97話 初めての・・・
歩き始めて3時間程すると、太陽も少し傾いてきたので、少し街道から外れた所にマジカルハウスを設置して野営することにした。
今日の夕飯はハンバーグだ。ボールにひき肉を叩きつけるアリアがちょっと怖かった。
何か嫌な事でも・・・うん、あったな。思う存分に叩きつけてストレス発散をしてほしい。
そんなアリアの頑張りもあり、出来上がったハンバーグはしっかりした形を保ち、とてもジューシーに仕上がった。
食卓ではマグロがワームを要求してきたが、もちろん却下した。てか自分の部屋に魚の餌用のやつがたくさんいるんだからそれを食え。
夕食後、マグロは自室に籠ったので、俺達は風呂に入ることにする。
トリスは何かやる事があるらしく、今回は一緒じゃない。
今日あんなことがあったから、アリアも男と入るのは嫌かと思ったんだけど、一緒に入るようだ。
ただ、バレリアンに触られた事が相当嫌だったんだろう。なかなか洗い場から出てこなかった。
いつもの3倍くらい時間を使って体を洗っているみたいだ。
タァマちゃんと湯船に浸かりながら、そろそろ出ようかーと話したところでアリアが入ってきたので延長戦に突入だ。
さすがにタァマちゃんは湯あたりしそうだったのか、アリアが入ってから1分くらいで俺の頭に登り始めた。普通に風呂からあがればいいのに。
タァマちゃんが俺の頭に登った時にタァマちゃんの裸体が目の前を通過するが、紳士な俺は動じない。でもタァマちゃん、お兄ちゃん以外にはそんなはしたないことをしちゃいけませんよ。
食生活が改善した為、最近は肉付きが良く、健康体そのものになったタァマちゃんだ。それでも9歳には見えない小ささだけどな。タァマちゃんはずっとこのままでいてもらいたい。小さい子って可愛いよね・・・
ってそうじゃない。以前ロリコンと認めてしまったような気もするが、やっちゃいけないことくらいはわかっている。例えタァマちゃんの体の隅々まで知っているとしても、それは変態だからではない。毎日一緒にお風呂に入って体を洗っているから知ってしまったというだけだ。どこを撫でれば嬉しいのか、どこが苦手なのかを知っているのもそれは俺が優しいお兄ちゃんだからだ!タァマちゃんマジ可愛い、マジ天使。
でもね・・・タァマちゃんがどんどん女の子っぽくなってきて、お兄ちゃんタァマちゃんとスキンシップするの辛くなってきたかもしれないよ。やめる気は無いがなっ!!だから俺の中の天使さんを応援してあげてねっ!お兄ちゃん頑張るから!
そんなラブリータァマちゃんを頭の上に乗せて湯船に浸かる。
タァマちゃん、お兄ちゃんもね、ちょっとのぼせてきちゃったかもしれないよ。
しかし、アリアが入ったばかりなので、出るわけにはいかない。なんとなくだけど、アリアを1人にしちゃいけない気がする。
そんなことを考えつつ隣を見ると、桃色の女神様がいた。
最近は慣れちゃってるからあんまり気にしなくなったけど、やぱりアリアってとんでもない美人だよな。
俺はこんな女の子とキスしちゃったりする仲なわけだ。
・・・あれ?俺とアリアって結局どういう関係なんだろう?
お互いに好きだってことは伝え合ったけど、恋人ってことでいいのかな?
でも付き合ってるわけじゃないもんなー。キスまでしておいてそれはないだろうって感じだけど、なんで俺達は付き合っていないんだろう?
そうか、俺が付き合ってくれって告白してないからだ。
大好きだって自分の気持ちを伝えた所で止まっている。
パーティとして常に一緒に行動してたからなぁなぁになっていた。
こういうのはハッキリさせた方がいい・・・よな?
アリアは勇気を出して俺に想いを告げてくれた。
それに応えないと男として、いや人として卑怯だよな。
ただ俺は異世界人だ。地球に帰れる方法が見つかったら帰る人間だ。
帰る?・・・俺はアリアやタァマちゃん、それにトリス達を残して地球に帰れるのか?
俺は、俺は・・・だぁーっ!やめやめっ!色々考えすぎだ!こういうのはシンプルなのが一番なんだよ!
