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手紙と魔女と御茶会と  作者: 野花 智
第三幕 貴方を救うために。
33/35

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「おぉ! リーベさんとこの嬢ちゃんじゃないか!」

 

「今日はなんだい? 一人でおつかいかい?」

 

「そうだけど……。あたしは魔女よ! 怖くないっての?」


「確かに魔女は古くから恐れられているけど……。リーベさんが傍に置くんだ。悪いやつには、到底思えんがなあ!」


「それに。ここ何百年、魔女との戦争はないそうじゃないか。誰も恐れてなんかいないとも」

 

 なにそれ……。てかあいつリーベっていうんだ……。



 

「あんた、名前。何て言うの」


「随分唐突だね。言っておくが、私の名前を知ったところで、契約は解けないぞ」


「わかってるわよそんなこと!」


「冗談だよ、そんな怒らないでくれたまえ」


「リーベ=ティーフ」


「苗字は?」


「あんなの、いらないよ。――今はもうね」


「そう、覚えておくわ」


「それだけかい⁉」

 

 ――いい名前ね。



 

「これ、やる」


「なんだい? これ」


「別に。あんたいつも感謝伝えるときは言葉で伝えてんでしょ。だから……あたしも、その、手紙」


「手紙、か。どれどれ」


「あー! 今読むんじゃないわよ! あ、あたしはもう行くから!」


「騒がしいやつだな」

 


 

 リーベ=ティーフへ。

 

 あんたにはいつも感謝してる。村のみんなには良くしてもらってるし、お家にいた時より、よっぽど楽しい思いをさせてもらってる。

 あの日、いつか殺してやるなんて言ったけど。今は、思ってないから。

 それと、ネックレスも上げるわ。あんたは強いし、加護なんかいらないと思うけど。魔除けぐらいにはなるから。

 死にたくなきゃ、形見離さずもっていることね。

 

 あんたの魔女様より。

 


 

 ――あはは! 本当、不器用だな。愛らしい奴だ。



 

「魔女様、魔女様」


「なに?」


「この間の手紙のお返しだ、私からもどうぞ」


「ネックレス……。まぁ、貰っといてやってもいいわ」


「形見離さず、持っておいてくれ」


「――気が向いたら、ね」

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