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勇者モモコと魔法少女アンベールのぼうけん  作者: s_stein
第二章 レベルアップの旅

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53/100

53.女シーフ

 モモコが意識を取り戻したとき、まだゼプトが治癒魔法で治療中だった。


「ゼプト。ありがとな」


 モモコのねぎらいの言葉に、ゼプトは少し顔を赤らめるも、治療を続ける。時間がかかっているということは、重傷だったようだ。


「咄嗟の判断で、よく防げたな」


 アルバンは、成長する剣でフォルシオンを弾き飛ばしたモモコを称える。


「ああ、あれか? 無我夢中だったよ。

 自分の力で弾き飛ばしたというよりかは、剣が弾き飛ばした感じだ。

 もっとでっかく成長すると思っていたけど、違う部分で成長したのかなぁ」


 そう言いながら、モモコは木に突き刺さったフォルシオンを見上げる。


「なあ。あの剣を奪ってもいいよな。後ろから振り回されても危ねえし」


「もちろんだ。戦利品にちょうどいい。後で、武器屋で売ると資金の足しにもなる」


「で、エスカ。そいつを動けないように体力0にしたか」


 エスカは鼻をフンとならす。


「もちろんだ。言われるまでもない」


 モモコは、自分のステイタス画面を開く。


 ――――――――――

 ステイタス

 職業:勇者

 LV:3

 経験:230 知能:270 攻撃:265 敏捷:255

 体力:215 耐久:285 魔力:240

 :

 ――――――――――


「あいつも動いたから、少し体力が減ったみたいだな。でも、その体力を丸々もらえて、こっちは助かったぜ。おそらく、200を切っていたからな。

 経験値は、あいつを倒して200から230に上がったってとこか」


 それより、知能以下のスキルがそのまま奪えて、軒並み200からグンとアップしたことにモモコはムフフと笑う。


「いやー、この調子で、LV4、LV5って、ガンガンいくぜ!」


 モモコは、拳を振り上げた。


「まだ動いちゃ駄目」


「お、おっす……」


 ゼプトの忠告に、モモコは頭をかく。



 モモコが回復すると、今度こそセーブをした。


「さて、次の場所へ行くか。

 ……そうだ、女。ゲルトはそのままにしてやる。それまで奪うと、こっちが盗人みたいだからな。って言っても、体力0だから言葉を返せないか」


「スキルを奪うのは、盗人に近いがな」


「アルバン! そういうことを言うな! 戦利品だろうが!」


「物は言い様だ」


「いいや、これは立派な戦利品だ!」


 二人は、言い争いながら歩き始めた。他のみんなは、苦笑いをしながら後に従う。



 一行が、そろそろ林を抜けると思われた頃、アルバンが急に足を止めた。すぐ後ろにいたモモコが、ぶつかってアルバンにのしかかる。


「おいおい! 急に止まるなよ!」


「静かに!」


「どうした?」


「そこの木の陰に、誰かいる」


 アルバンの指さす先に、ひときわ太い木があった。


 じっと待っても、時折吹く風で木々の葉がザワザワする音しかしない。


 待ちきれなくなったモモコは、アルバンの前に出た。


「おい! そこに隠れている奴! いることはわかってるんだ! 姿を見せろ!」


 すると、木の左から赤いドレスの女が現れた。


 亜麻色のロングヘアに碧眼の美女だ。身長は、170センチメートルのアンベールより頭一つ高いから、女にしては大柄だ。


 その女が後ろに手を組んで、ニヤニヤしている。


「誰だ、お前?」


 そう言いつつも、モモコは頭に流れ込んでくる女のスキルに驚愕した。


 ――――――――――

 ステイタス

 職業:シーフ

 LV:4

 経験:350 知能:385 攻撃:375 敏捷:399

 体力:392 耐久:325 魔力:370

 :

 ――――――――――


「なあ、アルバン」


「何だ」


「超やっべーのが来た……」


「見ればわかる」


 女が足を踏み出す。一行は、一斉に後ずさりした。


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