俺は今どうしたいのか。俺はアリアやタァマちゃんとずっと一緒に過ごしたい。アリアが好きだ。
それならちゃんと付き合って欲しいって、恋人になって欲しいって伝えるべきだよな。
よし、この後都合良く2人になる約束をしている。その時にこの気持ちを伝えよう。
「何を難しい顔して考えてるの?」
「はわっ!?な、なんでもないよ!?ちょっと今後の事について考えてただけだから!」
今はダメだ。まだ心の準備が出来ていない。ヘタレじゃない。ヘタレじゃないぞ。
「ふーん?ねぇそろそろ出よ?のぼせちゃうよー。」
「そ、そうだね。じゃあ先にあがってるよ。」
アリアに声を掛けて、タァマちゃんと一緒に脱衣場まで戻ってパジャマに着替えた。
トリスにお風呂が空いた事を伝えてから、2階に上がってベッドにタァマちゃんを寝かせる。
「タァマちゃん。俺ちょっとこの後アリアとお話するから先に寝ててね。」
「ふぁい・・・お兄ちゃんおやすみにゃしゃい・・・」
長湯でちょっと疲れてしまったのか、タァマちゃんはすぐに寝息を立て始めた。
しばらくタァマちゃんの寝顔を見ながら頭を撫でていると、アリアが2階に上ってきた。
風呂上りのアリアは色っぽいな。
「ヨーヘー。今大丈夫?昼間に話した件なんだけど。」
「あぁいいよ。ここで話す?」
「ううん、誰もこない場所がいいかなぁ。」
「んー、じゃあブラックボックスに行く?俺もアリアに言いたい事があるからさ。」
「そうなの?じゃあブラックボックスに行こっか。」
ブラックボックス、それはこれ世の中に出しちゃ不味いだろうというような厄介な物を仕舞い込んでいる魔法の袋の事だ。例えば大金貨10万枚やオリハルコンやミスリルのインゴット、俺やアリアのクローンなんかもこの中にある。
なんというか悪ふざけの産物だったり、勢いで作っちゃったような物が保管されているのだ。
その分セキュリティもバッチリで、この中には俺とアリア以外の人が入るには、俺かアリアに触れていないと入れないように個人認証機能を持たせている。まぁ破壊すれば中の物は全部出てくるので完璧なセキュリティではないが。
俺とアリアははブラックボックス内に入り、話をする為にお互い向き合った。
さて、アリアの用件はなんだろう?俺の用件は勿論告白だ。
アリアを観察するとなんだか言いづらそうにしているように見える。
それならここは男の俺から切り出すか。しかしどうに伝えようか悩むな。
アリア、俺と付き合ってください。
アリア、ずっと好きでした。俺と恋人になってくれませんか?
アリア、いつも俺の隣にいてくれませんか?大好きです。
アリア、アイウォンチュー。
むむむ、どうに伝えるのが一番いいんだろう?しかし、もし断られたらどうしよう。たぶん俺は立ち直れないだろう。それなら現状維持でもいいんじゃないか?
いや、ダメだろう。それは逃げだ。逃げるのが悪いとは言わないが、俺はアリアから逃げたくない。だが、いや、しかし・・・
覚悟を決めるか・・・。
「アリア。俺はこれからアリアに伝える事があるんだ。」
「え?うん。何かな?」
「俺とアリアの今後の事についてなんだ。」
「・・・はい。」
俺の態度からアリアは真剣な眼差しになって俺の言葉を待ってくれている。
やべぇ・・・心臓がバクバクいって爆発しそうだ。心音ってこんなに聞こえるもんなのか?
「この前俺のことが好きだって言ってくれたよね?それに対して俺もアリアの事が好きだって返した。」
「・・・うん。」
「でもお互いに気持ちを伝え合っただけで、それでどうしたいとか話さなかったよね。」
「うん。」
「だから俺はこれからアリアとどうしたいのか伝えたいと思う。それで返事を貰いたいんだ。」
「・・・うん。」
よし、下準備は終わった。後は伝えるだけだ。
アリアは緊張しつつも俺の言葉を待っててくれている。
落ち着け、落ち着け。間違えるなよ。
アリア、あなたの事が好きです。俺と恋人になってください。
アリア、あなたの事が好きです。俺と恋人になってください。
アリア、あなたの事が好きです。俺と恋人になってください。
よし、これでいこう。ちゃんと伝えるぞ。深呼吸して・・・スゥー・・・ハァー・・・スゥー・・・ハァー
「アリア、あなたの事が好きです。俺と結婚してください。」
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バッカヤロォォォォォォォォオオッッ!!!飛躍し過ぎだろっ!いちなり重過ぎるわ!テンパッて何血迷った事ほざいてやがるっ!!
