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天国から追い出されて不老不死  作者: ラムネ便
休暇はのんびり過ごしたい
25/91

のんびり休暇 4

また遅れてしまいました・・・申し訳ございません。


 

 エーキル伯爵と魔術原基の話が終わり、その後は夜勤をしているメイドにコーヒーを淹れてもらい雷属性の話をして、寝たのは午前様だった。


 その結果、寝坊してブランチになってしまった。マグノリアは自分で起きて自分から食堂に向かっていた。

 主人ともあろう者が情けない。これからは反面教師にならないように気をつけなければ。


「そういえば荷電粒子砲・・・もといレーゲンベルグはもう完成してるんだよな?試射してみたいんだけど・・・またやらかしたらどうなるか」


 俺は未だにあの時の事が忘れられない。

 そう。衝撃波装甲を試した時の事だ。あの実験のせいでハンターギルドでやばい事になってしまった。

 ずっと黙っていたが、多分ミネさんには見破られているだろう。あの人は雰囲気的にもヤバイことは大体分かる。


 レーゲンベルグはラストシューティングみたいな感じで上空に撃ち出してから考えた方がいいかもしれない。


「完全に忘れてたわ。威力とか鑑定スキルで分からんかね・・・」


 とりあえず鑑定スキルを起動してみると・・・何かの通知とともに出てきた。

 その通知には鑑定スキルのアップデートと表示されている。律儀にバージョン数まで書かれてるし。


 ・・・鑑定スキルってレベルじゃないのかよ⁈よくラノベで見る鑑定スキルがレベルアップしましたとかいうやつじゃないの⁈

 時代はスキルですらもアップデート方式なのか?


「まあ・・・取り敢えず注意事項が書かれてるから読んでみるか。何かあるかもしれないし」



 鑑定スキルver1.0のお知らせ。

 このアップデートには重要な変更が含まれています。


 ・鑑定スキルの精度上昇

 鑑定出来るものが増えました。現verでは敵ステータスまで見ることができます。


 ・修理の自動化

 貴方のスキルを快適に。ステータスで修理を選ぶと魔力計算と共に修理を開始します。


 ・ウイルス対策

 新型のウイルス対策です。貴方の大切なデータをお守りします。


 当社のご利用規約に同意されない場合、鑑定スキルのアップデートをすることができません。ご了承ください。



 何だろう。林檎がひとかじりされてるようなマークを思い出してしまった。だがこれ以上話すと色々な意味でやばくなりそうなので控えることにしよう。


 鑑定スキルのアップデートを開始した為、技術スキルの『忘れ去られた智恵』を開けるまで暇になった俺は、マグノリアの試験も兼ねて一緒に連れてギルドに向かうことにした。鑑定スキルがないと何故か『忘れ去られた智恵』が開けないのは改善して欲しいな。次のアップデートに期待するとしよう。


 ギルドに向かう理由としてマグノリアの試験第二段階をクリアさせる為でもあったが、定期的に銃を撃っておかないと忘れそうで不安になりそうなんでね。


「ギルドへ行くだけなら小型トラックでもいいか。生成したい・・・んだけど鑑定スキルが使えないのか。スキルが全部鑑定スキル依存とか酷いにも程があるだろ!仕方ない。歩いていくか」


 結局25分ほどかけて歩いてギルドに行き、依頼の割には報酬が低すぎる、いわゆる塩漬け依頼を受けることにした。

 ミネさんは止めてきたが、マグノリアの為の試験なので報酬は低かろうが高かろうが変わりない。

 ちなみに依頼自体は至極簡単。近くを通る貴族が魔物が大層嫌いなそうで、アルスの周囲の魔物を軽く追っ払ってくれとのこと。

 何故塩漬けだったのかは知らないが、貴族が頼む割に報酬が低過ぎるからだろう。或いは毎回頼むからなのか。


 とりあえずその貴族様が到着するまで待っていたのだが、来たのは金髪をしていて車椅子に乗った貴族だった。そばにはメイドもいて、押す役目のメイドなど約5人がいた。

 するとメイド長らしき眼鏡をかけた人物がこちらにやってくる。


「私はこちらの、レン子爵様のご息女であるケリーお嬢様のお目付役であるメイド長です。この度は依頼を受けていただき有難うございます」


「いえ。問題ないです」


「ケリーお嬢様は魔物による怪我で深いトラウマと同時に歩けなくなってしまい、我々が外へ散歩を促しても行かなくなってしまいました。しかし今回は勇気を出して来ています。なのでそちらもしっかりお願いします」


