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終わりで~す。
誤字報告、感想、ブクマをありがとうございました!
リューレイア姫はその聡明さを証明するように、元婚約者が3年掛けても終わらなかった王太子妃教育を半年と言う短期間で終了させ、異例の短さではあるが、一年後に結婚式を挙げられる運びとなった。
大国の国王様と王妃様のリューレイア姫への愛情は深く、結婚の報告を手紙で送った際に、国王様と王妃様直筆と思われる手紙と共に、大国独自のデザイン画と共に婚礼用のシルクの反物が大量に贈られてきた。
リューレイア姫とも相談して、我が国で一番評判の良いデザイナーに依頼して、我が国と大国のデザインを上手に取り入れたウェディングドレスを作らせた。
国を挙げての祭りのような盛大な結婚式を挙げた。
大国の国王様と王妃様が泣いておられたのが印象的だった。
形式的な初夜もなく、普段通りに仕事をこなし、通常の日々に戻ってみると、妻となったリューレイアは有能で、早くも国内の令嬢達から憧れの存在として認められるようになった。
ウェディングドレスを作ったデザイナーとは付き合いが続いているらしく、様々な斬新なドレスを着こなし夜会でも流行を作り出したりしている。
その手腕は母上が感心する程。
結婚式から半年後。
辺境伯家に婿入りしたランディから手紙が来た。
息子が生まれたとの知らせ。
父上は素直に喜んでいたが、母上は複雑そうな顔をされていた。
父上と母上には内緒で祝いの品を贈った。
結婚して一年二年と過ぎると、事情を知らない者達からお世継ぎは?との質問が多くなった。
リューレイアは平気な顔をしているけれど、密かに傷付いているのは察せられた。
だがどうすることも出来ないので、仲が良すぎて逆に授からない、等と言う迷信のような噂に乗ってみたりもしたが、日に日にリューレイアの元気がなくなっていった。
そんな時、ダンテの姉、母上のメイドをしているメイサの結婚式の招待状が届いた。
本当は母上を招待出来れば良かったのだが、その日は母上は父上と共に急遽隣国へ行く予定が出来、参加出来なくなって私に回ってきたのだ。
気分転換にでもなればとリューレイアも誘って参加した結婚式には、ダンテのパートナーとしてミミリー嬢も参加していて、普段とは違う華やかな装いにビックリした。
何故か素直に褒める気にならず、自分でドレスの一着も買えないのか?などと言ってしまったが、ペラペラといかに自分の家が貧乏かを語るミミリー嬢に呆れ半分、どんな領地なのかに興味が出てきた。
珍しくリューレイアも積極的に外へ出たいと希望してきたので、良い機会かと予定の調整をして一緒に視察に行くことにした。
あと何故かミミリー嬢が、物凄い速さで飛んでくるウェディングブーケをキャッチしてた。
ゴーリンデ地方と言うのは、穏やかで不正行為の微塵もない善良な領地と言う印象しかなかったのだが、実際に行ってみるととんでもない領地だった。
確かに人々は穏やかで仕事熱心で善良ではあるのだが、ミミリー嬢曰く不正も思い付かないくらい脳ミソまで筋肉で出来ている人々なんだとか。
納得するしかない有り様だった。
王都では考えられない程野性的で原始的で、野蛮とまでは言わないが何もかもが豪快だった。
鞍も付けない野生のような馬を乗りこなし、半裸で駆け回る人々、投げ縄で魔物を捕まえ!投石で鳥を落とす?平民だからか魔力ではなく牛に柵のような物を引かせ農地を耕し、種を蒔くと言うよりばら蒔く。それで本当に作物が育つのかと思えるほど豪快な蒔き方だった。
出てくる歓迎の料理も豪快な盛り付けで、味も大雑把なものなのだがそれが非常に旨かった。
