キツマン
薄闇がまたやって来て
君の影だけがやけに艶めいて
触れたら壊れそうなその瞳に
僕はぐっと縛られる
どぴゅっと搾り取られる
嘘みたいな声で呼ぶから
欲がどくんどくん跳ねてしまう
逃げたいのに逃げられない
毒みたいな甘さで満たしてよ
キツマン キツマン
夜を舐めるような響きで
僕の名前を呼んでみせて
理性なんて溶けてしまう
キツマン キツマン
爪先で踊る影法師
君の罠だと知りながら
堕ちていくのが心地いい
乱れた呼吸が絡みついて
月明かりが僕らを照らす
指先が熱を帯びて
戻れない場所へ導いていく
「愛してる」なんて言葉より
もっと深いところで力強く繋がりたい
孤独を飲み干すように
僕の傷をもっと舐めてくれ
キツマン キツマン
妖しく揺れる
淫らでもっとめちゃくちゃにしたい
夜の底へ首締めして沈めてくれ
もう抗えないほどに
乱暴を奮って
苦しくなりたいよ
キツマン キツマン
壊れた性癖の片隅で
君と僕が混ざり合えば
それだけでどんなものにも救われる気がした
最後の灯りが揺れる頃
君が微笑んだ
僕の唾液が混じった口で
キツいまんまのこの痛みを
抱きしめてくれるのは君だけ




