第96話:賢者は聞き愚者は語る?
「俺の隣に座っているピンクの髪の毛が矢崎鼓、金髪でイカつい奴が北島成政です」
璻は頭を軽く下げ挨拶をした
「龍後璻です。よろしくお願いします」
矢崎は璻をじっと見ると八剱に話しかけた
「八剱、その人どちらの方なん?」
北島も深く頷くと八剱に声をかけた
「凪音、紹介するのはいいが俺らがわかるように説明しろよ。礼儀がなってねーぞ?」
八剱は苦笑いをしながら2人の文句に応える
「あーはいはい。龍後さんは明日の俺の環境業務のチームメンバーで。そこでバッタリあったから連れて来ちゃったんだよね。俺らと同じ新人研修のメンバーだよ」
矢崎はふーんと話すと興味津々の様子で璻に話しかけた
「龍後さんだっけ?私、鼓って呼んでねぇ〜てか、私のチームメンバー九鬼朔って人なんだけど、龍後さん知ってます?」
璻は少し驚きながら矢崎に言葉を返した。
「えっ?九鬼さんですか?知ってますけど」
矢崎は身を乗り出し璻に話を聞き返した
「えっ……マジ知ってるの?どんな人?どんな人」
璻は少し頭の中でどう答えるのがいいのか考えていた。
……女性に対して手厳しいところ??信頼すると優しくしてくれるところとか?どれを伝えるべきなのか?……
璻は矢崎に言葉を選びながら話し始める。
「えっとなんというか、女性に対して若干厳しい所があって信頼されると優しい人かな?」
矢崎は璻の話を聞きものすごく嫌そうな顔をした。
「ええーやだぁ〜そういう子供っぽい奴って大概自分の理想の女性象を目の前にいる女に押し付けがちな奴でしょ?キツイよ〜一緒に仕事できるかなぁ?」
璻は想像もしなかった矢崎の言葉に思わずフッと吹き出してしまう。
……確かに九鬼さんそういう所あるかも、ズバッと言うなこの子……
璻はその場でボソっとつぶやいた。
「ふっ…面白いね。鼓さん」
矢崎の発言が解せなかったのか北島はなぜか九鬼のフォローをするように話に入ってくる。
「あのなぁ?男ってのはなぁ、いつだって理想を追い求めたいもんだ。昭和、平成や令和の男達は現実から目を背けないとやっていけない時代だった、それぐらいわかってやれよ。それと鼓、会った事もない人の悪口はよくないぞ?」
矢崎は北島の説教をだるそうに聞いていると北島に対して詰め始めた。
「あーはいはい。説教マジだるいって。つか、そういう理想を追い求め、浅い思想で物事積み重ねた結果日本が経済崩壊したようなもんじゃん。つか別に悪口ではないよ〜事実言ったまでなんだけど!」
北島は矢崎の言葉を聞きなぜか納得すると矢崎に言葉を返した
「戦後からの社会の理想を押し付けた教育をしたからな。浅い思想で物事積み重ねた結果ってのはまぁ…反論しようもないな」
矢崎は少し自慢げに北島に言葉を返した。
「ふふふーん、でしょ?でしょ?つか、そんなことより、成政は誰と組むの!名前は?」
矢崎の言葉に少し呆れながら言葉を返した。
「あー穂積兎鏡って人だ。名前に鏡が入っているから多分八咫烏の一族だと思う」
璻は北島の言葉を聞き璻は穂積の名前が出てくると思わず声が漏れ出た
「えっ……」
北島は璻が穂積の事を知っていると察したのか?北島は璻に質問をした。
「龍後さん知ってるんですか?」
璻は興味津々の北島の質問に応える。
「いや、知ってるもなにも部屋隣で新人研修も一緒だったので…」
北島は少し安心すると璻の問いかけに応えた。
「そっか。穂積さんのこと知っている人がいて安心しました。名前は基本的に人の性格を表しますし、きっと名前の通り兎のような可愛い人なんだろうな……」
八剱はため息を出した。
「また始まったよ…成政の妄想癖」
璻は思わずその場でボソッと呟く
「うっ……兎のように……」
璻は少し考えていた。
走馬灯のように穂積との記憶を思い返してみると穂積は怯えたり、怖がったり、表情がコロコロ変わる。兎のようかと考えると北島の発言はいささか妄想がすぎる気がする。
……いや、なんというか人見知り激しいし怯えるけど、兎って確か環境の変化にとても敏感でストレスに弱い動物だよね?確かに兎っぽいと言えば兎っぽいかも……
璻は顔を引き攣りながら北島の言葉に応えた
「繊細な女の子ですよ。北島さんが会えるまで楽しみにしていた方がいいと思います」
璻の発言に北島は嬉しそうにする
「そうですか。よかったぁ……」
