皆んなが悲しそうな目を向けるのでこのスキルの凄い所を見つけてみせる…的な?
「…何でそのスキルが便利?なんだい?」
おっと?
このスキルの便利差が分かってないのか?
まあ、自分のスキルじゃ無いし使い方も良く分からなければそうなるか。
なれば教えてしんぜよう!
「だって、だって!このアビリティの『ゴミ拾い』を使えば一切手を触れなくても庭の雑草が抜けるし、落ちてるゴミだって拾えるんだよ!?」
「「「……………」」」
あれ?
何で全員無言になってしまったのだろうか?
え?だってこれ凄くね?
庭草抜きした事ある人なら皆んな分かると思うけどあれめっちゃ大変なんだぞ!?
夏にやる時にどれだけの地獄を見ることか!
それに、手でどれだけ抜いても根っこが残るからまたすぐ生えてくるし!
だが、このスキルなら根っこごと1発で全部抜けるのだ!これを便利と言わず何と言う!
「そ、それに『ゴミ箱』があるから取った雑草やゴミを一々袋とかに入れる必要も無いんだよ!?」
「「「………」」」
おんやぁ?
なぜ無言じゃ無くならないのでしょうか?
おかしい。え、だって一々草やゴミを袋に入れるのは面倒だよね?袋を持って行ったりするのに少なからず重さとかあって疲れるし…便利だよね?
「あ、後『ゴミの分別』のお陰で燃えるゴミと燃えないゴミを自動で分けてくれるんだよ!!」
「「「……………」」」
なんだろう。俺が良い所を話す度に家族から悲しそうな目を向けられてる気がする…何故?
ギュッ
「もう、もう良いのよジン。大丈夫よ。そんなに頑張らなくても良いの。私達はずっと貴方の味方よ」
「そうだぞ、ジン。僕達はずっと一緒だ。大切な家族だ」
「そうよ。ジンが私の大切な弟には変わらないわ」
………どうして俺は慰められてるんだろうか?
解せぬ!!
――――――――――――――――――――――――
まあ、そんなこんなで俺が自分のスキルの凄さを説明しようとして、優しく見守る様な目を向けられた日の次の日。
「ママ〜。森に遊びに行ってくるね!」
「はーい。迷子にならない様に気をつけるのよ〜」
「分かってる〜」
と、一言伝えてから森へと出かけた。
折角のスキルなのだ。
家の周りだけじゃなくて、もっと広い範囲で使ってみたいのだ。
少し歩いて、森の入り口まで来た。母からは中に入り過ぎない様にと言われてるので、初めはここら辺でスキルを試すとしよう。
「さーて、と。それじゃあ…『ゴミ拾い』発動!」
キーン
と言う金属音っぽいのが聞こえた後に目の前にステータス画面と似たものが現れる。
そこには
【使用アビリティ/『ゴミ拾い』
範囲/未指定
数量/未指定
拾い終わるまでの時間/不明】
とまあこんな感じである。
使うアビリティを決めて拾うものや範囲と数量を決めたら必要な時間が分かるから、それが終わるまで待てば良いのである。
「さて。それじゃあ、こんな感じで〜」
【使用アビリティ/『ゴミ拾い』
範囲/視界
数量/制限なし
拾い終わるまでの時間/1分
以上の設定で発動しますか? はい/いいえ】
こうしてみた。
簡単に説明すると、範囲の視界とは今、俺の見えてる範囲全てである。
数量の制限無しってのは俺がゴミだと思うもの全て…と言う意味だ。まあ、雑草とか枯れ木とかそんなのだな。
「それじゃあ、はいを押してっと」
キーン
と、もう一度金属音がした。
1分後
【完了しました
アビリティで回収したものは
『ゴミ箱』内に移動させています】
と言うメッセージが届いた。
「よしよし。とりあえず確認して見るか。」
【『ゴミ箱』内
雑草×34
小石×20
落ち葉×10】
うむ。しっかりとゴミである。