そしてリューレイアは人前では取り繕って微笑んではいたが、割り当てられた部屋に着くと、思い出しては爆笑していた。
初めは注意しようとしていたメイド達も、久々に見るリューレイアの心からの笑顔に、最後には自分達も釣られて笑い出す始末。
良い意味で可笑しな領地だった。
そして最終目的地とも言えるミミリー嬢の領地クレッシェル男爵領。
一面の麦畑だと言う緑の海は美しいの一言だったが、道端で子供達がホーンラビットを狩り、解体までこなしその肉を持って嬉しそうに駆けていく。
ミミリー嬢の実家である屋敷は堅牢で砦のような威風堂々とした佇まいなのに、使用人は二人しか居ないそうだし、父上と母上の後ろには半裸で巨大な生肉の塊を持つ男達。
「ばがこの~!お姫様が来てんのに、肉を担いで半裸で居るやつがいっか~!さっさと服を着ろ~!」
馬車の窓から身を乗り出して男達に怒鳴るミミリー嬢。
何だかどれを取っても可笑しくて笑いが収まらなくなった。
真っ赤な顔で固まる男爵夫妻を置いて、応接間に案内されたが、使用人が少なすぎて自ら茶を淹れようとしているミミリー嬢を、メイドが進んで手伝っている。
淹れられたお茶は素朴ではあるが香りも味も良くリューレイアも褒めていた。
肉を運んでいた男達はミミリー嬢とは全く似ていないが兄だったそうで、こちらも挨拶するよりも先にリューレイアの美しさに素直に感嘆していた。言い方が悪くてミミリー嬢に尻をつねられていたが。
暫く談笑した後に、晩餐まで時間があったのでリューレイアを散歩に誘ってみた。
そしたらワラワラとミミリー嬢の甥や姪が出てきて、それは楽しそうに散歩に交ざってきた。
歌を歌い笑い転げ魔物に石を投げる、ミミリー嬢も子供の頃はこんな風に過ごしていたのかと微笑ましくなった。
田舎でしか見られない広大な自然の風景は、長い時間見ていても見飽きる事はなく、護衛の騎士やミミリー嬢の兄やその友人、近所の男衆が総出で付近の魔物を遠ざけたり狩っていたりするのは悪いと思ったが、ゆっくりと散歩を楽しんだ。
湯浴みをして着替え晩餐室に行くと、ミミリー嬢に似た、でも背の高い女性が手伝いに来ていた。
平民に嫁いだ姉だと紹介され、確かに顔は似ていると納得した。
出された料理は丸焼きか?と言う巨大な肉の塊がドドン!とテーブルの中央に置かれ、野菜も飾り付けなど一切されず大きなまま出てきた。
それを各自食べる分だけ切り分けて食べるスタイルらしく、流石に私とリューレイアの分は取り分けられていたが、量が多かった!
恐る恐る食べてみれば、驚く程旨くて手が止まらなくなった。
多いと思った量もペロリと完食して、リューレイアも何時もよりも多く食べていた。
食後の談笑でも色々と話が聞けて参考になったし。
豪快で愉快で、温かな家庭で育ったからこそ、今のミミリー嬢が育まれたのだなと妙に納得した。
ベッドが少々固くはあったが、グッスリと寝て少し早めに起床してみれば、リューレイアも同時くらいに起きて、夫婦ではあるが初めて同じベッドで寝た照れ臭さを感じたが、穏やかな気分の目覚めだった。
直後に窓の下から聞こえてきた声に雰囲気は打ち壊しになったが、その声はミミリー嬢の兄達のもので、覗いてみたらボアを追いかけて大騒ぎになっていた。
すぐ真下の部屋がミミリー嬢の部屋だったらしく、ミミリー嬢が部屋から身を乗り出しているのも見える。
そして突如現れた土壁に、ボアだけでなくミミリー嬢の兄達も勢い良くぶつかっていったのには、リューレイアと共に笑ってしまった。
ミミリー嬢が家族への土産を昨日の内に配っていたのは知っていたが、クレッシェル領独自の製法で作られた自慢のハムやソーセージ、ベーコンなどが大量にお土産として馬車に積まれた。
