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会議


        5日後 イザナの屋敷


 ズキッ! 腰の痛みでイザナは目を覚ます。


(イタタタタ!ヤバっ!)


 ゆっくりと目を開くと、目の前に超絶イケメンの老紳士が眠っている。


(わお!いつ見てもカッコイイ!)


 起こさない様に身体を動かし腰に手を当て回復魔法をかける。


「ふう〜」


「大丈夫ですか?」


「あっ!ごめん起こしちゃった?」


 セバスチャンはイザナに寄り添う。


「申し訳ない...少々張り切り過ぎましたかな」


(没頭してやり過ぎちゃった...ホント上手よね〜何人泣かせてきたのやら、今度聞いてみようかな?)


 腰を優しく摩る。


「平気平気!ほらもう治ったよ」


「無理は禁物、大事な身体です」


「へ??」


 セバスチャンは顔を近付ける。


「子供が欲しいと言ったら笑いますか?」


 イザナの顔が真っ赤に染まる。


「ここここっ子供!?」

「年甲斐もなく期待してしまう...」


「欲しい!私も欲しい!」


「ありがとう」


 ガバッ! イザナはセバスチャンを押し倒す。


「これこれ、もう朝ですぞ」

「ダメ...今ので火がついちゃった...責任取って鎮めてよね」


 真剣な顔で迫る。


「我慢なさい...ほら起きますよ?」

「ええ〜生殺しじゃん!」

「身体も今治したばかり無理はなさらず」

「ぶ〜」


 不貞腐れながらベッドを降りる。


「ハハハ!やはりこちらの顔が本来の姿ですな」


 たまに見せるギャルの様な反応、コレが本当のイザナだと実感する。


「そりゃ〜隠すわよ...普通に舐められるし...」


「そうですな、言葉遣いは品性が問われる...都度変えるのは正しい選択ですよ」


 2人は着替えると朝食を食べに部屋に入る。


「おっ!今日は早いのねオクト」


 オクトは既に席に着いていた。


「おい!何時になったら魔法を教えるんだ!」


「あなたは先ず読み書きから覚えなさい!字が読めないと細かな概念が理解出来ないでしょ!」


 ここ数日、オクトには使用人が字を教えている。


「口で言えば分かる!」


「だ〜め!人の感覚を覚えると使いこなせないわよ?」


 最初の魔力変換は見て覚える事は出来る、ルークから教わり始めた時に目の前で教えられた。


 しかしその後の複雑な言葉の組み合わせによる速やかな組み立ては、物理を理解していないと再現がキツイ。


「...本当に教えてくれるのか?」


「もちろん!だから早く字を読めるようになってね」


 納得したのか黙った。


 3人が朝食を終えた頃。


「失礼致します、セバスチャン様」


「ありがとう、ふむ...なるほど」


 封を開けると緊急の会合への出席要請が書かれていた。


「イザナ様、申し訳ありません2日ほど家を空けます」


「えぇ〜!!」


「クーラ様からの招集です」


 セバスチャンはイザナに近付く。


「帰ったら今朝の続きを、よろしいですね?」

「わお!うん!待ってる!」


 見つめ合う2人、セバスチャンはそっと首筋に噛み付く。


「ジュル...ゴクッゴクッ...」

「ん...」


 セバスチャンはイザナの血に完全にハマっていた。


「ふう...美味い...」

「もういいの?」

「はい、ご馳走様です」


 最後は口付けを交わす。


 行為が終わるとイザナは回復魔法で傷を塞ぐ。


「では、少し早いですが行ってまいります」

「頑張ってね!」


 オクトは羨ましそうに2人を眺めている。


「たった数日で、よくそこまで気を許せるな」


 悪態を着く。


「僻まないの!」


「僻んでねぇよ!」


「あなたの面倒もちゃんと見てあげるから、安心なさい」


「おっ俺も...?」


 急に顔が真っ赤に染まる。


「何想像してるの?スケベ」


「うっうるさい!」



         昼 イザナの私室


 やっと1人になり落ち着く事が出来る。


「はあ〜色々あったな〜」


 ソファーに寝転ぶ。


(さてさて...どれから手をつけるかな?)


 ディアボロスの封印、女神の出産時期、この都の悪魔の数、牧場の実態、調べる事は山程ある。


「あ〜くそ〜落ち着いて考えたら、封印の聖痕発動してたら当たってたよね?」


 ディアボロスを目の前にして気圧された事を後悔する。


(急に出て来るから、勝てるかどうかで判断しちゃったよ〜)


 ジタバタと足を動かす。


(まあいっか!おかげでセバスチャンと出会えたし...ギリプラスよね!あんな素敵な人見たことない!)


 日夜セバスチャンから囁かれた脳が蕩けるような言葉を思い出し身悶える。


「ふへへへ...」


 すると...パサリ...小さな音が鳴る。


(!?!?誰かいる!?)


