(2)
そんな談笑をしていると私の携帯が震えた。
液晶を見るとそこには【ナバリン大佐】の表記。
私はライラとガウスに断り少し離れたところで電話をとった。
「もしもし。」
「あ、ユウキ?今どこにいる?」
「家の近くにある小さな公園ですが、何かありました?」
「いや、暇だったから電話したんだが。」
「そうでしたか。私はあなたと違って忙しいので用がないのなら切りますね。」
「おいおい、ちょっと待ってくれ!本当お前は釣れないなぁ。それが彼氏に言うセリフか?」
「彼氏?誰かと間違えて電話なさってます?」
「本当釣れないなぁ。まぁ、俺はそんなお前が好きなんだが。」
「はい、はい。そんな事を言う為だけに電話してきたんじゃないでしょう。」
「おいおい、俺の告白はスルーかよ!?まぁ、いいけど。そうそう、本題なんだけどさ、今日の夕方の訓練の後、飯食いに行かない?」
「ご飯?他には誰が行くんですか。」
「今日は俺とお前の2人で行きたいんだけど」
「え…2人?」
「そう、2人。この間お前が行きたいって言ってたパスタ屋行こうよ!」
「あそこはライラと一緒に…」
「出た!ライラ!お前どんだけライラが好きなんだよ。そんなんじゃライラに彼氏が出来たらお前どうすんの?」
「いや、もうライラ彼氏いるし」
「え!?マジで?俺の知ってる奴?」
「貴方が知ってるかどうかは知りませんが、名前くらいは聞いた事あるんじゃないんですかね。」
「へぇー。って話しを反らすな!!パスタ屋行くよな?」
「いやいやいや、行くよな?って…」
「いいじゃん。減るもんじゃないしさ。行こうよ!」
「はあ…じゃあ奢って下さいね。」
「もちろん!っていうか俺がお前に金払わせた事ねぇだろ」
「その代わり違う事を求めてきますもんね。」
「そうそう。っておい!!」
「くくくく。まあ、楽しみにしてますよ。パスタ好きだし。」
「楽しみにしてるとかユウキでも言えるんだな?」
「…やっぱり今日は家でご飯食べますね。」
「うそうそ!ゴメン!ごめんなさい!すみません!一緒に行って下さい!お願いします!!ユウキさん!」
「どんだけ必死なんですか。きも」
「え?キモいって言った?大佐の俺にキモいって言った?」
「権威を振りかざす男は嫌われますよ。」
とそんな下らない会話を2〜3分して大佐との電話を終了させた。
あぁ。あそこのパスタ屋に行くなら服を変えて来なきゃな。
そんな事を考えているとガウスに
「電話誰だったんだ?」と聞かれて
「大佐」と答えると
「またかよ!で、今回は何の用だったんだ?」
と聞いてきた。
訓練の後に大佐とご飯に行くと言えば今までの経験上、ガウスの機嫌が悪くなり今日の訓練に行くなと言われかねないと思い
「別に。今日の訓練に遅刻するなって言われただけ。」
そう答えると怪訝な顔をしつつも
「ふーん。優等生様には大佐から直々に連絡が来るだなあ〜。」
と嫌味を言われたのだがいつもの事だったので無視しておいた。
私に無視された事がムカついたのか、私の回答が納得出来なかったのか分からないが、その後も家に帰るまでガミガミと怒っていた。
そして夕方になり、私は訓練に行く為の支度をしていると引き出しの中に何かが詰まっているのを見つけた。
この写真…この家に持ってきてたっけ。
そう思いながら写真を裏返すと
コウキ ユウキ ずっと一緒だよ
と幼さが残る字で描かれていた。
これを書いた時、私は…コウキは…どんな想いだっただろう。
そんな事を思いながら写真に写る男の顔を撫でた。
コウキ…今どこにいるの?
ちゃんとご飯は食べてる?
あんたは甘えただから私は心配だよ。
と思いながら少しだけ過去を思い出していたのだが、時計を見るともう家を出ないと遅刻する時間になっていたので急いで家を出た。