これ程多く貰っては、と辞退しようとしたのだが、今朝方狩られたボアを加工すればすぐに追加が出来ると言われたので遠慮無く頂く事にした。
その量の多さは、ミミリー嬢への家族の愛情の量でもあるのだろうから。
帰り道は来た時とは別のルートを通り、顔見知りなのかミミリー嬢とも親しげに話す領主が多かった。
来た時よりは心の準備が出来ていたので、それ程衝撃は受けずにすんだ。リューレイアは笑い通しだったが。
視察も無事に終わり、リューレイアの良い気分転換にもなったようで、以前の様に明るい雰囲気を取り戻して一安心した。
日常の業務に戻り、忙しいながらも穏やかに日々を過ごしていたのだが、雰囲気が変わったのは視察から帰って1ヶ月もしない頃。
普段と何も変わらないように見えて、どこか何時もよりフワフワソワソワしている様子のミミリー嬢。
仕事にミスなどは無いのだが、あらぬ方向を見てフフフと笑ってみたり、移動の時にスキップをしていたりと落ち着かない。
ダンテに理由を聞いてみたら、ゴーリンデ地方の幼馴染みと週末毎に会っているのだとか。
そう言えば先週くらいにそんなことを言っていたな?確か冒険者だったか?と思い出し、ダンテ以外の執務室メンバーが渋い顔になった。
夜、何時ものようにリューレイアと話していて、その話題になった。
「まあ!ミミリー様はその幼馴染みの方とお付き合いなさってるのかしら?」
「さあ、どうだろうな?その幼馴染みのチームのメンバーとも親しくしているようだが、何事もなければ良いが」
「何か心配事が?」
「杞憂なら良いのだが、冒険者にはあまり良い思い出がなくてな」
最初の駆け落ちした元婚約者は、逃げた先で護衛騎士と冒険者として暮らしていたらしいが、元々が姫として傅かれる生活をしていた者が、そう簡単に平民の暮らしに馴染める筈もなく、詐欺紛いの騒動を起こして結局別れさせられ連れ戻されたそうだと風の噂で聞いた。
それだけでなく、魔法院から冒険者ギルドに出された依頼は、通常よりも高額の支払いを求められる、騎士の演習を邪魔したなどの報告は多く、どうしてもあまり良い印象を抱けないでいた。
リューレイアにその事を話すと、
「相手方の言い分を聞いていないので何とも言えませんが、確かにその様な報告を多数目にしていれば、ミミリー様の事が心配にもなりますわね?今度一度お茶会にでも招待してお話を聞いてみようかしら?」
「頼めるか?どうにも浮かれているように見えてな?」
「ええ、わたくしも一度ゆっくりとお話ししてみたかったんですの!」
リューレイアがミミリー嬢を気に入っているのは知っていたが、実に楽しそうに予定を立てる姿は何とも複雑な気分になる。
そしてお茶会での話の結果、ミミリー嬢が夢中だったのは、幼馴染みやそのメンバーの誰かにではなく、メンバーに交ざって近くの森に行き、そこで狩った魔物をその場で調理して食べる事にだった。
その何とも言えない食いしん坊エピソードにリューレイアの笑い声が止まらない。
執務室のメンバーも笑ってた。
そんなこともあった後はまた通常に戻ったのだが、やはりお世継ぎを、の声は常に聞こえていて、形だけでも側妃を探しているふりをするべきか?とリューレイアにも相談した。
リューレイアはその場では何も言わなかったが、思うところがあったのか、私の見えない所では色々と動いていたようで、暫くしたら話があると真剣な顔で言ってきた。
「やはり周りの声は気になるか?」
「ええ。全く気にならないと言えば嘘になります。ですからわたくしも真剣に考えました。レント様はわたくしにご遠慮なされて側妃を娶る気は無いと仰っておられますが、わたくしは、出来るならばレント様のお子をこの手で抱いてみたいと思っております」
「それは」
