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いっちゃん(第二部)  作者: Thomas C. Knitter


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第三十六話「いっちゃん、セツ子伯母さんと大阪に行く」

伯母さんの「秘密の恋」が伯父さんに露見し、姿を消した運転手のおじさん。

見かねた、いっちゃんが動き出します。

「いっちゃん、どうやら、主人にバレたみたいなの。それで、あの人、主人に問い詰められて辞めるって言ったみたい」

「えー、それで運転手のおじさんは?」

「どこ行ったか、わからんのんよ」

「じゃ、どうしょうもないなぁ。なんか手がかりでもあればいいけど……」

伯母さんは悲しそうに肩を落とした。


それから、ふた月近く経って、おばさんが、

「あの人、大阪のトラック会社に行ったみたいじゃって他の社員の子が教えてくれた。いっちゃん、どうしよう。私、あの人に会いたい」

「どうしようって言われても……。あ、そうじゃ、大阪のトラック会社の名前が電話帳に載っとるはずじゃから、探してみよう」

伯母さんの気持ちを考えると何もしないわけにも行かず、私は手当たり次第に電話をしてみることにした。横でおばさんが見守ってる。

とりあえず、太い字で会社名が印刷されている会社に電話をかけてみた。

それなりの規模の会社でなければ、すぐに中途採用してはくれないだろうと考えたからだ。

そして、私の読みは……当たった。

三件目に電話した先に、あの運転手のおじさんが勤めていることがわかった。

そして、たまたま、そこにいた。私は伯母さんに電話を変わった。

その後、伯母さんは運転手さんの連絡先を聞いて、大阪で会う約束をした。

電話が終わると、伯母さんはニコニコで、

「いっちゃんのおかげじゃ。ありがと」

と言ってお小遣いをくれた。

私は、とりあえず、その場を凌げてホッとした。


一週間して、おばさんが、

「いっちゃん。あの人に会いに行くんよ。でも、私、方向音痴じゃから一緒に大阪に行ってくれん?」

「え?仕事があるから、行かれんよ」

「大丈夫。私が伯父さんに頼んであげる。というか、もう言ってある」

「へ?」

「気晴らしに大阪に行きたいから、いっちゃん、連れて行っていいか聞いたの。私が方向音痴なの知ってるから、ええって言ってくれた」


私はもう何も言えなかった。ただ、

「わかった。大阪に一緒に行ってあげる」

とだけ答えた。


(つづく)

「もう言ってある」

伯母さんの周到な根回しの前に、断る術を失ったいっちゃん。

仕事(上山バスケット)を休み、伯父さんの公認(?)を得て向かう先は、大都会・大阪。

果たして、どうなる?


明日もお楽しみに。

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