プロローグ1
西暦3042年、地球は滅亡した。
原因は人間が地球の全ての資源を食い尽くしたのだ。
もう、石油が出てくることは無かった。
大気汚染雲の役割を果たし、太陽の光は地球には届かなかった。
ほとんどの植物は枯れ果て、海は95%が濁った。魚なんて生きている訳がない。
そんな中、一人の若き天才女科学者、『Ery』が一つの惑星を見つけた。
その惑星へ衛星が飛ばされた。
衛星が戻ってきて、映っていた映像に人類は驚愕の顔を示した。
その惑星には地球の様に動植物がいたのだ。
エリーは考えた。「動植物がいるということは、空気や水も在るのでは?」と。
そしてこの惑星には名前が付けられた。エリーから名前を取って、『Second Ery Earth』通称『SEE』。更に、このSEEへ人類移動計画が始まったのだ。
しかし人類、約170億人全てを移動することなど出来る訳がなかった。
エリーは頭脳が優れた、身体能力が高いなど、特別な人しかロケットに乗せなかった。そして言ったのだ。「我々の様な生きていて価値のある者しか、私は人類と認めない。」と。
そして数百人を乗せたロケットが飛びたった。
SEEは想像よりも一段と素晴らしかった。地球の何千倍も大きかったのだ。
SEEに着いた途端、エリーは早速SEEを調べ始めた。
空気の成分から、動植物の観察、地球と似ているところまで。約20年の年月をかけ、SEEの大体を解き明かした。
SEEは淡水と二つの島で出来ていた。今人類がいるところを表だとすると、ちょうど裏側に全く同じ大きさの島があるのだ。エリーの計算が正しければ、その裏側に行くには実に500年はかかるとされている。
動植物はこの表側だけでも約数十億の動植物が確認されている。しかもその動物は大きさや毛色が違うだけで、全てと言っては過言ではないほど、体の作りを始め、見た目、習性、食べていた物、何もかもが地球にいた動物と同じなのだ。
例えばライオンに似た動物は地球よりも少し小さいだけで、肉食なところや、夜行性、全てが同じだった。
エリーは「SEEの生き物全てが地球とほとんど同じなのではないか」と仮設を立てた。そしてその動物達に「ライオンだったらSimilar Lionと『Similar』をつけて、地球の動物と区別をする。」と発表した。
そんなエリーは充実した生活を送っていた。しかし人類はロケットに積んでいた食料が無くなった途端に一つの問題に直撃した。
姿形は同じでも、唯一違った生息場所に悩まされたのだ。
例えば、魚を捕りに短剣を持ち、淡水へ行ったが、何故か浅瀬に地球の蟹の何十倍はあるSimilar Crad(蟹)が5~6匹生息しており、とてもじゃないがあの大きなハサミと短剣じゃ、勝負にならないだろう。
鳥を仕留めようと弓を作ったが、鳥は高度何千mというところにいるようで、矢が届くはずかない。
人類はSEEに来たときは、まだ数百人しかおらず、身を寄せあって生きてきた。しかし、もう20年も経っていれば、その数は実に1億に到達するところだった。
1億人が食料を求め、遂には盗みが起こった。中には殺人を起こす者もいた。力の無い者は餓死しか道はなかった。
とうとう2年で1億人いた人類は5000人へと激減したのだ。エリーは何も出来ず、その辺の雑草を少しずつ食べながら自分の本当の無力さを噛み締めていた。
さらに1年も経つと人類は50人程度まで減り、絶滅を迎えようとした。
エリーは自分の知っている限りの食べれる雑草を食べ、なんとか生き残っていた。
そんなエリーの元へ、一人の女性がやって来た。体は今の人類にとってはあり得ないちゃんと肉がついた体。浮き出ていない骨。そして体つきに合わない大きなお腹。
彼女は妊娠していたのだ。
この食料が無い中もしも妊娠したら、お腹の子供へは栄養は行かず、ほとんどが流産で終わる。エリーはその事を知っていた。
エリーは彼女に伝えると彼女は首を横に振った。
「それは人間同士の恋から生まれた子供の行く末でしょう。しかし私の子供は鹿との恋で生まれた子供です。」
エリーは久しぶりに『知りたいという欲』を掻き立てられた。
彼女の話によると、彼女『Mey』は3年程前から1匹の鹿と恋におちたらしい。そしてメイは鹿の巣へ連れて行かれ、最終的には子供を授かった。しかし鹿はメイとお腹の子供を守るため命を落としたらしい。
人類と鹿の間にできた子供。
エリーは何としてでもこの子供の実験がしたかった。
エリーはこの後絶対にやってはいけない実験へと手を伸ばしてしまった。