八剱が北島の顔をまじまじと見ると意地悪を言った
「妄想に拍車がかかると仕事に支障が出るぞ成政?」
八剱の言い方が心底気に食わなかったのか北島は八剱に対して口が悪くなる
「うるせぇな〜浮気した元カノ自身に論文書かせるようなサイコパスには言われたくねぇよ!俺が女だったら即振ってるわ」
八剱はなぜかフッと笑うと言い訳を始めた。
「何言ってんだよ!サイコパスじゃねーし……いわゆる一般知識として好きな女の事知りたいから普通だろ?仕事にも活かせるし」
なぜか偉そうにする八剱に対し矢崎も話に加わる
「鼓、八剱だけは無理だわ。元カノに論文書かせるなんて論外でしょ。しかも、まだ持ってるんでしょ?論文?執着しすぎ〜全部知りたいとか石屋かよ。キショすぎる」
矢崎の発言に璻は八剱を見ると顔を引き攣らせながら考えていた。
……えっ、論文持ってんの?そりゃキツイ……
矢崎と北島にコテンパンに言われた八剱はなぜか顔を下に向けひどく落ち込んだ様子に見えていた。
……この2人のあたりが強い。さすがに八剱さんが可哀想に思える……
璻はすかさず八剱にフォローを入れた
「可哀想だからそれまでにしましょうね?ね?論文なんて若気の至りで悪気あったわけじゃないし……ね。八剱さん?」
矢崎は思わず璻に話しかけた
「あっ……龍後さんそいつをフォローしたらダっ……」
矢崎の発言は一歩遅かった。急に態度を変え八剣はコロッと笑うと璻に満面の笑顔を向けた
「ですよね!俺悪気ないですもん。知りたい事を知らないで何が悪い!鼓に振られようが、成政に振られようが俺は秒で立ち上がる。ありがとう龍後さんっ!俺これから頑張っていけそうです!」
矢崎は呆れた顔で八剱を見ながら璻に言葉をかけた。
「あぁークソめんど。八剱は立ち直るの早いんよ。仕事はクソ真面目なのにプライベートはサイコパスだからね」
調子が良く饒舌な八剱を見ているとむしろフォローしない方が良かったなぁと璻は後悔した。
そんな雑談をしている中、襖を開けて喜三郎と義景が静かに部屋の中へ入る。なぜか2人が入ってくると周りはあっという間に静まり返った。
喜三郎が手を何回か叩き全員に号令をかけた。
「はい〜!みんな〜明日の業務について連絡するからよく聞いて。義景、説明頼むぞ」
喜三郎は義景の肩を叩くと義景は深いため息をついた。
「はい、はい…ったく…」そう呟いた義景はだるそうに応えると40人を目の前にし明日の行動について真面目に話し始めた。
「今回の総指揮はこの諏訪義景が取ります。何か緊急で連絡があれば俺に報告をください。今回は地下水や湧水の量が極端に少なくなっており生活水が足りないと世界政府とこの土地の地域住民から報告を受けました。現状この土地のある区域では森や木が枯れてきており、野生の動物も白骨化した姿が何度も発見されています。なお、この土地の一部が砂漠になっているとも報告を受けておりこのままでは作物が育たず、食べる物も取れなくなります。最悪なのがだんだんと砂漠化の土地が広がってきており、このままだと水資源が枯渇する。そう判断した世界政府は水流士に依頼を出してきました。まぁ…要するに世界政府じゃ何してもダメだったので水流士頼むとのことらしいですが」
璻はこの話を聞き唖然とする。
……この自然豊かな地域、山に囲まれた土地でも水が出ないということがあるのか?……
諏訪は持っている書類に目を通しながら話し始めた。
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新キャラクターのご紹介
・矢崎鼓
性別:女性
誕生日:5月11日(おうし座)
趣味:ドラム、和太鼓、ゴング、ハンドパン、クリスタルボウル
特技:超聴覚、人間観察、特殊な周波数を聞き分けること
好きなスポーツ:キックボクシング、体感トレーニング
理解できないもの:八剱の論文、成政の説教、重力
・北島成政
誕生日:1月25日(水瓶座)
性別:男性
趣味:人間観察、ヨガ、水分子の配列を見ること
特技:超視覚(幽霊から神様みたいなものまで見える)料理、洗濯、護身術、御神事、水分子の変動の確認、
好きなもの:丁寧な暮らし、自然
理解できないもの:自分の心を曲げてまで大金をもらう人間、過度な執着する人間
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