・・・終わった。いきなり結婚とかドン引きもいいとこだよ。
「え・・・あの・・・その・・・」
「ア、アアアアアアリア!?い、今のはその間違「はい。」・・・へ?」
「ひぐっ・・・ご、ごめんね。う、嬉しくて・・・私もヨーヘーと結婚できたらいいなぁって思ってたから・・・うぅ」
あ、あるぇ・・・?
「私・・からも、お願い・・・します。至らない所も・・・あるけど、お互いに助け合っていきたいな。・・・一緒に幸せになろうね。」
「あ、あぁ。幸せに・・なろう?」
アリアすげー嬉しそうだな。ど、どうしよう、今更間違えたって言えない。
ま、まぁ最終目標ではあったし、結果オーライってことでいいのか?なんか締まらないが・・・。こうなったら突っ走るしかない。
「俺がアリアを世界一幸せにしてやるからなっ!!」
「私も・・・ヨーヘーを世界一幸せにするからねっ」
俺達は抱き合ってお互いの気持ちを確かめ合った。
「アリア、この世界での婚約の証ってどんなことするの?」
「えっと、左腕か左手に2本の糸を捻った物を巻くんだよ。2本の糸は自分と相手を表わしていてね、2本が絡み合う事が愛の象徴になるの。地球ではどんな風にするの?」
「地球では左の薬指に指輪をするのが一番有名かなぁ。」
「ヨーヘー、私指輪が欲しい。ダメ・・・かな?」
「アリアが望むならなんでもするよ。どうせならこの世界と地球を混ぜたデザインにしちゃおうか。2本が絡み合った指輪って感じで。・・・そういえば糸の材質って金属でもいいの?」
「うん、糸状の物なら金属でも布でもなんでもいいんだよ。」
「おっけー、ちょっと待っててね。」
俺はミスリルのインゴットを使って指輪を作ることにした。
まずは指を傷つけないように直接肌に触れる部分を滑らかに加工して土台にする。次に太さ1mmのミスリル棒を2本作り、それぞれ黒色とピンク色に着色した。これは俺とアリアの髪の色だ。
出来上がった2本の棒を捻りながら1本にして土台の指輪に巻きつけて接着させた。
宝石も付けようかと思ったけど、ミスリルだけで宝石より価値があるからこれでいいだろう。それを俺の分とアリアの分を作成し、1つを俺の薬指に、もう1つをアリアの薬指に嵌める。
「わぁ・・・綺麗・・・」
「それならこの世界の婚約の証にもなるし、地球の婚約指輪にもなるからね。」
「うん、嬉しい♪」
「絡み合わせてるとこはピンクがアリアの髪の色、黒は俺の髪の色を表してて、2人ががっちり絡んでずっと一緒にいられますようにって意味を込めてみたんだ。」
「素敵・・・ヨーヘー、これ凄く素敵だよ。ありがとう。最高の婚約の証だよ。」
喜んでもらえてよかった。
俺達は見つめあってお互いの唇を触れ合わせ、幸せを確かめ合った。
「ところでアリアの話ってなんだったの?」
「あ・・・えっとね。そのぉ・・・えとぉ・・・」
どうしたんだ?アリアがなんだか落ち着きが無い。
「あのね。私ね。ヨーヘーに抱いて・・・欲しかったの。」
「はい?」
なんかとんでもない事を言い出したぞ。
「今日、バレル君に襲われそうになった時に、こんな形で奪われるのなんて絶対嫌だって思ったの。初めてはやっぱり好きな人にあげたいから・・・」
「アリア・・・」
「大丈夫!さっきちゃんと綺麗に洗ったから汚くないと思うの。だから・・・嫌じゃなかったら・・・私を抱いてください。」
さようなら理性さん。俺はもう抑える事ができないよ。
好きな子がここまで言ってくれてるのに、それに応えない男がいますかっ!
俺はアリアを抱き寄せ、そのまま・・・行おうとしたがベッドが無い事に気付く。
すぐにクリエイトでベッドを用意して、アリア抱きかかえつつベッドイン。
アリアは潤んだ瞳で俺を見つめてくる。
なんて愛おしい人だろう。
今日何度目かのキスを交わしながら、アリアの胸や太ももを撫で回す。
時折ピクンと反応するアリアに嬉しくなり、そんな反応が見たいが為にアリアが反応する箇所を優しく、時に強く触る。
声が出てしまい、恥ずかしそうに俺を見つめる視線が心地いい。
気恥ずかしくも、お互いに体をほぐして・・・
そして俺とアリアは互いに身を重ねたのだった。