「わたくしとレント様はお互いに慕わしい感情はありますが、あくまでそれは恋愛感情とは別の、国を守り導く者としての、同志のような感情と感じております」
「あ、ああそうかもしれない」
「ご自分でお気付きかは分かりませんが、レント様は実は女性が苦手ですものね?」
「…………苦手、と言うか、まあ、信頼関係を築くのには時間がかかるなとは思う」
「ええ。以前お聞きしたレント様のご経験から思えば、それも仕方無く思いますが、お一人だけ例外がいらっしゃるのはご自覚がございますか?」
「………………ミミリー嬢の事か?」
「フフフ、良かった!自覚してらっしゃるようで」
「だが彼女は、なんと言うか、こちらが警戒する隙もなくスルリと懐に入って来た小動物のようで、恋愛感情などとは違う気がするが?」
「本当に?ダンテのパートナーとして着飾ってパーティーに出席したミミリー様を、素直に褒められませんでしたわよね?」
「う、」
「花嫁のブーケを受け取った時もあまり面白く思わなかったのでは?」
「いや、あれは、物凄い速さで投げ渡されていたのに驚いて………」
「先日の幼馴染みの冒険者の話も、少し過剰に心配されてたように見えましたけれど?」
「それは、冒険者という職業に少々偏見があったのかもしれない」
「フフフ、言い訳ばかりに聞こえますけれど?」
「………………………………はぁ、分かった!降参だ。認めるよ!確かに僕はミミリー嬢に好感を持っている。他の令嬢に向けるものとは多少違う感情であることも認める。だが彼女とは身分が違いすぎるだろう?万が一彼女が受け入れてくれたとしても、周りが納得しない」
「フフフ、わたくしもね、ミミリー様が大好きですの。明るく朗らかなところも、可愛らしい容姿も、有能なところも、隠しきれていない素直な表情も、見た目に合わぬ強さも、そして何よりわたくしの事を一目で認めて下さったところが。ミミリー様にはとても感謝しておりますの。ミミリー様はご自覚されてないようですが、この城の中でもミミリー様の影響力と言うのは中々のものですのよ?各大臣だけでなく、メイドや侍従の評判も良く、下女にまで応援されていますの、フフフ。彼女ならばわたくしと共にレント様を支えるこの国の柱となれましょう」
「だが、彼女は男爵令嬢だ」
「ええ、ですからわたくしお願い致しましたの!レント殿下の秘書官をなさっているムクチャード公爵子息を通して、ムクチャード公爵家の養子としてミミリー様を迎えて頂けないかと。勿論先にミミリー様のご実家であるクレッシェル男爵家の了解を頂いてからですけれどね?」
「は?」
「ご両家共に、ミミリー様が幸せになれるのならば了承すると仰って下さいましたわ!そして陛下と王妃様にも話は通してあります。ミミリー様のご実家クレッシェル男爵家は、建国後間も無く叙爵されて以来の、由緒正しい男爵家、その様な歴史ある家柄はこの国でも片手の指で足りるほど少なく、しかも他の家は高位貴族家ばかり。それだけ代々大切に守られてきた家柄の令嬢ならばと納得して下さいましたわ!さあ!後はレント様がミミリー様を口説き落とすだけで、全ては解決致しますわ!」
リューレイアの行動力を嘗めていた。
外堀を埋めるどころかガッチガチに固めその上に砦を築く勢いだ。
そして意図的に噂も流された。
曰く、王太子殿下とリューレイア王太子妃様は、精神的な相性はすこぶる良いが、肉体的な相性が合わず子供が授からない。
仕方無く子供の出来にくい高位貴族の令嬢ではなく、歴史も長く由緒正しい家柄で、多産の家系のクレッシェル男爵家の令嬢を側妃に迎えるのだと。
この噂のお陰でミミリー嬢への、高位貴族令嬢達のやっかみを潰せた。
まあ、そこまでお膳立てされて振られましたでは立つ瀬が無いので、ミミリー嬢を全力で口説いたが!
