しを見てみることにした。
「さて、世界情勢はと・・・」
《エヴィロイド、反乱軍鎮圧。独裁政権、依然続く。貿易関係国、高額化していくモンスター素材の金額について協議を開始。》
エヴィロイドといえば、コレンの故郷だ。あいつに見せたらどう思うか、聞いてみるか。
・・・待てよ?コレンの旧友とかいうウィグってやつが反乱分子扱いされてたな。
だがコレンは独裁政権に媚びへつらうようなやつじゃない。
コレンが誤解をしている可能性があるな。聞いてみるか。何か分かるかもしれない。
いつもPV・ユニーク、ありがとうございます!
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