↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編B-③ 『観測者が最初の一行を書く日』  作者: Taku


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/17

最終話「余白――まだ書かれていない一行」

円卓に、原稿が並んでいた。


誰かが書いたもの。


誰かが読んだもの。


誰かの問いから生まれたもの。


そして――


まだ、何も書かれていないものもあった。


雇い主が、原稿の束を眺めて言った。


「……足りないな」


博士が眼鏡を上げる。


「何が、ですか」


「完成が」


しばらく、誰も答えなかった。


カノジョが、原稿の一枚を手に取る。


そして、小さく笑った。


「完成しなくていいのよ」


雇い主が、彼女を見る。


「どうして?」


「余白があるから、次が書けるもの」


カノジョは、原稿を円卓に戻した。


「全部埋めてしまったら、もう誰も入れないでしょう?」


誰も、反対しなかった。


円卓の上には、たくさんの言葉がある。


問いも。


答えも。


記憶も。


誰かの残した熱も。


それでも――


まだ一枚、白紙が残っている。


誰のものでもない。


誰かが、次に書くための一枚。


円卓の中央で、白紙だけが静かに残っていた。


雇い主が、それを見て言った。


「……誰が書くんだろうな」


カノジョは答えなかった。


ただ、白紙を見つめていた。


その余白は、まだ空いている。


だから――


物語は、まだ終われない。



      ――完――





【お知らせ】

拙作の更新は、今後カクヨムへ一本化します。

物語の区切りまでは必ず書ききりますので、ご安心ください。

引き続き読んでいただける方は、カクヨムでフォローしていただけると嬉しいです。


カクヨムの作品紹介ページ

https://kakuyomu.jp/users/TAKUHITOMIJUN/collections/2912051595558372676

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。