 咄嗟に飛び退き戦闘態勢を取る。


(何処だ!?見えない!気配は...無い?)


 音のした方を見つめる...テーブルの上に何かがある。


「書類?」


 警戒しながら書類を覗くと...


 手書きで指示が書いてあった。


(声を出すな...敵じゃない?椅子に座って?)


 疑心暗鬼になるが敵なら既に攻撃されている。


「...はぁ」


 ため息を着き椅子に座る。


 すると、突然目の前にアンヘルに似た女性が現れる。


(アンヘル?いや違う誰!?知らない!?)


 そこには口に指を当て「静かに」とジェスチャーをするシルファが居た。


「お久しぶりですイザナ様、この声わかりますか?」


 懐かしい声に記憶が蘇る。


「えっ!?シルファ??...でもその姿?」


 シルファはアルファと1つになる前の声で語りかけた。


「今はアルファの復讐に協力しています、この姿はその為...少し説明が長くなるので人払いをお願いします」


「わかった!」


 イザナは部屋を出て使用人に暫く部屋に来ない様に指示を出す。


「これで大丈夫、誰も来ないよ」


「ありがとうございます、では私の説明から」


 シルファは自分に起きた事と目の前の書類を細かに話す。


 説明が終わり...


「えっ!?全部調べ終わったの!?」


「はい、時間は十分ありましたから」


 シルファは神隠しを使いこの都の全てを調べ尽くしていた。


 イザナは書類に目を通す。


「悪魔は30人...コレは牧場の...女神はこの屋敷にディアボロスと...」


 探る予定だったものが全て記されていた。


「ちょっと!居るなら居るって教えてよ〜!私体まで張って頑張ってたのに〜!」


「楽しそうだったので邪魔をしては悪いかと...」


「そりゃ楽しかったけど...これからどうしよう?」


 シルファは女神の実態を口頭で伝える。


「あの女神の子はすぐには産まれません、恐らく2年以上は先です」


「...悪い予感しかしないんだけど」


 シルファは頷く。


「女神...デミウルゴスは自身の神力、魔力、ヒューマノイドの技術、そしてルシファーの子種から新たな神を創るつもりです」


「ちょっと待って!詳しすぎない?」


「直接調べました」


「ディアボロスは?アイツが傍に居るのに?」


「今はアマテラスと同期していますので、何でも出来ます」


 イザナは頭を抱える。


(コレは...多分だけど、私に気を使って2人に手を出さなかったパターンよね...)


「一応聞くわよ?シルファならディアボロスに勝てる?」


「はい」


 即答した。


「しかし私が倒すと七罪が解放されるので、また地獄か地上で新たな魔王達が生まれる恐れが...」


「それはそうだけど」


 シルファは立ち上がり書類を取る。


「では、私は次の目的を遂行する為この地を離れます」


「えっ!次?アベルはどうするの?」


「ヤルダバオトの息子は地獄に堕ちたのでもう思い残すことはありません」


 アベルの身に災いが起きた事を示唆する。


「アイツに何が??」


「ふふふ...今はクーラ達の玩具となって惨めな目にあってますよ」


「あっ...箱を使ったのね」


「はい、彼はその力の全てを失いました」


 その言葉で全てを察する。


「う〜ん?どうしたものか...ねえ今の私でディアボロスに勝てると思う?」


「10度戦えば1〜2度、相手が油断していればですが」


「そうよね...はぁ...やっぱり出産を狙うしかないか」


 女神の出産時は確実に場を荒らせる、混乱に乗じれば隙は幾らでも作れる。


「頑張ってください、それでは私はこれで失礼します」


「ちょっ!」


 シルファは神隠しを発動し姿を消した。


「もう〜!少しは手伝ってよ〜!」


 既にシルファは去っていた。


(2年以上待つの〜?それまで何しよう?)


 ハッとする。


「子供!そうじゃん!セバスチャンとの約束!」


 悪い考えも思いつく。


(子供出来ちゃえば必ず私に協力してくれるはず!それにオクトも育つ...アハハ!行ける気がする!)