「分かりました。マグノリア!ちょっと来い」


「どうしたんですか?ご主人?」


 一度マグノリアを呼び出して辞めるかどうか聞いてみる。が、マグノリアの答えは・・・


「やれるよ。大丈夫。ご主人だって自信が一番大切だってボクにいつも教えてくれたじゃないか」


「・・・分かった。だが今回は俺も手伝う。試験はそれで合格だ」


 鑑定スキルのアップデートはあとインストールだけで終わる。インストールはさほど時間はかからなそうなので何とかなりそうだ。

 マグノリアにタイプ1とタイプ2の許可を与え、子爵のお嬢様と共に散歩を始めた。ちなみにタイプ1は狙撃銃。タイプ2はアサルトライフル。

 歩く範囲は限られている。安定している森の中にも入るのも計画のうちに入っているらしいので早めにアップデートしたい。


「それにしても・・・静かな草原だ。俺達居る意味あるのか?」


「スライムの一匹たりともお嬢様に近づけさせてはなりません。確実に仕留めてください」


「・・・承知しました」


 草原を歩き始めてから数分後、小さなウサギなどの小動物はいるがモンスターを見ることはない。とはいえモンスターが襲ってくる可能性もあるのでマグノリアは常時戦闘態勢にいる。

 更に数分後、ようやく出てきたのは弱い小さな植物モンスター。マグノリアはショットガンで瞬時に蹴散らし、戦闘は終わった。


 早くスキルを使いたいのだが、インストールしたのかと思えば次はプログラムを構成中と出てきた。Win◯ows並みにイラつかせてくる。

 奴らは俺にストレスしか与えることができないのかよ。


「冒険者様、冒険者様」


「え?あ、はい。なんでしょう?」


「これより森に入ります。気を引き締めて下さいね。お嬢様が傷を負われたら一大事です」


「わかりました。マグノリア。タイプ2で警戒態勢だ。上空からの哨戒を怠るなよ」


「いえっさー!」


 今回のマグノリアの試験、それは上空からの哨戒任務だ。妖精ならではの対空戦闘の得意さを上手く利用出来るかどうかの試験。


 だが、この後俺が一番嫌な事が起きてしまった。

 あと少しで鑑定スキルのアップデートが終わろうとした時に限って、マグノリアから警戒発令を出されたからだった。その警戒発令は『コード8』。コード8とは俺が考え、マグノリアに教えた警戒発令暗号の一つで、低空を飛ぶモンスターに対して使う警戒発令。


 その低空を飛ぶモンスターというのがブルーオウルと呼ばれる巨大な青い梟。

 速さは無いが、目がいいと伯爵から聞いた事がある。もしかしたら奴らのテリトリーに入ってしまったのかも知れないな。


「アップデート完了まで・・・あと2分か。マグノリア。2分だけでいい。引きつけられるか?」


『何とかやってみるよ。ボク、頑張るからご主人。帰ったら撫でて』


「約束しよう。さて、メイド長さん。近くにブルーオウルが来たそうです。我々が引きつけますので退避して下さい。まずは森から出るのを最優先に」


「分かりました。お嬢様、行きますよ」


「・・・って」


「はい?」


「必ず追い払って。冒険者さん。私・・・もうあんなのは・・・」


「承知しました。では」


 森の入り口付近だったので入ってから10分も経たない内に子爵の娘は脱出できるだろう。

 だが一番の心配はマグノリアだ。タイプ2で引きつけておけとは命令したが、アサルトライフル程度で何とかなる相手じゃない気がする。


 俺は鑑定スキルのアップデートの時間を気にしながらアサルトライフルの音がする方向に走った。



いつもPV・ユニーク、ありがとうございます!

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