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私たちの島では16歳から島に何かあった時の為に力になれる人材を育成する機関がある。
みんな分かりやすいようにその機関を訓練所と呼んでいるのだが、私は16歳から学校が終わり次第そこに通っている。
その訓練所に通い始めて7年、色んな人と交流を持つようになった。
入りたての頃は右も左も分からなくて、でもみんな私の両親が有名な教授である事を知ってか“有名教授の娘”として私に接してきた。
私はそれがとても嫌で有名な教授なのは親で私は違うのにどうして皆わかってくれないんだろう。
色眼鏡で見られるのは真っ平なのに…と思っていた。
だから私は“私”を見てくれる相手が欲しかったのかもしれない。
有名教授の娘としてじゃなくて“ユウキ”として相手をしてくれる人が欲しかったのかもしれない。
そう思うと大佐を口で言うほど嫌がっていない自分の気持ちに少しだけ納得がいった。
私は訓練中も後輩に教えながら昔の事を考えていた。
そのせいもあり今日の訓練はやけに早く時間が過ぎた気がする。
『それではこれで今日の訓練を終了とする!』
大佐のその一言で今日の訓練も滞りなく終わり私は着替える為に更衣室に向かおうとすると大佐に腕を掴まれ
「駐車場に集合な?」
と耳元で囁かれ私は無言のまま頷いた。
それを見て大佐はわざと大きな声で
「女は何かと時間がかかるだろうから何分かかってもいい!
でも逃げるなよぉー」
と言いながら教官室に戻って行った。
まったくあの人は…他にまだ人が残ってんだろうが。
と心の中で悪態をつきながら更衣室へ向かった。