 3人いれば成功率は確実に上がる...上手く行けばだが。



         クーラの屋敷


 地下の会議室にセバスチャンが通される。


 部屋に入ると...幹部達が睨みを効かす、セバスチャンはそれを意を介さずクーラの横に立つ。


「姉御!何故ココにそいつが!」

「そうです!彼は支配階級では無い!此処に相応しくない!」


 一同から不満の声が噴出する。


「黙りな!私が呼んだんだ文句があるのかい!?」


「...」


 会議室は静まり返る。


 メンバーはクーラを含め11人、女性6名男性5名皆支配階級の悪魔達が顔を連ねる。


「さてと...今日はよく集まってくれた!もう知ってるだろうが、ここに居るセバスチャンが先日嫁を貰った!先ずはその祝いだ」


 パラパラと拍手が鳴るが全員では無い。


 すると...第4席の男が発言する。


「セバスチャン、その女貸せ俺が可愛がってやる、先に孕ませてやるよ」


「お断りします」


「ああ!?この俺に支配階級に逆らう気か??この都のルールだろうが!」


 第5席の女性も援護する。


「支配階級の子を先に産めるなんて誉と思いなさい」


 セバスチャンは見下す様に睨みつける。


「何よその目!あんたクーラ様の執事だからって調子に乗らないで!」


 悪魔達が本性を露わにする...ここも伏魔殿。


 他の者達も一斉に畳み掛ける。


「兄貴!俺も混ぜてくれよ!」

「皆で回しましょうぜ!」

「キャハハ!滅茶苦茶にしてあげる!」


 ダーーーン!! クーラが机を叩き潰す!


「だあぁぁまあぁぁれえぇぇぇ!!!!!」


 その雄叫びに幹部達の顔色が一気に青ざめる。


 静寂が続く...


「おい!さっさと進めな!」


 背後に控えていた者が幹部達に書類を配った。


 皆黙って書類を読み漁る...


「こっコレは!」

「ウソ...」


「見ての通りこの中に裏切り者がいる!セバスチャンを呼んだのはソイツの代わりに幹部への昇格だ」


「なっ!?正気か姉御!」

「何でコイツが!」


 女性陣も異議を唱えようとしたが...


「女共は黙りな!お前達に貸したあの男はセバスチャンが見つけて来た、わかるな?」


「あの壊れない玩具を?」


「そうさお前達も随分楽しんだろ?」


 1人の女性はうっとりした表情を浮かべる。


「アレはイイわ〜頑丈で壊れないもの!ミノタウロスはすぐ壊れちゃうのに、それに性欲も旺盛で最高!」


「だろぅ?」


「今は誰の所だったかしら?」


 第7席の女性が手を挙げる。


「わっ私...」


「げっ...ゴキブリ女!あの子大丈夫でしょうね?」


「あっあの子少し脅かすと必死に腰振るから可愛い...ふふ」


 男達はドン引きしていた。


「ゴキブリ女の相手か...」

「気持ち悪っ」

「想像しちまったよ...」


 しかし1人の男は小さく震えていた。


 末席の男、名はガレン。


「ガレン!この内容に反論はあるかい?」


 書類にはオクトの事が記されていた。


 同化体は取り込むか屋敷に置くこと、外に出す場合は生殖能力を奪い高級奴隷として売るのがルール。


「ゆっ許してくれ!フェイクオクトパスの完全擬態を取り込むはずが...同化事故で不完全な奴隷が生まれちまって!」


「4本腕を取り込みたく無かったと?」


「皆知ってるだろ!身体的特徴は少なからず影響を受ける!それにあのガキ能力も不完全だった!」


 完成擬態とは程遠い周りへの溶け込み、姿形までは変えられない。


「何故捨てたのです?妻が拾った時は殺処分行きの馬車だったと聞いています」


 セバスチャンは問う。


「ガキの!しかも男なんて側に置きたくねえよ!俺が欲しいのはハーレムだ!」


 4席の男は下品にニヤケている。


「なるほど!お前触手が欲しかったのか!グハハ!阿呆だな!あんなの喜ぶ女はおらんぞ」


「だっ黙れ!」


「俺の様にアソコのデカイ魔物を選べばいいものを...」


「話を戻すよ?お前達も聞きな!同化体の流出は御法度!今回セバスチャンの妻イザナが運良く回収した、とはいえ人間の魔物化が世に知られたらこの都は世界を敵に回す事になる」


 殺処分場には普通の人間も居る、もしも殺した奴隷が魔物化もしくは抵抗し魔物の姿になれば大騒ぎになる。


「まだ此処を知られる訳にはいかない、わかるね?」


 一同頷く。


「おっ俺は?俺はどうなるんだ!?」


 冷たい視線が集まる...


「いっ嫌だ...助けっ」


 メキメキメキ!! 何かが首を全身を絞め上げていた。


「ゴッ...」


 バキッ! 首が折れる。


「お姉様〜代わりに始末致しましたわ〜」


「セバスチャンお前が末席に座れ」


「畏まりました」


 セバスチャンが席に着くと...


「なあ姉御!ガレンの家は取り潰しだよな?」


「もちろんだよ」


「なら残った女は俺が頂く!」

「ずるいぞ兄貴!俺にもくれよ」

「皆で分けましょうぜ!」

「ワシはあの乳がデカイ奴がええのぅ」


 クーラは手をヒラヒラと振る。


「好きにしな」


 この者たちに仲間意識は無い、あるのは力と階級のみ。


 セバスチャンはまだマトモな存在。


(今回はクーラ様の計らいと妻の功績が大きい...このゴミ共から妻を守らねば、必ず手を出す者が現れる)


 幹部達はガレンの女達や私財を分ける話で盛り上がる中、セバスチャンは気を引き締めていた。





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