何せ閨教育は受けていたが、恋愛となると初心者もいいところなので、空回りしてリューレイアや母上にまでアドバイスされて、執務室メンバーには微妙な顔で見られたが、半年と少しかかって、何とか側妃として結婚を承知して貰えた。
最初ミミリー嬢はリューレイアに申し訳なさそうな顔をしていたが、誰よりもリューレイアが張り切って結婚準備を進めていたので、その内前向きになってくれた。
側妃とは言え王太子妃となるからには王太子妃教育が必要なのだが、ミミリー嬢は見た目に合わぬ優秀さを発揮して(その陰には大幅に王太子妃教育の見直しを行ったリューレイアの存在もあったのだろうが)やはり半年と言う短期間で王太子妃教育を終了させ、待ち構えていたかのように即結婚となった。
その指揮を執ったのは言うまでもなくリューレイアで、王族としては極質素な結婚式ではあったが、始終笑いの溢れる和やかな式になった。
養子として受け入れてくれたムクチャード公爵と、ミミリー嬢の実父であるクレッシェル男爵が、何故か抱き合って号泣していて皆の笑いを誘発させていたが。
結婚して3ヶ月、ミミリーの妊娠が判明。
誰よりも喜んだのはリューレイアと母上で、いくらミミリーや侍女長、医師が大丈夫だと言っても、全く聞かずに付きっきりの介護状態だった。
ミミリーがあまりの過保護ぶりにキレて大説教をかますまでは。
父上と私はそれを苦笑を堪えて見ているしか出来なかったが。
リューレイアはミミリーの負担にならないように、王太子妃としての仕事を一手に引き受け、その給料で生まれてくる赤ん坊用の様々な道具や産着、遊び道具を揃えていた。
月が満ち、驚く程の安産で生まれた赤ん坊は男児で、産婆をのけ反らせるほど大声の産声をあげた。
城中が祝福ムードに沸き立つ中、父親である私よりも先にリューレイアと母上がミミリーを抱きしめてお礼を言っていた。
翌年にも息子が生まれ、さらに翌年には双子の女児が生まれた。
ミミリー本人が言っていたように、多産の家系らしくさらに翌年には双子の男児が生まれ、さらに翌々年にはもう一人男児が生まれた。
◇◇◇◇◇◇
6人の子供達がキャッキャと駆け回るのを上手に捕まえないように走らせる。
6歳になる長男はだいぶ早く走れるようなったが2歳の双子はまだ走ると言うより弾む様に歩くのが精一杯。
触れそうで触れないふりをするとキャーキャーと叫びながら転がったり跳び跳ねて逃げたりと忙しい。
リューレイアのスカートに隠れようとしている2歳の双子を捕まえて抱え上げるとキャキャキャキャッと奇声のような笑い声をあげる。
それを助けようと6歳と5歳の息子達が私の体にしがみつく。
双子の姫が兄達を応援すれば、さらにしがみつく力が強くなり、流石にバランスが崩れ倒れる前に抱いている双子を解放すれば、長男と次男がそれぞれ手を繋ぎ私から遠ざかる。
弾ける笑い声にリューレイアの笑い声が混ざる。
騒ぎを聞き付けたのか、メイドに付き添われて乳児を抱いたミミリーが現れた。
子供達が一斉にミミリーに近付き、勢いを止めてからゆっくりと2人ずつ抱き付いては離れるのを繰り返す。
リューレイアが以前、赤ん坊を抱いているミミリーに近付く時の注意をしていたので、言い付けを守りそっと順番に抱き付く子供達が可愛い。
隣に並んで子供達を見ながらリューレイアが、
「フフフ、幸せですわね?」
「ああ、幸せだな」
この幸せな光景を守るために私は精一杯この国を守ろうと決意を新たにリューレイアを見れば、同じ気持ちだったのか頷いてくれた。
ただ一つだけ心配な事が有るとすれば、
「ミミ母様、見てて!今度はおらが父様をつかまえるど!」
「えー!おらがつかまえるど!」
「「おらたちもつかまえるど!」」
「「おら~」」
この訛りをどうするか。
リューレイアは困ったように笑うばかり。
確かにミミリーと同じ口調で可愛らしくはあるが!非常に可愛いのだが!王子や姫としてはあまり喜ばしい事ではない。
一つの地方だけを贔屓している様に見えては、他の地方の不満が募る。
だが可愛い!なかなか解決策の見付からない難問だ!
これで本当にストック分が空っぽになりました。
連載の方は引き続き書いてはいるのですが、まだまだ投稿出来る程貯まっていないので、暫くはお休みになるかと思います。
また他の作品でお会いできると嬉しいです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました!
感想を頂いた時に、駆け回ってる6人の子供達~の下りで、子供は7人ですよね?とご指摘頂いたのですが、末っ子はミミリーが抱っこして後から登場するので、走り回ってるのは6人であってます!
分かりづらかったらごめんなさい。