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夜を行く
青緑色の信号が光っている。夜の中、点滅せずに真っ直ぐに。
この辺りは深夜には点滅信号ばかりになるから、青緑の光は珍しい。
チリチリと、遠くで鈴を鳴らす音が聞こえる。
自身の進行方向は赤信号。無視して突っ切ろうとしたが、嫌な予感がして足を止める。
──天使が、天使が、天使が通るよ。
囁き声が降ってくる。
ごうんと地鳴りがして、一軒家ほどの巨大な台車に乗せられた白い塊が、路面を走ってくる。
荷台の上、顔だけのそれは、金色の目をギョロリとこちらに向ける。何か言いたげだが、台車は止まらず、勢いよく夜の向こうへ消えていく。
青緑が、赤の点滅信号に変わる。
息を吐き出して、歩き出した。
#Monthly300 @mon300nov
毎月300字小説企画第40回お題・青




