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森を抜けて
顔にまじないの粉を塗る。人だと分からぬように仮面を被るが、万が一仮面を落とすと厄介ゆえの決まり事だった。
今年十五になる子らは、仮面を被り、列を揃えて森を抜ける。
途中、真白い着物の美しい娘たちが、森の陰で子らを見ている。アレは化粧の手を抜いたかで、顔を見られて拐われた。幽明の国に囚われて、子らを羨ましそうに眺めている。
子らは森を抜けた先で、生涯に一度だけ受け取れるという、金銀財宝を一つずつ祠から授かって、隊列を乱さず住まいに帰る。
あの年も一人、脱落した。宝を欲張り、森の幽明になった彼女たちに嬉しそうに袖を引かれて戻れない。
やがて寂しい習俗も朽ち、異様な森だけが残された。
#Monthly300 @mon300nov
毎月300字小説企画第46回お題・塗る




